2018年12月23日(日) #096 2018年のテーマトーク㉓「バーチャルYouTuber」

はい、アドベントカレンダーも残すところあと2日となりましたね。這々の体で。

本日のテーマは2018年のバーチャルYouTuber。ある意味で2018年こそがバーチャルYouTuber(Vtuber)の始まりの年でもあり、2016年12月に始まり、2017年12月に爆発的な広がりを見せた新しい文化が、実に驚くべきスピードで日常の一部へと変化していった一年となりました。

2018年総決算、好きなVtuber TOP5は記事の最後で。

個人勢、企業グループが続々登場

2018年当初は、まだ2017年末に急速なバズを受けた「バーチャルYouTuber四天王」や一部企業系Vtuberしか存在しなかったと思います。しかし1月になるとすぐ、個人勢と呼ばれるたくさんの活動者がいち早く登場。ある意味先端技術と言ってもいいVtuber活動にこんなにも個人クリエイターがすばやく参戦できたのも、UnityやFaceRigといった下地があったからこそでしょう。

2018年2月になると、今も日々拡大を続けるバーチャルライバーグループ「にじさんじ」がデビューします。月ノ美兎ら8人から始まったグループは今や50名を超え、量産型企業系の旗印として今後も多くのライバーを輩出していくことでしょう。

事務所や配信サービスなど、縁の下の力持ちが整備

それからは更に様々なライバーグループ――ホロライブやあにまーれ/ハニスト、.LIVEなど――が数多くのVtuberを生み出し、加えて星の数ほどの個人勢も増え続け、やがて人気を得てきたVtuberをサポートする事務所も設立されていきます。キズナアイの所属するupd8、ミライアカリの所属するENTUMなどがそれに当たります。これらVtuber事務所はシロちゃんの.LIVE、ときのそらちゃんのホロライブとは異なり、様々な個人勢・ライバーグループを取り込んで活動をサポートしています。

一方、配信環境も着々と整備されていきました。もちろん多くのVtuberの活動プラットフォームはYouTubeに見えますが、一方でスマホ向け配信アプリとしてREALITYやIRIAMといった場も提供されてきています。にじさんじから続く「二次元Vtuber」のほとんどはカメラキャプチャーによって表情を撮っており、それにはiPhone Xに搭載されたフェイシャルトラッキング機能が用いられることも多いわけです。スマホ一台で配信活動ができる時代なのです。もちろん、PC向けのプラットフォームとしても、Showroomなど様々な動画配信サービスが提供されています。また、MirrativやOpenrec.tvなど、既存のプラットフォームでも積極的にVtuberの取り入れが行われています。

誰でもVtuberになれる世界へ

2018年も後半になると、今度はカスタムキャストやVカツといった3Dキャラクター作成サービスが登場してきます。これらで作成したキャラクターはVtuber配信でも使うことができ、技術力のない個人でも、やる気さえあれば配信環境を持てる時代になったわけです。

さらにモデリング側からのアプローチとして、VRoidというサービスも発表されました。前者はゲームのキャラメイクをベースとしていますが、VRoidはあくまでモデリングでありながら、キャラクター作成に特化したツールという位置づけです。決まったパーツしか使えないキャラメイクではできない、自由な創造が可能になっています。

こうした3DアバターはVtuber活動以外にもVRChatなどのVRチャットサービスで用いられることが多いですが、そこに「配布3Dモデル」の権利問題が発生してきます。多くの3Dモデルはゲームでの使用やMMDでの使用など限定的な使用目的を想定しているため、多くの人の目に触れるチャットサービスやVtuber配信、さらに身振り手振りやボイスを付加することによる「人格を演じる権利」など、今までにない概念には対応できていないのです。

そこで登場した「VRアバター規格」が、VRMです。このVRMには3Dモデルデータだけでなく、著作者情報、ライセンス情報などが含まれ、人格を演じる権利など今の時代に合ったライセンスを付加することができます。

そしてこうした流れの集大成として、2018年12月にはTHE SEED ONLINEやVRoid Hubといったプラットフォームが発表されました。これらのサービスは、VRMなどのVRアバターと、様々なVRコンテンツを繋ぐ役割を果たします。あなただけのアバターで、多くのVRコンテンツを冒険することができるようになるのです!

少々Vtuberの話題とは逸れましたが、これは「活動者」としてのVtuberと、「楽しむ人」としてのVRアバター利用が、ある意味地続きであることも表しているでしょう。

視聴する時代から、参加する時代へ

Vtuberの活動は多岐にわたり、トーク配信からバラエティ動画、ゲーム配信やコラボ企画、また技術披露や歌唱活動などが盛んに行われています。個人的には、Vtuberである大きな利点として、歌唱動画のミュージックビデオが3DCGで作成できるというのが面白い点だと思っています。原作再現をしたり、いい感じのMVを作る場合にも、ロケの手間なく好きなロケーションをモデリングすれば済むのです。

これまでのネット活動と大きく違うのは、ファン活動がVtuberへ直接的につながっていることでしょう。多くのVtuberがファンアートを積極的にリツイートし、にじさんじではファンが作成したイメージソングも大きな流行となりました。長時間の配信にもかかわらずファンが増え続けるのには、有志が名場面の切り抜きやMADの作成などを嬉々として行っていることも大きく貢献しているはずです。また、こうしたファン活動を配信者も積極的に応援し、また受け入れていることも大きいです。人気を得たファン活動者はやがて公認の絵師となったり、アンソロジーコミックを出したりと、決して無償労働ではないwin-winの道も作られています。

また、人気VtuberがVRライブを行う事例も増えてきました。VRヘッドセットを用いてバーチャルYouTuberと同じ空間に没入し、まさにVR空間で行われる音楽ライブへ参加することができるのです。先駆けとなったCluster、さらに12月から始動したVARKなど、今後もどんどんVRライブが盛んに行われていくことでしょう。

こうして振り返ると、2018年のVtuber界隈は実に怒涛の流れを経て、着実に全体が整備され成長しているのだと思えます。しかし、まだどの分野も始まったばかり。2019年、そして2020年へと、まだまだ止まることなくVtuber世界は広がっていくことでしょう。

2018年総決算! 好きなVtuber TOP5

最後に、好きなVtuberについて語りましょう。というか元々その予定だったんだけど、気がついたら歴史を語っていた。

夏にも一度好きなVtuberを挙げているので、今回は2018年に特別好きになったVtuber5人をなんとか選び、紹介したいと思います。5人は少なすぎる!

第5位 電脳少女シロ /バラエティ動画 (→YouTube)
 2018年という意味で言えば、初期はシロちゃんを延々追っていた。だんだん生配信視聴主体になってからは見なくなったけど、今でも時々見ると可愛い。

第4位  /ゲーム配信 (→YouTube)
 男性からランクイン。こちらも2018年全体で言えば、初夏前後は叶くん一強でした。今でもよく見てますし、にじさんじに自由なコラボの風穴を開けてくれた功績が大きい。

第3位 YuNi /歌ってみた (→YouTube)
 2018年中期に出会い、高品質な歌ってみた動画を多数出しているため、非常に良く聴かせていただきました。量と質どちらも高くて素晴らしい。VRライブも頑張って!

第2位 鷹宮リオン /アニメ同時視聴 (→YouTube)
 キリトガチ恋勢のリオ様。ゲーム配信や雑談もよく見ますが、毎週のSAOアリシゼーション同時視聴配信が好きです。初見の反応も楽しいし、キリト好きすぎる女の子な感じがとても可愛い。語彙が可愛い。

第1位 KMNZ LIZ /Twitterかわいい (→YouTube)
 可愛い陰キャ。もはや人間性が可愛い。キャラクターデザインも一番好きだし、歌も可愛いし、ラジオでのトークも可愛いし、仕草も可愛い。可愛いの権化。そしてTwitterでの陰キャツイが可愛いわけです。

他にも椎名唯華や蒼月エリ、本間ひまわりなど好きなVtuberはごまんといるのですが、語ると尽くせないのでこの5人で! ほんと、個人的にも2018年の3割はVtuberに染まってたと思います。見ない日がないくらい。

それでは、今回はこの辺で。


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