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デザイナーから地方創生ディレクターへ。やってみて広がった視点

こんにちは!BCDチーム兼地方創生担当のYamamotoです。フーディソンに入社して8年目になります。これまでデザインチームでデザイナーとして主にweb周りやコンテンツの制作をしていましたが、今期より地方創生事業のディレクターを担当することとなりました。今回はフーディソンの地方創生事業と、その具体例として直近で実施した産地フェアについてご紹介したいと思います。


地方創生事業って?

フーディソンにおける地方創生事業では、地方自治体や産地の組合などの団体、企業等と提携し、産地の水産品のプロモーション事業を実施しています。事業の目的はプロジェクトにより様々ですが、産地の水産品の販路拡大や認知度向上、災害被災地の復興施策、市場ニーズの調査などが主に挙げられます。

実施する企画の例としては以下のようなものがあります。

①魚ポチを活用した販売促進
ターゲットが飲食店のような事業者の場合、飲食店向け生鮮EC「魚ポチ」でPR販売を行います。特集ページでの販売促進やマーケティングリサーチを行うほか、飲食店とコラボしてオリジナルメニューの開発やフェアを開催することも。

②sakana baccaでのフェア開催
ターゲットが一般消費者の場合、鮮魚店「sakana bacca」の店舗を活用した産地フェアを企画します。店頭イベントや産地の食材を使用した限定メニューの開発などを交えながらプロモーションを行います。

③コンテンツによる情報発信
①②どちらの場合も、商品をPRするためにパンフレットやweb記事、動画などのコンテンツでその背景やストーリーを発信しています。

直近のプロジェクト紹介

沖縄国頭漁協×高砂熱学×FD『魚のもちがスゴイ!!やんばるフェア』

6月15日〜7月14日の1ヶ月間、魚ポチで『魚のもちがスゴイ!!やんばるフェア』を実施。沖縄の高鮮度鮮魚の認知と評価の向上を目的として、沖縄県の国頭(くにがみ)漁協と高砂熱学工業株式会社が協働で取り組む“超高品質鮮魚流通システム”で運んだ鮮魚のプロモーション販売を行いました。

沖縄県の最北端に位置する国頭漁協は、地理的な要因から魚を輸送する間の鮮度を保つことが難しく、”国頭の魚は鮮度が良くない”という評価をされていることに危機感を持っていました。そこで魚の品質と魚価の向上を目指し、シャーベットアイス製氷機メーカーの高砂熱学とタッグを組んで、魚の高鮮度流通に取り組んでいます。フェアでは産地の取り組みを取材してコンテンツで”見える化”し、特集記事を掲載。国頭の魚を購入した飲食店へアンケートも行いました。

<さかな通信(前編・後編)>
https://fish.uopochi.jp/2023/06/15/yambaru_vol1/
https://fish.uopochi.jp/2023/06/15/yambaru_vol2/

国頭は沖縄本島最北端。航空便が出る那覇空港までは車で2時間かかります

シャーベットアイスとは

水産物の高鮮度流通に取り組む高砂熱学製の製氷機で作った海水氷。この氷を使って輸送した魚は通常の仕立てに比べて3〜4日は長く獲れたての鮮度を保つことができるため、沖縄のような遠隔地からも鮮度を落とすことなく首都圏への流通が可能になりました。

厳しい基準を設けた鮮度処理技術

鮮度を保持するにはただ魚をシャーベットアイスで冷やせばいいわけではありません。水揚げした魚を船上で活締め放血処理したのち、即冷やし込みをするという仕組みが重要なポイントです。国頭漁協の鮮度処理技術は、漁業を知り尽くした魚ポチバイヤーも手放しで褒めちぎるほど。少しでも鮮度が劣化したり冷やし込みが十分でなければ出荷しないといった対応も徹底されており、厳しい基準で魚ポチに出荷しています。

魚を水揚げ後すぐに船上で活〆、しっかり血抜きしてから即冷やし込み

漁師や漁協職員の意識向上を漁協がサポート

国頭漁協では漁協ブランド向上のため、漁師や漁協職員に向けた鮮度処理の勉強会や衛生講習会などを定期的に行い、魚の取り扱いの意識向上や改善も進めています。魚ポチバイヤーが講師となった勉強会では、漁師さんたちは興味津々!勉強会終了後も質問の列がなかなか途切れないほどの盛況ぶりでした。

フーディソンへの評価と期待

国頭漁協の魚ポチへの評価はとても高く、”厳しい基準をクリアしないと取引できない事業者”として認識されていました。出荷現場を実際に見てみると、魚ポチへ送る魚の取り扱いや情報の作成がとても丁寧に行われており、「最高の状態で魚ポチに送ろう」という気持ちで出荷してくださっているのを感じました。

このような産地の取り組みを魚ポチ上で発信した結果、多くの飲食店様に国頭の魚をお使いいただき、その品質に高い評価をいただくことができました。

地方創生プロジェクトを担当してみて…

今まではデザイナーとして関わっていた地方創生プロジェクト。フェアが始まればある意味そこがゴールで、すぐに次の仕事に向かっていました。ディレクターとしてプロジェクトの最初から最後まで一貫して関わるようになったことで、”鮮度が良い”という一言の裏では様々な努力の積み重ねがあることを知り、産地振興のお手伝いをより”自分ごと”として捉えることができるようになった気がしています。

これまで生活者の視点で見ていた世界を生産の現場まで拡大していけるような。

今後も地方創生の取り組みについてレポートしていきますので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

一緒に盛り上げてくれる仲間を募集しています!