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【FaMil通信#36】コロナ禍以降の賃貸オフィスマーケット動向

こんにちは!株式会社FaMilです。

新型コロナウイルスの流行から早くも2年、その間に賃貸オフィスマーケットにも様々な変化が起こってきました。
今回は、そんな賃貸オフィスマーケットに関する直近の動向を私たちの見解も踏まえ皆様にお伝えします!

1.これまでの動向

最初の緊急事態宣言が発出された2020年春以降、賃貸オフィスのマーケットには大きく以下の変化が出ました。

リモートワークの浸透により、多くの企業のオフィス解約や縮小化が進む
                ↓
それに伴い、オフィスマーケットに新たな空室情報が出てくる
                ↓
新規供給床(=空室情報)が増え、空室率が上昇する
                ↓
結果、オフィスマーケットの平均賃料が下がり始める

<参考情報>
三幸エステート「オフィスマーケット調査月報(東京都心5区)」より

FaMil通信(7)

データからもわかるように、小型~中型ビルについては自然空室率(*)の目安とされる5%台を2021年春頃には上回っており、需給バランスに変化が出ていることを示しています。
(*自然空室率・・・5%を切ると貸し手優位、5%を上回ると借り手が優位と言われています)

今後もこの傾向は変わらず、大型~大規模ビルの空室率も上がっていくことが予想されます。
私たちの実感値としては、下図のように小型~大型(1フロア:200坪以下)を賃借している企業群では初動のアクションを踏まえた二回目のアクションを検討し始めたり、早いところは既に二回目のアクションを実行に移す動きも出てきており、大規模ビル(1フロア:200坪以上)を賃借している企業群についてはここまでの検討期間を経た初動のアクションが出始めた印象です。

FaMil通信(6)


2.直近のトピック

更に、今後も都心には大規模なオフィスビルの新規供給が控えています。

<2022~2023年に竣工する主な新築物件の一例>
●八重洲ミッドタウンセントラルタワー
2022年8月竣工予定 基準階:約1,200坪
地下4階/地上45階建 貸室面積:約39,000坪

FaMil通信(3)

出典:『東京ミッドタウン八重洲』公式サイトより


●虎ノ門・麻布台プロジェクト
2023年7月竣工予定 基準階:約1,300~1,400坪
地下5階/地上64階建 貸室面積:約62,000坪
(※上記いずれも、A街区に関する表記となります)

FaMil通信(4)

出典:『森ビル 主要プロジェクト』公式サイトより


●渋谷桜丘プロジェクト
2023年11月竣工予定 基準階:約840坪
地下4階/地上39階建 貸室面積:約30,000坪

FaMil通信(5)

出典:『東急不動産 オフィスビル情報』公式サイトより


これらの大規模物件に移転する企業が出てくれば、現オフィスの解約に伴う大型の二次空室が発生してくるでしょう。

つまり今後は・・・

〇新たな大型の二次空室が発生してくる可能性が高い
〇大型の二次空室発生により、空室率も更に上昇していく
〇空室率の上昇により、賃料相場へも影響がある(平均賃料も下がるはず)
〇より、借り手が有利となるマーケット状況へと推移していくのではないか

その裏付けとして、

●大幅な値下げや大型フリーレントの付与をはじめとしたテナント誘致のための施策を打つオーナーが増えてきている
●個別の商談毎にかなり踏み込んだ条件交渉も可能になっている

といった事例もあり、この先の見通しが厳しい(=今ある商談を何とかまとめにいきたい)と感じているビルオーナーが実際にいることがわかります。

3.最後に

全体的な傾向は本号でご紹介した通りですが、例えば渋谷エリアについては埋め戻し(新たに出た空室の成約)が比較的早く他エリアと比べると選択肢が少ない状況に戻りつつあるなど、エリア毎にその動向に違いも見られます。
ご興味のある方はお気軽にお問合せください!
お問い合わせはこちら⇒https://www.famil-inc.jp/




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