見出し画像

モダンサッカーの教科書

先日、サッカーファンの間で話題になっていた『モダンサッカーの教科書』を読みました。

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー https://www.amazon.co.jp/dp/4905349370/ref=cm_sw_r_cp_api_GiHGBbQATVE2Z

感想は......非常に読みやすい!

教科書と言うだけあって、ペップの思想、モダンサッカーのトレンドを5つのキーワードで説明している。
ただ、レナート・バルディ氏も述べていたように、

・教科書だからといって絶対ではない。

・あくまでサッカーに対する1つの味方であり、アプローチであることを忘れては行けない。

・その意味で『教科書』という表記より、『対話』や『旅』のほうが相応しいかもしれない

と述べていました。

モダンサッカーについての対話を通して、私たちがどのように受け止め、何が日本サッカーや自分のチームの問題なのかを理解し、改善していくかが重要だと思います。

では、内容に入ります。

以下は私が要約したものです。

───────────────────
【ペップコードを解読する】
・ポジショナルプレーとは...ボールを基準としたポジションのとり方、パスコースの作り方、体の向き、止めたボールの置きどころ、に注意を払う。これがボールポゼッションにおいて重要。

・ペップの最大の戦術革新はネガトラ時の即時奪回=ゲーゲンプレス

・最上位にあるプレー原則が明確
○ボールと一緒に前方に向かってスペースを詰めるように動く。
○相手の守備ラインを超えるためにボールを動かす
○ボールホルダーは相手が動くまでパスを出してはならない
○5対2の状況を局地に生み出す

・ビルドアップはすべて7対6に収斂する
←7対6でボールを回せないとビルドアップは厳しい?

・プレスはどのゾーンから始めるのか

【最新戦術のモデルケース、ペップシティ】
・数的優位、位置的優位、質的優位
どの優位を採用し、勝ちに導くか

・トライアングルとロンボ(ひし形)
無理に前は向かず、シンプルに後方に戻す。
→斜めのパスは半身で前を向ける

・ゲーゲンプレスでボールを奪った選手は、近くの味方に素早く預ける。その目的は、次のパスでプレスを受けない地域にボールを逃がすため。

・左右非対称な崩し=オーバーロードからのパラレラ

【ポジショナルプレーという未来のサッカー】
・ポジショナルプレーも1つの解釈であり、1つの方法論、だから絶対ではない。

・早い状況判断と速いパスが大事。

【チーム分析のフレームワーク】

【5つの戦術的キーワード】
・チームの戦い方を把握し理解するには、システムやポジションよりも、このプレーヤーが担うタスクをそれぞれの局面において把握すること

・守備の基準点をどこに置くかというのは、ボール、敵、味方、ゴールという守備における4つの基準のうち、どれを優先するか

●可変システム
・ビルドアップの目的は、プレッシングをかわして、下での優位性を前に引き継いだままアタッカーにボールを届けることにある。
そのためにどういう布陣、どういうルートでボールを運ぶのか、その時のプレー原則は何か

●中盤空洞化
・中盤ではなく前と後ろに人数をかける目的→アタッカーのクオリティを高める為にクリーンな形でボールを届ける

・中盤の密度を高める(狭く攻める)ことが有効なのは、例えばセカンド狙って戦う
高さに分があるDFを要するチームには得意

●アグレッシブなデュエルで敵を圧倒、ボール持ったら前のスペースへアタック
=パワーフットボール

・ハイプレスvsビルドアップ

・自陣深い位置でプレスに会い、カウンターされるならば、プレスを越すロングボールという選択肢を持つのは大事。だがどのタイミングで、どのスペースに、そのボールはどのようにマイボールにするのか、そしてどのようにゴールまで行くのか、きちんと設計しないと

・相手が1人余らせてプレスをかけてくる場合→GK含めて8対6、7対5といった数的優位をいかし、後方からビルドアップ
相手が前プレマンツーマンの場合
→ロングボールでプレスを越して、前線での数的均衡を生かす
という2つのアプローチが取れればベスト

・監督は、ゲームモデルに基づいてそれぞれのポジションにどのようなプレーを求めるのかという構想やアイディアがあって、それを遂行できるプレーヤーを選んでタスクを与えるというのが一般的な順序

【CB】
・大きくて速くて強くて上手いSBが求められる
・正確なパスを正しいタイミングで正しい方向に出す、もしくは前のスペースにドリブルで運ぶことで、中盤に数的優位を作り出せる

・現在のサッカーはCBやGKが司令塔となりつつある

【SB】
・ゲームモデルに応じた解釈が最も多様化しているポジション
←SBのタスクを見ることでそのチームのゲームモデルが分かる!?

●442のサイドハーフにトップ下ポジションをこなすプレーヤーを用いて、ハーフスペースを使わせる、新しいトレンド
例、モナコのベルナルドシウバ、ルマル、
アトレティコ・マドリードのサウールとコケ
→4222システム(ライプツィヒ)

縦横方向にコンパクトを保ち、ボールサイドの密度を高め、ボールを失ったら前に詰めるディフェンスで即時奪還を狙うゲームモデル
→中盤で密度を高め、数的優位を作りやすいからポゼッションでも主導権を握りやすい
→縦パス入れて、通らなくてもゲーゲンプレスで速攻も可能

CMFは攻守のバランスをとる守備力と運動量、左右SBにはアウトレーンをカバーする能力をもつプレーヤーが必要

※プレスをかわされ、オープンスペースへ展開されるとリスクあり、
←ではどうするか!

練習メニュー
・最終ラインからのビルドアップ
異なる条件つけて4回くりかえす
狭いスペース、短い時間、

・最も負荷の高い日、totalの練習時間もメニューも長い→集中力の持続と疲労が蓄積しても明晰さを失わない
例、90分の練習、11対11で3つのメニュー
・自陣からのビルドアップ
・戦術テーマを設定したミニゲーム
・制約なしのゲーム

※ポイント
・メンタル的な負荷を徐々に上げる。
毎回異なるプレー展開の中で目の前の状況を読み取る「認知」と、その状況を的確なプレー選択によって生かす「判断」という2つのメンタル的能力

───────────────────

以上です。特に興味を持ったのは「チーム分析のフレームワーク」です。

もう一度載せますがこれですね。

これからプレミアなど見て分析する際、このフレームワークをもとにしていきたいです。

次は本を読んで生まれた疑問について書きたいと思います。

長い文章でしたが、読んで頂いた方ありがとうごさいました。

#モダンサッカーの教科書
#ペップ
#サッカー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?