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招待大会で得たこと(失敗、全力、リカバリー)

11月に江東区で開催された1年生の某大会にメインコーチとして帯同。
私自身が大会に帯同してコーチングを行うことがこれまで無かったが、選手たちはもちろん私自身2日間の大会で非常に得るものが多く、その経験をしっかり残しておきたいと思う。
結果は18チーム中5位。トロフィーがもらえるのが4位からで一歩足りなかったが、結果以上に得られる経験は大きかったと思う。

選手に大会を通して一貫して伝えたこと

私自身経験値があまり無いこともあり、大会のテーマをどう設定し、それをどう伝えるかというのは一番準備に重きをおいた点だ。

  1. 失敗してもいいから全力でやりきる

  2. リカバリー:失敗を前提にボールをとられても取り返すことと味方のミスは味方がカバーすること。

1.の意図は、失敗に寛容な雰囲気が結果、選手のパフォーマンスを最大化できることと、大会という貴重な機会の失敗を学びに転換し、次の練習や成長に繋げて欲しいと思ったから。
2.は1年生にはリカバリーという言葉は分からないと思い、その意味や意図も説明した。
大会初日のアップの前、全ての試合の前、ハーフタイム、両日の締めのタイミングなど一貫して伝えた。

試合中に伝えたこと

  1. ポジションは決めたけど自分が行けると思ったら自分の判断で動くこと

  2. 楽しむこと。特に強い相手とのマッチアップを楽しむ

  3. サッカーに集中すること。相手の選手を引っ張らない、引っ張られても笛が鳴るまでプレーを続ける。

  4. 相手のレベルに応じて、常にアタッキングサードで試合をすること&強い相手の場合はディフェンディングサードにいれないこと。

できるだけ選手が自主性をもちのびのびとプレーして欲しいと思い1,2は伝えた。
3.は試合中引っ張られることが多く、それにいらいらして特に2.が体現できなかったので、明確なメッセージを伝えた。
4.は招待大会ということで強い相手と戦うことが想定できていたので、相手によって意識するポイントを変えた。サッカーの戦術的な話で唯一伝えたポイントだ。(アタッキングサード、ディフェンディングサードともに意味も伝えて説明した。)
後から書き出して振り返ると、1年生に4つのことはtoo muchであったことは反省点である。

大会最後に伝えたこと

  1. 大会を通じてコーチが言い続けてきたことの振り返り

  2. サッカーは急にうまくならない。トロフィーまで一歩足りなかった。目の前の相手に敗けたこと、チームが敗けたこと、試合に出られず悔しかったことを思い出して練習に励んで欲しい。

選手たちは私がお願いしたことを2日間通じて十二分に体現してくれたが、次への成長に繋げて欲しいと思い、1,2は伝えた。
以前、このnoteでも書いたけど、サッカーというのはそんな簡単に上達しないし、急にうまくなることはなく日々の積み重ねというのをぜひ選手たちに知って欲しいと思った次第だ。

所感

  • 全力、失敗をおそれない、リカバリーは大会を通じて概ねどの選手も体現できた。特に2日目の初戦で敗けた後は明らかに選手は違いを見せてくれた。チームMVPの選手は得点をとったわけではないが、「失敗、全力、リカバリー」という選出基準を明確に伝えた上で選出。本人も自信や手ごたえを感じてくれたと思う。(チームMVPはみな迷うくらいのパフォーマンスだった。)

  • 技術は劣るが自分はここでプレーしたい、試合に出たいと主張する選手がたくさんいる。また、初日に「疲れたから休みたい」と言ってくる選手が、2日目は「試合に出たい」と私に主張してきた。自発性の表れであり、これだけでも大きな成長だ。

  • 試合中に自分のビジョンややりたいことを表現できる選手は半分程度。今回強調してきた失敗に対する許容について、二種類あると感じた。
    ①自分がやりたいことをやった結果の失敗
    ②意図や意志がなくボールを追いかけたら来たボールを蹴る失敗。
    私が意図した失敗は前者であり、後者の選手は一定レベルの技術とそれを試合で使う姿勢、メンタリティ、マインドをつけさせてあげたい。(この失敗の2種類の話はどこかで考えを整理してこれに特化したテーマで記事を書きたい。)

  • 2日目トーナメント初戦に敗けた後の次の試合は気迫を感じた(これも1つのリカバリー)。Nはzone状態でドリブルを仕掛ける場面あり。ドリブルの指示をしたわけではないが、自分で行けると確信し、明らかに自信に満ち溢れていた。全力や失敗をおそれないサッカーを体現した象徴的な場面だった。

  • ゴールキック、コーナーキック、スローイン、パントキックなどは指示を出さずに選手の自主性に任せた。DFラインで外から中へのパスがあり、危険な場面があったが、今回は黙認した。理由は単なる禁止は意味がなく、原則を伝えた上で判断をさせたかったのと、それを教えるにはこの大会では時間がないため。どういうプレーは失点のリスクが高くなるのか、逆に相手が嫌がるのか、だから原則は何で、そらを教えた上であとは選手に試合で判断させることをやらないと中に蹴るなでは選手の成長にならない。

最後、一言で纏めると2日間という短い時間で選手の成長を感じたし、直観的にこういう選手は成長のポテンシャルがすごく高いと感じた。
非常に今後の選手たちの成長が楽しみだし、コーチとしてその支援を今後もしてあげたいと思う。

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