LINER NOTES: 「Hotel Albert Live ホテルアルバート ライブ盤音源セレクション」

特大感情を消化するプレイリストを

2019年、USJで公演されたイマーシブシアタータイプの期間限定コンテンツ「 ホテル・アルバート2~レクイエム~」が、私の人生を狂わせた激重感情エンタメだというお話をこの記事で少し書きました。即、ラウンジの音楽を調べプレイリストを作り夜な夜なチケットのキャンセル待ち(だったのかな?前日21時に突然△枠が登場するやつ。RIPツアーに予約がないと空くともいわれていました)をしつつ聴いていました。2019年のハロウィーンが終わると、その演目の性質上動画はもちろん、写真、音声もほぼ資料がなく、記憶と界隈に出回る怪文書しか残らず(そういえばどの部屋の香りはなんてメーカーのなんて品番のフレグランスだ!とか特定して怪文書化してた人いたなあ)、ラウンジのBGMそのままというプレイリストはやや強刺激すぎるものになっていました。意外とラウンジBGMはアップテンポな曲も多くて、夜にウィスキーグラスでも傾けながら聴けるようなナイト&スローな感じを出せたらいいなあと思い、考えついたのが「同じ曲の別音源ってないのかな?」「じゃあ、ライブ盤とかリリースされてないかな」というアイデアでした。

タバコ片手に歌うBeth Gibbonsがカッコ良すぎて

Glory Boxは、アルバートラウンジ楽曲でも群を抜いて好きな一曲なのですが、そのライブバージョンが比較的早い段階でヒットしました。この曲は”愛する理由を求める女性”を描いた、愛がテーマ(だったと思う)ホテルアルバート2にはピッタリすぎる曲なのですが、どこかそれが切なく気怠く描写されていて。ライブ盤では、タバコ片手に煙をくゆらせながらマイクスタンドにもたれて歌うBeth Gibbonsの姿が、曲の世界観をより一層深くしています。あえてスタジオライブであることやまた、ストリングスがより強く聞こえたりすること、ドラムのドランクビートっぽさもアルバム収録のものより心地伊井氏、スクラッチが入ったりして大きく盛り上がってからの落ちサビの雰囲気にも魅了されてしまいました。この映像を見てしまって、「これは!」と思い、ライブ盤探しの旅が始まりました。

意外と、ない

が、他の曲が見つからないんですよね。比較的マイナーなところを攻めているラウンジBGM。そこでライブ盤に限ることは辞めて、ラウンジBGMと別アレンジであれば、OKとすることに。とはいえ、この辺から「もしホテルアルバートラウンジにもう一度入れたときに、こんな生演奏を聴けたらいいなあ」という、ホテルアルバートというコンテンツを思いながらも、ステージ18を想像しながらも、”ホテルアルバート”という仮想の空間を訪れるイメージも大切にしつつ曲を探していきました。

記憶薄れても / こんな時に聴いてほしい

そうして出来上がった「Hotel Albert Live」プレイリスト。丸4年経ち、コロナのこともあり、もう”ホテルアルバートに戻ること”は叶わないだろうなと理解できるようになって、というか人間の不便で便利なところで、だんだん拘りも薄れていって、それでも好きだから、記憶から感覚のようなものに変貌していっても、ときどきこのプレイリストは、感覚の中に確かにある”ホテルアルバート”に連れて行ってほしいときに最適なプレイリストになったのでした。ホテルアルバートを知らない方には、どことなく耽美で、切なくて、全体のトーンは落ち着いているので、やはり夜のバータイムのような雰囲気で聴いていただけるプレイリストなのではないかと思います。

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