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DeepLで外国語を学ぶ

 いやすごい技術だよ、と思うのはDeepLであります。数年前にAlphaGoなどが流行ったときに、門外漢ながらざっとDeep learningの画像認識などに触れて、大変すごいねとは思ったけれども、それからたった5年ほどでここまで来るとは思いませんでした。そしてDeepLは私が外国語を勉強するのを大変助けてくれます。

 半年(一年?)くらい前にEnglisterというサービスができて、これはすごいと界隈がザワついたのですが、私は最近それに課金をはじめました。このEnglisterというのは、自分で書いた日本語を英語に直して、DeepLが書いてくれたお手本と見比べて写経するという、とても使いやすいサービスです。なぜ今かと言えば、英語圏ではないが海外に赴任になって、生活も落ち着いてきて、やはり語学はできればできるほどよいと考えるようになったため。

 Englisterはとてもよいので、開発した方への感謝も込めて、しばらくはお金を払って使い続けようと思うのですが、こういう風に中国語も勉強したいと思うわけです。それで中国語もDeepLで勉強したらいいではないか、という風に思いました。

 例えばこのような日記を書きます。

【原文】深圳に出張にいったところ、想像以上に暖かく、もう完全に春の陽気でした。次の週は上海もだいぶ暖かくなるはずだと天気予報で見て知ったので、まるで帰りはこの春と一緒に北に飛んで帰るようだな、と思いました。ところが、しばらくすると、深圳の春は上海の春とは少し様子が違うことに気がつきました。深圳の暖かさは南国の暖かさで、花も南国の花で、私に取っては少し慣れません。それで、上海に帰る頃には、春と一緒に帰るのではなく、もう一度寒い上海に帰って、上海の春を待とうという気持ちになっていました。

 これを自分なりに中国語にした上で、DeepLに書けて日本語に戻してやる。

【自分訳】我到深圳出差就知道,当地的天气比我想象的还暖和,已经完成是春天的感觉。我看天气预报已经知道下一周上海也变得很暖和,所以我觉得回去的时候真如跟春天一起回去。但是,在深圳过了一段时间后注意到深圳的春天和上海的春天有些不同。深圳的暖气就是南国的暖气,花也南国的花,我就不太习惯。所以,快回上海的时候,我开始觉得这不是跟春天一起回去,而是先回到较冷的上海而应该等待上海的春天。

【自分訳のDeepL逆翻訳】深圳への出張で、深圳の気候が思ったより暖かく、すでに春らしくなっていることは知っていました。 翌週には上海も暖かくなることを天気予報で見て知っていたので、帰国するときは春と一緒に帰りたい気分だった。 しかし、深センでしばらく過ごしてみて、深センの春は上海の春とは少し違うことに気がつきました。 深センの暖房は南と同じで、花も南と同じなので、それに慣れていなかったんです。 だから、上海に帰るときに、春と一緒に帰るのではなく、まず寒い上海に帰って、上海の春を待とうかと思うようになったんです

 太字でハイライトした部分は、言いたいことは分からなくはないけど、なにか変な部分です。すごいですよね、外国人のあの「言いたいことは分かるけどなんか変」が可視化されているわけです。私の中国語はまあまあ通じるレベルですけど所詮このレベルです、というこのレベルをまさに知りたかったんだ。

 さて、ではDeepLに翻訳をお任せしてみます。

【DeepLによる翻訳】当我去深圳出差时,天气比我想象的要暖和,已经完全像春天了。 我从天气预报中得知,接下来的一周上海应该会更暖和,所以我以为在回家的路上会像带着这个春天飞回北方。 然而,过了一会儿,我意识到深圳的春天与上海的春天有些不同。 深圳的温暖是热带的温暖,花也是热带的花,这对我来说有点陌生。 所以当我回到上海的时候,我觉得我应该再次回到寒冷的上海,等待上海的春天,而不是带着春天回去。

 「分かるぞ、こなれているのが分かる、こういうことを言いたかったんだ私は。」という部分と、「なるほど、こういう風にいうのか」というのが半々くらいです。これを逆翻訳にかけるとどうなるかと言えば、

【DeepL翻訳の逆翻訳】仕事で深センに行ったとき、思ったより暖かくて、もうまさに春という感じでした。天気予報で翌週の上海が暖かくなると知っていたので、帰りはこの春を感じながら北へ飛んで帰るようなものだと思っていた。しかし、しばらくして、深センの春は上海の春とは少し違うことに気がついた。深センの暖かさは南国の暖かさであり、花は南国の花であり、私には少し異質であった。だから、上海に戻るときは、春を持ち帰るのではなく、もう一度寒い上海に戻り、上海の春を待とう、と思った。

 ほぼ原文通り…!(ですます調とだである調の混在は無視してよい)。すごいなぁ、すごいなぁ。もちろん違和感がないわけではないのですが、このDeepLの中国語をベースに違和感があるところだけ本物の先生に聞けば、ほとんど完璧じゃないですかね。

 あまりに感動したので、書き殴ってしまいましたが、ただDeepLがあったからと言って外国語学習がはかどるかというと、そういうわけではないと思います。私の場合はまず外国語を使う環境があるということ。あとは、意外ときいているのは、短歌のおかげで世界を見ることを知ったので、短歌になりきっていない感情であればいくらでもある、ということであります。話したいことがなければ、語学は勉強できないのですが、私は今いくらでも話したいことがあります。素晴らしい。

旅先に見つけた春は浮かれてて家に帰ってもう一度待つ

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