見出し画像

【Re】2023.08.25 ロンドン

2023.08.25

朝8時に目が覚めた。
普段、日本時間で3時過ぎに寝て昼に起きている私にとって、ヨーロッパの時差はなんともちょうど良い。

今日はせっかくなのでロンドンを観光することにしていた。元々イギリス滞在は予定していなかったけれど、たまたまマイルで取れる直行便に空きが出て、これも何かの縁ということで。

まずはホテルからほど近いリージェンツ・パークへ。駅前でコーヒーを買って飲みながら歩く。ロンドンの朝は肌寒い。コーヒーをホットにするべきだったかも。でも、寒いのが好きな私はそれすらも嬉しい。

リージェンツ・パークは、日本で言うと代々木公園と皇居の間のような場所だろうか。ロンドンにはいくつか大きな公園があって、そのひとつ。走っている人、犬の散歩をしている人、観光客など。平日の朝なので人はまばらで、穏やかな時間とよい空気が流れていた。街路樹は日本の公園の倍ぐらい背丈があって、それらがつくる日陰が朝の気持ちのいい涼しさを一層爽やかにしている。

何よりいいなと思ったのは、植栽の種類の豊富さ。
同じような草木ばかりではなく、花や実の着いた枝、エキゾチックな植物まで、さまざま。
もちろん中心にあるクィーン・メアリーズ・ガーデンの薔薇も素晴らしいけれど、それ以外の草花の種類と植え方の素晴らしさ、高低差がほとんど無いのに誘い込まれるようなランドスケープ・デザインに心奪われた。

バラは名前を見るのが楽しい


私は、いわゆる観光地と呼ばれる歴史的建造物への興味が薄く、こうした自然豊かな公園や、人々が日々の生活を送る街への興味が強い。

リージェンツ・パークも、なぜこんなに植栽の種類が豊富なのか?どういう基準で選定されているのか?誰が設計や手入れをしているのか?むくむくと興味が湧いた。これは、デザインの意図を知りたいという欲求に近い。

同時に、歴史的建造物へ興味が持てないのはその成り立ちへの知識が足りていないからなのだろうなと思った。
美術館へ行くと、昔の宗教画はどんなに上手くても心惹かれず、結局自分ごとにできる風景画に惹かれるように。

でも、それは単に学が無いだけで、学ぶことで興味が広がるのかも、とも思った。行動に移す日が来るかは分からない。


夜、ウェストエンドで「オペラ座の怪人」を観劇した。
英語が分からない上に、行きの機内で予習した映画版と全然ストーリーが違うので前半は困惑するばかり。笑いが起きるたびに、演者のコミカルな動きから内容を予想して一緒に笑ってみるけれど「言葉が分かればいいのに」と思わずにはいられない。

それでも、休憩であらすじを読んで迎えた後半。最後のクリスティーヌの慈愛と怪人の歌唱に、ポロポロと涙が溢れた。

学はあった方が良いし、言葉も分かるに越したことはない。

それでも、それらを超えて訴えかけてくる自然のうつくしさや歌に乗せられた感情を、受け止められる感性をちゃんと持てていたことは幸せだな、と思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?