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ケアンズ1人鳥見旅⑥3日目キュランダ国立公園

前回のnoteはこちら↓

~2022年8月2日~

 ケアンズ3日目はキュランダ国立公園に行ってきた。キュランダといえばケアンズから出発するキュランダ高原鉄道が有名だが、これは観光列車で片道$50もかかるため今回は当然スルー。興味自体はあるので社会人になって金銭的余裕ができたら乗ってみたい。

 今回僕が利用したのはTrans North Bus ServiceのRoute 850のバス。このバスはキュランダだけでなく有名探鳥地アサートンまで行くことができ、運賃もそこまで高くない(キュランダまで$7.10、アサ―トンまで$26.70)のでケアンズを訪れた金欠学生バーダーにとっては必須の交通手段だろう。とはいえ、一日5便しか運行していないので、時刻表は要チェックだ。 

 バス停はケアンズ駅構内のplatform 1にあるのだが、場所が意外と分かりにくかったので時間に余裕を持って来ることをお勧めする。始発便は午前7時のはずだったが、僕の場合バスが出発したのは定刻より30分ほど遅れた7時30分くらいだった。むしろ海外でその程度の遅れで済む方が幸運といえるか笑。車内にはマクス着用を求める貼り紙があったが、運転手を含めて誰もマスクをしてないのは笑った。順調にバスは山道を進み、キュランダ国立公園には午前8時過ぎに到着。

キュランダ国立公園に到着

 キュランダ国立公園は世界最古の熱帯雨林として知られており(このフレーズは他でもよく聞く気がするが笑)、世界自然遺産にも登録されている。

 ここでぜひ抑えておきたいのがご存知ヒクイドリ。ヒクイドリは野鳥らしからぬ風貌とその大きさからバーダーには不人気だが、僕にとっては憧れの存在だ。

 というのも、実は僕は大の恐竜好きで化石とかを集めていた時期もあり、野鳥に関しても恐竜の子孫という肩書から興味を持ったので、バードウォッチャーとしての僕のルーツは恐竜にあると言っても過言ではない。そしてヒクイドリが含まれる走鳥類は現生鳥類の中では最も古いグループで、絶滅した大型獣脚類に限りなく近い存在なのだ。

 ヒクイドリに惹かれる理由はそれだけではない。現存する走鳥類の中で唯一持っているそのトサカは、いかにもラプトルチックでカッコ良すぎる。他の大型走鳥類と異なり群れを作らず熱帯雨林の中でひっそりと暮らしている神秘性も魅力的。何より、時に人さえも蹴り殺すその暴力性は恐竜そのものだ。死に方を選べと言われたら、迷わずヒクイドリに蹴り殺されたいと言うだろう。それぐらいヒクイドリが好きだ!好き過ぎる!!!


 僕のヒクイドリ愛について語るのはここまでにして、鳥見の話に戻そう。ここキュランダ国立公園には2つの鳥見スポットがある。1つ目はキュランダ駅周辺の別荘地、そして2つ目はヒクイドリがよく目撃されるブラックマウンテンロードだ。帰りの最終バスは14時40分なので、タイムリミットは6時間ほど。ヒクイドリが第一目標だが、国立公園にはムナオビエリマキヒタキ、コウロコフウチョウ、シラフミツスイといった魅力的なケアンズ固有種も多く生息しているので、時間配分には気を付けて鳥を見る必要がある。


 とりあえず、キュランダ駅周辺の別荘地で鳥見開始。まず視界に入ってきたのはワープーアオバト。これも楽しみにしていた鳥だ。アオバト属はどれも本当に美しい羽色をしているので、海外探鳥の楽しみの一つ。他にもキバタンやクロモズガラス、パプアオオサンショウクイ、ケープヨークハゲミツスイ、ベニカノコバト、モリツバメ、ハイムネメジロ、メガネコウライウグイスなどを観察。

ワープーアオバト(Wompoo Fruit Dove)
ベニカノコバト(bar-shouldered dove)
パプアオオサンショウクイ(White-bellied Cuckooshrike)
モリツバメ(White-breasted Woodswallow)
ハイムネメジロ(silver eye)
キュランダ駅舎

 キュランダ駅周辺を一通り見て回ったら、いざヒクイドリが目撃されているブラックマウンテンロードへ。このブラックマウンテンロードのカソワリハウス周辺はe-Birdによるとホットスポットらしい。

 ブラックマウンテンロードを歩き始めると、なんと早速ムナオビエリマキヒタキが登場!ケアンズ周辺の固有種の中でほぼ唯一見た目が華やかな鳥でなので、これはマジで見なければならない種だ。ケアンズで見たい鳥ベスト5には入る鳥だったので、これは本当に嬉しかった。こんなにあっさり見れてしまうとは…。

 見た目は白と黒のコントラストがはっきりしており大変美しい。この種はエリマキヒタキ属に含まれるが、このエリマキヒタキ属自体の分布域もニューギニア島と豪州ヨーク岬半島のみであり割と世界的レアな属。

ムナオビエリマキヒタキ(Pied Monarch)
 

 ブラックマウンテンロードを歩いていると、何度かバードウェーブに遭遇した。一度に複数種が出るので、何を撮ったらいいか分からない汗

 しかも、前日までと標高が違うためライファーがほとんどなので大変だ。

マミジロナキサンショウクイ(Varied Triller)
ハシナガヤブムシクイ(Large-billed Scrubwren)
オウギビタキ(Grey Fantail)
チャイロセンニョムシクイ(Brown Gerygone)
シラフミツスイ(Macleay's honeyeater)
これもケアンズ周辺の固有種
キアシヒタキ(Pale-yellow Robin)
ノドグロセンニョムシクイ(Fairy Gerygone)
メンガタカササギヒタキ(Spectacled Monarch)
ヒクイドリの看板

 鳥の密度は高くて楽しいのだが、肝心のヒクイドリの気配は全くなし。ヒクイドリ注意の看板が多く設置されており、いかにも道端を歩いていそうな雰囲気が漂っているのだが…
 
 結局ヒクイドリが現れないまま、最終バスの時間が迫ってきた。そろそろ切り上げなければ、宿に戻れなくなる。泣く泣くヒクイドリは諦めた(TT)。悔しい…悔しすぎる…

 後ろ髪を引かれる思いでバス停に向かっていると、頭上にイチジクインコがいるのを発見。かなり美しい羽色のインコだ。バスの時間が近づいていたので、最後にテキトーにシャッターを切って後にした。

イチジクインコ(Double-eyed Fig Parrot)

 こうしてケアンズ3日目を終えた。ムナオビエリマキヒタキをはじめとした色んな魅力的なライファーに出会えて成果としては悪くないハズだが、素直に喜べない。勝率は高くないと最初から分かってたけど、ヒクイドリを外したショックが大きい。やっぱヒクイドリ見なかったな〜泣

 その夜、旅の後半でもう一回ヒクイドリチャレンジをしようか…などと考えていると『ケアンズ探鳥図鑑』の著者でありケアンズバードガイドである松井 淳氏からTwitter経由でDMが来た。このDMがこの後、僕の鳥見旅を思いもよらない方向へと導くことになる。

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