心つづれおり〜41 オペラ夏の祭典トゥーランドット〜

2019年8月、念願の札幌文化芸術劇場hitaruでの観劇でした。hitaruのような劇場が北海道にもできることを本当に心待ちにしていました。今まで、様々な演劇やコンサートを観たくても北海道には限りがある、と常々思っていて・・・。hitaruの誕生により、生オケのミュージカルを観劇できる機会が増えたら嬉しいです。

劇場は、私にとって夢の空間ですが、このhitaruも特別な場所になりました。客席内に初めて入ったときのときめきは忘れられません。また、音の響きが細やかで大胆で臨場感たっぷりなことに感激しました。オーケストラの演奏と歌声の混ざり合うバランスが心地良く、歌詞もクリアに届きます。壁寄りの席でしたが、音のバランスは良かったと感じました。

このトゥーランドットは、新演出版で斬新な解釈と演出だったそうです。私は、初トゥーランドットで、むしろこれがスタンダードと感じました。トゥーランドットは、プッチーニの未完の遺作なので、演出によって変化する作品なのだろうと思いますが、これが最初のトゥーランドットだったことは、とても贅沢な観劇体験だったかもしれないと、時間が経つ程に思います。何より感動したのは、ラストの真っ赤な花びらが舞い散る演出。モノトーンのスタイリッシュな舞台上に際立つ赤が、鮮やかでした。登場人物としては、有名なトゥーランドットやカラフ以上に、リューという女性が強く心に残りました。愛に生きる人には、果てしない強さがある。どうしてもミュージカルと繋げてしまいますが、レミゼのエポニーヌに通じるキャラクターを感じ、印象的でした。リューを演じた日本人キャストの砂川涼子さんの歌唱にはとても心を揺さぶられました。

観劇は、あらゆる感性が目覚める体験。オペラの壮大な世界観と素晴らしい劇場に心満たされました。

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