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汚れを落とす鍵は・・・「泡」!

こんにちは!

ほりちゃんこと、堀友美です。
いつも記事を読んでいただいてありがとうございます★

今年も皆さまを「足の沼」にお連れすべく、色んな情報を発信していきたいと思いますので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね‼︎

よろしくお願いします!


○「泡」について学んでいこう!

今回のテーマは「泡」です!

前回、「泡足浴」についてのお話しをしました。

今回は、なぜ足浴に「泡」が必要なのかについて、もう少し深掘りしていきたいと思います。

そもそも。

足浴に限らず。

「髪の毛を洗う」
「顔を洗う」
「手を洗う」
「体を洗う」

など、体のどこかを「洗う」という行為は、誰もがしていることではないでしょうか。

世の中で「洗浄剤」と呼ばれるモノの中には、固形石鹸液体洗浄剤(液体石鹸)、そして泡で出てくるタイプの洗浄剤があると思います。

固形、液体、どっちを使うかの議論もあると思いますが、一つ共通しているのはどの形状の洗浄剤でも「汚れを落とすためには【泡立てる】ことが必要」だということです。

みなさん、お風呂やシャワーの時に、自分の体をどのように洗っていますか?

コロナ禍で定着した「手洗い」は、どのように行なっていますか?
どんな形状の洗浄剤でも、必ず「泡」を作っていますか?

まさか、液体洗浄剤を手に取って体や手に直接撫でつけたり…
ナイロンや綿素材のゴシゴシタオルなどを使って、こすって洗ったりしていませんか…?

この際、はっきり言います。

汚れを効果的に落とすためには、
ゴシゴシ洗えば良いわけでもなく、
ただ洗浄剤をつければ良いわけでもありません。

汚れを効果的に落とすためには、
「泡で浮かせて洗い流すこと」が重要です。

それが最も皮膚に優しく、なおかつ汚れもしっかり落ちます。

今回の記事では「なぜ泡が重要なのか」を詳しく説明していこうと思います。

○界面活性剤とは?


石鹸などの洗浄剤の主成分は「界面活性剤」という物質です。

みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

この「界面活性剤」について少し話しますね。

界面(かいめん)とは、2つの性質の異なる物質の「境界面、境目(さかいめ)」のことです。

2つの混じり合わない物質の間には、必ず界面が存在します。

例えば、足浴中の状況を考えると、
「水と空気の界面」
「水と汚れの界面」
「水と皮膚の界面」
「汚れと皮膚の界面」

というように、多くの「境界面」が存在しています。

界面活性剤とは、このような界面に働いて、「界面の性質を変える物質」のことを言います。

代表的なもので、水と油が混じり合わない例はよく聞きますよね。

混じり合わない水と油の間には、界面が存在しています。
界面活性剤はこの界面に働いて、その性質を変えて、混じり合わないはずの水と油を混じり合わせることができるのです。

難しいですね^^;

界面活性剤の分子には、水になじみやすい「親水基(水と親和)」と、水になじみにくく油になじみやすい「親油基(油と親和)」が存在します。

「親油基」は別名「疎水基(水と疎遠)」とも言われていますが、この「親油基」と「親水基」がマッチ棒の先端と柄の部分のように結合しているんです。

マッチ棒の柄の部分が親油基。
つまり、棒の部分は油になじみやすい

そして火のつく部分が親水基。
つまり、火のつく部分は水になじみやすい

このような構造をしているため「界面活性剤」は水と油の中を間を取りもち、いろいろな働きをすることができます。

○界面活性剤の働き

前回お話しした「泡足浴」を例に挙げます。
みなさん想像力ふくらませて聞いてくださいね。

まだ前回の記事を読んでいない!という方はぜひ一度ご覧になって、またここに戻ってきてもらっても大丈夫です^^
その方がイメージしやすいと思います!

泡足浴の記事でも説明した通りですが、
例えば容器に水と洗浄剤を入れたときに、容器の中では次のようなことが起きています。

洗浄剤の中に、界面活性剤の分子(つまりマッチ棒)がたくさん入っている状態ですね。

マッチの「棒」部分、つまり親油基は水となじみにくいので、水から逃げようとします。

なので水と空気の境目があったときに、マッチの先端部分は水の中で、棒は空気中に出ている状態になります。

親油基は水を嫌うため、水面から飛び出したような形に並び始める。

ここで、液体洗浄剤と水の入った容器をシャカシャカと振り「泡」を作るとします。

すると、水から逃げようとするマッチの「棒」(親油基)は、水と空気の境界面がないので、「棒」同士で集まって水を避けるしかありません。

そうするとどうなるか。


マッチは「棒」部分を内側に、マッチの「先端」部分を外側にすることで水の中で集まり、360度マッチが密集したのボールのような状態になります。

このマッチのボール、つまり界面活性剤の集合体を「ミセル」と呼びます。そして、このミセルが出来始める濃度を「臨界ミセル濃度」と言います。

ミセルが形成されると、中心部分に油を呼び寄せる作用がはたらく。

このミセルができると、界面活性剤は水の中で自由にマッチのボール、ミセルとして動けます。

そこに油分を含んだ汚れがあると、汚れをマッチのボールの中(つまりミセルの中に)取り込むことができるのです。

なぜならミセルの中心部はマッチの棒、つまり親油基の集合体で油になじみやすいからです。

○皮膚垢に対してどのような反応が起こるか?

では皮膚の垢がたくさん付いた足を、きめ細かい泡のできた容器の中に入れたとしましょう。

ちなみに皮膚の垢とは、ターンオーバー、つまり皮膚の新陳代謝で剥がれ落ちた角質と皮膚分泌物が混じり合っているものなので、皮脂などの油分が混ざっています。


話を戻しますよ。

皮脂が絡み合った皮膚垢がついた足が泡の中にやってきました。

「あ!油分だ!」

その瞬間、界面活性剤がマッチのボール(つまりミセル)の中に皮膚垢を取り込み、360度全方向から包み込むのです。

そうして、水の中でバラバラにマッチのボールとして散らばります。

一度取れた皮膚垢は、界面活性剤であるマッチのボールにしっかり包まれ、ふたたび汚れとしてくっつくことはありません。

もう一度言います。
ふたたび汚れとしてくっつくことはありません。

そして、マッチ棒が皮膚垢を包み込みながら浮かせるには、多くのマッチ棒が必要になります。つまり、効果的に皮膚垢を落とすには、ある一定以上の界面活性剤の濃度が必要であることがわかります。

油汚れを包むためには、一定数の界面活性剤が必要。


○なぜ、きめ細かい泡が必要?

先ほども言いましたが、その「一定以上の濃度」というのが「臨界ミセル濃度」です。

配合液が臨界ミセル濃度になって泡立ち始めると、マッチのボール(ミセル)を形成するのですが、大切なのは水と洗浄剤をしっかり空気を含ませながら、濃密な泡を作ることです。

適量の水と洗浄剤を空気を含ませながら泡立てることで、濃密で細かくて、逆さにしても落ちないようなしっかりとした泡が仕上がります。

こうしてミセルを多く形成すれば、ミセルが勝手に皮膚垢をミセルの中に包み込む仕組みが分かると思います^^

冒頭でいったように、ゴシゴシと皮膚をこする必要はないのです。

泡で浮かせて落とす。

もちろん高齢者になると足まで手が届かなかったり、足の汚れに気づきにくくなったりして、しつこくこびりついた皮膚垢汚れもあると思います。

その場合は1回の泡足浴では全ては落としきれないこともあります。

ただ、脆弱になった高齢者の皮膚を考えると、一回で一気に落とす必要もないかと私は考えています。

そして、泡足浴後にしっかりと保湿をする。

これを繰り返しながら、数回に分けて泡足浴を行い汚れを落としていく決断することも大切です。

なによりも、焦らずまずはミセルがたくさんある濃厚でキメの細かいしっかりした泡をつくりましょう。

そこからだと思います。

「難しい話を少しでもわかりやすく」と思い界面活性剤をマッチ棒に例えてご説明しましたが、理解できたでしょうか?

わからなければコメント欄などから、さらにご質問くださいね♪

今後も、さらなる「足の沼」にみなさんをお連れできたらと思っています。

ということで、私の話は終わらせていただきます!

今回もありがとうございました^^

○終わりに


各種SNS、そしてstand.fmやX(旧Twitter)では音声での情報発信も行なっております。
今回の話が面白かった、学びになったという方はぜひ他の場所でも絡んでくださいね^^

引き続き「人生最期まで歩き続ける足作り」をめざす堀友美をよろしくお願いします。

著者:堀友美


編集:さんかくしおハッカ

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