見出し画像

「テレワークのコーチングで考えた」

緊急事態宣言を受けて、テレワークや自宅待機をの中で、「時間の使い方」に悩まれた方も多かったようです。

以下、私がタイムマネジメト・コーチとして聞いて感じたこと、考えたことを書いてみます。

テレワークが進んだのは良かった

今回のコロナ騒動で、テレワークが進みました。
今後もテレワークは広がることと思います。

昨年まではコロナでなかったので、外出や3密を制限されることなく、サテライト・オフィスや、レンタル・オフィスカフェなどが使えました。しかし今回はどこも閉まっていたので、家でテレワークをやるしかない状況でした。

コロナ前のテレワークの感想は、「時間が有効に使える」「効率が良い」という感想が多かったように思いますが、それは「通勤や移動をしなくて済むために時間が浮いた」というくらいの認識だったかもしれません。


しかし、実際に家でテレワークをしてみるとこんな問題が出てきました。


テレワークの悩み

・Wi-fiの問題や、サーバーの問題で繋がりにくい
・PCの画面が小さい、一画面しかない為、効率が悪い
・他のメンバーが何をしているかわからないので、頼めない、孤立を感じる
・子供やペットが邪魔をして、集中できない
・集中できない為、夜のプライベートの時間に仕事をしてしまう
・ちょうど良いデスクやイスが無いため、疲れる
・書類のペーパーレス化が遅れている所は、仕事が滞る
・オフィスの人の目が無い為、YouTubeやゲームをしてしまう
・すぐに席を立ってお菓子を食べてしまい、太った
・家なのに Zoomなどの会議の背景を作ったり、化粧が面倒
・オンライン会議の時に、昼の時間帯だと家族の生活の音が入ってしまう
・夜や、土日に仕事する人がいてメールを送ってくるため、オンオフがない
・オフィスだと必要な時に質問できたことが、相手が離席しているかもしれないので気軽に聞けないため、保留の件数が増える
・自分の会議と、子供のオンライン授業の時間が重なる
・家族とワークスペースの取り合いになる

(一部、私の悩みも入ってますwww)


こうした問題により、仕事の効率が下がっています。
タイムマネジメントは時間内の生産性を上げるために考えるものですから、現状認識やボトルネックの認識をしたセッションが増えました。


環境などの物理的な悩みだけでなく、自分のセルフコントロール力などの悩みもあるようです。

タイムマネジメントは、セルフコントロールの一部でもあるので、準備や仕組みづくり、ルールづくりで何とかなる部分もあるかもしれません。


しかし、今回はセルフコントロールではどうにもならない部分、特に「就業時間」について考えたいと思います。フリーランスの私にはあまり関係ありませんが、会社員の方にとっては切実です。


テレワークの就業時間

コロナの影響がまだ無い頃、(つまりテレワークがここまで必要とされていなかった頃)の新聞に、「つながらない権利」という記事がありました。
(2019年12月24日 読売新聞)

連絡がつかない休暇を可能にする取り組みの記事です。
就業時間外は、メール・電話を絶つというもの。

パソコンやスマートフォンで「いつでも対応できる」状況が、働く人のストレスになっているという背景があります。

仕事熱心な上司から、土日にメールが来たら返信せざるを得ず、休日残業を命じられているようなものです。休んだ気になりませんね。

前述の「夜や土日に仕事する人がいてメールを送ってくるため、オン・オフがない」という悩みに対しては、常識や暗黙の了解に頼りすぎない「チームのルール」づくりが求められるところだと思います。

連絡がつかない状態を作るために、就業時間以外や休日に連絡がつかなくても、情報共有や引継ぎを徹底することで、代わりの社員が対応できるようにしているという企業の例がありました。オンとオフをはっきりさせる効果に繋がります。

海外では法制化の動きもあるようです。
フランスでは17年1月、企業に対し、時間外のメールなどの取り扱いを労使で協議することを義務付けました。イタリアや米ニューヨーク市でも法制化の動きが広がってきているそうです。

電話はまだ、相手の都合を考えてかけるかもしれませんが、
メールではどうでしょうか?
深夜でも土日でも、自分が仕事をしている時に送ってしまうことがあると思います。相手に連絡や指示をしておくと、案件が自分から離れて安心しますもんね。

しかし、自分がメールを送っておけば、自分のTo Doリストからは「〇〇さんにメールする」というタスクは消えますが、休日の相手のTo Doリストにはタスクが増えます。

気にするなといっても、真面目な人なら気になってしまうもの。
相手に対する気配りが欲しいところです。(わが身にも言い聞かせます)

「深夜、土日のメールは送らない」とか、「禁止」といった一部の大企業で始まっている取り組みは、社員を守ることになると思います。「メールが来ても、休日には対応しなくても良い」というお互いの了解を取ったり、そもそも見れなくしてしまうのも手かもしれません。


画像1

テレワークに始業時間、終業時間は必要?

テレワークに始業時間、終業時間で拘束する意味はあるのでしょうか?

テレワークが時間や場所にとらわれずに働くことであれば、自分の都合の良い時間に働いてもいいはず。

9時~17時の定時でなく、午前9時~12時、昼13時~16時、夜21時~23時といったように、最終的に、仕事をしている時間がトータルで雇用側の求める時間になれば良いのではないかと思うのです。(把握や評価がしづらいですけどね)

あるいは、可能な業務は限られるかもしれませんが、その日の仕事を集中して短時間で終われば、8時間を待たずにテレワークを終えてもいいかもしれません。

ただし、懸念が2つ!

①メールや電話は決められた時間内で行わないと、前述の「夜・土日にオン・オフが無い問題」が発生する。

②オフィスで働く人の様子や、テレワークしている人の様子が視覚的にビデオででも見えなければ、一緒に働いている気はしない。(画像付きでオンライン飲み会はあっても、電話で声だけの飲み会は、聞いたことないですしね・・・やはりビジュアルの情報は大きい。)そうすると、始業、終業時間を決めない内職型テレワークのスタイルは、時間が不定期、自由であるがために相手に自分の様子は伝えられないし、相手にも伝えてもらえないことになります。それこそ、一体感やエンゲージメントは期待できないということでしょうか。悩ましいですね。


ワーク・ライフ・バランス的には

タイムマネジメント的には、テレワークの働き方はワーク・ライフ・バランスを取る意味で、大きな転換期に来ていると思います。

家の良さを認識した方や、逆にオフィスで仕事ができるありがたさを感じた方もいらっしゃるかもしれません。

オフィスでいなくても仕事ができると分かったからには、地方に居住地を移してライフの充実を図る方も出てくるでしょう。

しかし、このままではライフの時間とスペースに、ワークが侵食してきて、一つになりかけています。ワーク・ライフ・バランスではライフとワークの切り替えやメリハリをどうつけるか?ということも考える必要があると思っています。

オフィスは使えなくても、コミュニケーションが無ければ、仕事は進みません。メンタル的にも、コミュニケーションの減少はマイナスの影響を与えます。

今回の自宅待機中に、朝から晩まで一言も発することのない1日を過ごしたひとり暮らしの方も多かったと聞きます。(だからオンライン飲み会が増えたのでしょうね。)

画像2

テレワークでオフィスを離れても、相手と繋がっている安心感や、相手に対する気配りを持てるコミュニケーションの仕組みが進化されることを望みます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?