方針 決心 2020

久々の更新。

この夏から久しぶりにゲームやアニメに没頭するようになり、その反動で最近はゲーム開発のモチベーションが爆上がりしているものの、どこか漠然としたあてどない黙考に指が止まる、そんな日々を過ごしていました。

しかしそれも今日で終わり。

これまでも幾たび、夢を詰め込んだゲームを作ろうとしては、制作すらまともに始まらずに頓挫、というループから抜け出せずにいました。そんな4、5年間を悔やんでも益体はなく、今はとにかく目の前のことを、未来のことを、今度こそこのゲームを……そうして、こうして、ああして、もう何度目のことか。

そんな無限の挫折もまた、今日への礎。

新作を練り始めた一ヶ月前

今回の話をします。残りの学生期間、最後で最初の新作を作ろう、というモチベーションが立ち上がったのが一ヶ月ほど前。最新の知見や新たな夢を詰め込んで、最初こそたくさんのアイデアが綴られていったものの、やはりそこからゲームという体をなすまでのプロセスで行き詰まってしまいました。

これまではここで、つまり企画の段階で諦めてしまっていたことが多かったわけですが、今回はまず第一のテコ入れ。とにかくプロトタイプを作ってみよう、という試みにより、Unityを用いてかんたんなステージを用意してみました。ここで、最初の課題が見えてきます。

・このゲームでやりたいこと、開発者としてのモチベーションは何か?
・このゲームの魅力、プレイヤーのモチベーションは何か?
どんなプレイヤーが対象か?

あらゆる物事において、モチベーションは重要です。ゲーム開発にも、ゲームのプレイにもです。そして開発者は自分自身なのでいいとして、もうひとりの主体、プレイヤーの人物像についても掘り下げる必要があります。

これは古今東西、ゲームに限らない企画の基礎として語られる項目に違いありません。ターゲットの設定。しかし、僕はこれまでそんな大それた立案をしてきた覚えはありません。それでは、どうしてこれまでの人生において、完成したゲームと完成しなかったゲームがあるのでしょうか。

『聖片の森』……ウディコンに出品したかった
『ジャックと積み木の塔』……就活でVR対応ゲームを持ち込みたかった

振り返ると、その他の作品も含めて、完成したゲームはどれも「自身のモチベーション」を起点としています。……それは当たり前のこと? 実は、共通点は他にもあったのです。

『聖片の森』……ウディコンへの出品→フリーゲームプレイヤー
『ジャックと積み木の塔』……就活でのポートフォリオ→面接官
(さらに、VRの魅力を伝えるための作品→VRゲーム未経験者)

そう、これまでの「自身のモチベーション」の先には、常に「想定されるプレイヤー」の存在があることに気づきました。

それでは、新作ゲームでもターゲットを設定するために、「自身のモチベーション」、つまるところ「ゲームの行き先」を掘り下げていけばよい、ということが見えてきたのです。

作ったゲームはどこへ行く?

これまで開発したゲームはどれも、ウディコン、学祭、就活と、様々な「場所」をゴール地点としていました。そのゴール地点では、誰かがこのゲームを遊び、何かを感じ、あるいは何かを評価していきます。それはすなわち、そうした人々にとって価値のあるゲームを目指す、というのがロードマップの道標となるわけです。

それに対して、今回の新作ゲームはどうでしょうか。そもそも、僕は作ったゲームを無料で公開したいのか、有料で販売したいのか? PCゲーム? モバイルゲーム? Steamで売るのか、Google Playで配信するのか、Unityで作るのか、イラストや音楽はどうするのか?

改めて考えると、何度改めて考えても、やっぱり何も考えてないんだなということを痛感します。

モチベーションが確かにあっても、やりたいことが漠然としていれば、その先の詳細をいくらこねくり回したところで、散漫とした文章が手元に残るだけです。

だからこそ僕は、このゲームのコンセプト、主要キャラクター、プラットフォーム、ゲームエンジン、イラストや音楽の勉強、その他こまごまとした作業で“即物的に制作意欲を満たす”前に、ゴールを設定する必要があったのです。

それに、やっと気づいたわけです。4、5年かけて。

そうして僕は、「このゲームの行き先」を探すべく、旅をはじめました。

どこでゲームを出すか?

まず考えるのは、ゲームを出す場所です。販売サイトに限らず、即売会、コンテスト、展示会、あるいは友人に向けた発表など、いろいろな“場所”が考えられるはずです。これまで自然とそうしてきたように。

というわけで、考えられる限りの選択肢を挙げ、さらに実際にリリースする際の諸費用、実際に利用している人の声なども調べてみました。

Steam
DLsite
BOOTH
/ DiGiket.com / メロンブックスDL など
Google Play / App Store
自作ゲームコンテスト(ウディコン、ニコニコ自作ゲームフェスなど)
即売会(コミケなど)
他メディアでの宣伝+個人サイトでの配信

ここで一つの疑問点が出てきます。モバイルゲームは無料+広告収益でもいいとして、PCゲームを作る場合、これまでのように無料で配信するのか(フリーゲーム)、それとも有料で販売するのか、という点です。

僕はこれまで、趣味で作ったゲームで稼ぐつもりはない、と考えてきました。あくまでもこれはロマンの追求であり、お金を稼ぐ手段ではないと。しかし、その考えを改めるきっかけがありました。

Pricing Hobby Games

このブログ(ブログなのか?)で延々と語られているのは、「趣味のゲームを販売しない理由がない理由」です。あらゆる角度で販売を嫌う趣味開発者を取り上げ、そのすべてにしっかりと理由をつけて論破しています。

この文章を読み、僕は一つの形があることを知りました。「ゲームで稼ぐ」ことと「ゲームを売る」ことは違う。そして、「ゲームを売る」ことは、すなわち「ゲームに価値をつける」ことにほかならない。

それはつまり、ゲームを稼ぎの手段にするための有料販売ではなく、ゲーム自身の価値を高めるための有料販売という視点です。

それは同時に、自身のゲーム制作への本気度、出来上がったゲームの品質、そして何よりプレイヤーとの深い信頼関係が求められることも意味しています。(実際に信頼関係を築くべきかはわかりませんが、今回はあくまで荒稼ぎではなくゲームの価値を高めることが目的なので)

つまり、もちろんのこと、フリーゲームよりも有料ゲームの方が遥かに「大変」であることは間違いないと思います。それは意志、覚悟という意味でです。

しかし、それこそが本懐なわけです。それは、なんでもいいからゲームを作りたいわけではなく、自分の思う最高のゲーム作品を世に送り出したい、というモチベーションが原点だからです。

そんなこんなで今回のゲームの行き先は、上記リストで太字にしているもの……DLsite、BOOTH、Google Play、そしてニコニコ自作ゲームフェスをメインターゲットとすることにしました。

つまるところ、この文章で言いたかったことは、「ついに有料ゲームに踏み出す決心をしたよ」ということです。

現時点ではここまでしか定まっていないし、明日からももっとゴールの解像度を高め、プレイヤーの解像度を高め、モチベーションの解像度を高めて、目指すゲームの骨格を突き詰めていきたいと思っています。

それでは、以上。


……最後にもう一つ、この「決心」を固めるまでに至った最後のトリガーを紹介しておきます。

このゲームがどうという話ではないのですが、近いジャンルの一例として。

DLsiteは手取り約6~7割とのことなので、価格×0.6、×販売本数……ってマ? どっひゃああああああ!!

夢がありますね

いや、お金目当てじゃないのはほんとですよ

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