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心を揺さぶれ、印象に残る「ストーリー」

物があふれるこの現代で、商品を見つけてもらう事や、選んでもらう事、「購入ボタン」を押して貰うまでのアプローチが必須になりつつあります。
そのひとつが「口コミ」ですが、本来は「口コミ」までの道のりは遠いのです。
「口コミ」を書いてもらう前後関係の一部を考察します。

カスタマージャーニーの起承転結の「起承」

マーケティング用語や定義では「カスタマージャーニー」と呼ばれる活動のいち目標だと解釈しています。

カスタマージャーニーとは?「顧客体験を視える化」するもの。

つい思い込みになりがちですが、それは最初から書けるものではないのです。「正しい顧客理解」を追求し、計画した施策を、PDCA(仮説・検証活動)において「分析」と「発想」をし、施策に落とし込んでいく。
その課程で構築されていく・・・・のかな。

飽和状態が続く食品たち。

「醤油」を例にとってみましょう。

いっぱいある。
どこにでも売っている。

「醤油」は誰しもが知る大手製造会社の他、「姓(氏)」がついた企業名やブランド名が乱立し、ネットショップで買おうにも「どこのだっけ」「なんて名前だったっけ」となるのが40代(笑)

ただ、一定消費するのでお土産で買いがちなひと品でもあります。

ブラウザのブックマークも飽和状態。
SNSにアップしても、タイムラインはどんどん流れていく。

余談だが・・・・先日野菜の頒布会を紹介したが、自分と最強親和性が高ければ「サブスク」は便利だ。

忘れられないのが、「ストーリー」だ。

自己紹介や、「なぜ」を埋めるのにピッタリなのが、ストーリー(物語)だ。直接経験した物語で無くても、起承転結が腹落ちすると、刷り込み効果はテキメンです。
(試食やイベントでの時間共有が「体験」に結びつき、「エクスペリエンスマーケティング」といった手法にも発展)

「醤油」を例にすると、醤油醸造蔵は各都道府県ごとに1件以上あると言われ、地域性も豊富です。数ある醤油のうち「ただの醤油」ではなく「こんな醤油」と染み付いていれば、記憶に刷り込む事ができます。

今や、作る技術が失われそうな杉樽。
仕込み樽は100年に1回に新しく作りかえるが、絶対量の減少により、残っている職人が2人しかいない、、、そしてとうとう1人に。
そんな課題に取り組んだのが小豆島の「ヤマロク醤油」だ。
杉樽の再生のため、小豆島の近隣のお同業者や関係者を集めて杉樽を作りは集っている。

万が一、「ヤマロク醤油」の名前を忘れても、関連するキーワードを検索エンジンに打ち込めば良いのだ。
「醤油 小豆島 樽 再生」
すると、ヤマロク醤油が中心となって「職人を育成するためには、樽を使えばいい」と集まった醤油、味噌、酢、味醂、酒の製造元達のプロジェクトのサイトへ行くことができる。

自分は2016年「新樽初搾り」を頂いた時、あまりの美味しさに驚きすぎて、ヤマロク醤油へ電話してしまいました。(が、すでに売り切れ)

ヤマロク醤油 新樽初搾り

そのあとも1回食べる事ができましたが、それもまた味わいが違いました。まだ2016年の感動を越える事はありません。

このストーリーの存在が、何度も名前を思い出せる。

同時に、背景を理解し深く記憶に刷り込めば、ブランド名と寄り添うことができる。そして、ファンになる。

こういう方をファンと呼びます。

2022年になった今、改めてサイトを拝見してみると、KIOKE(木製バレル)という名称がついて、世界にむけてプロモーションしている。
自分が共感したブランドは、成長をし、海外へ飛び立って、世界で買うことができるようになっていた。

さて、実体験した訳では無いストーリーが入ってくると、この醤油がとてもスペシャルなものになってきませんか?

まだ値段の話をしていません。
でも、きっとこう思うはず。

「いくらだろう?」
「きっとお高いよね」
「自分用でなくても、ギフトにしてみよう」と。


「食」で世界を平和にする。 流通を中心に食に関するマーケティングを研究中。