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プレミアリーグ第30節 エヴァートンvsリヴァプール

待ちに待ったサッカーが戻ってきたぜ!

自粛期間の昼夜逆転生活は治したかったけど、海外サッカーでのそれは、我々の使命でありますので正当化できます。(笑)

今回はマージーサイドダービー

中断前の29試合で27勝、1分け、1敗と独走していたリヴァプール。26日には30年ぶりのプレミアリーグ優勝が決まりましたね。中断明け1試合目でこのチームについて書くのも良いと思ったのですが、、、

注目するのはエヴァートンにしました。

中断明け1試合目とは言え、無双状態で1位を独走していたリヴァプールに対して、勝ち点1をもぎ取ったエヴァートン。前半戦のアンフィールドで2-5で敗れた試合とは全然違いました。


では、両チームのスタメンから。

スタメン

アンチェロッティ率いるエヴァートンは4-4-2を採用。対するクロップのリヴァプールはいつもの4-3-3。


守備時

エヴァートンの守備を簡単に触れておく。

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リヴァプールのビルドアップへの対応について。

ファビーニョ番を務めるのはリシャルリソン(orカルヴァートルイン)。リヴァプールの2枚のインサイドハーフには、デイヴィスとゴメスのボランチ2枚が付く。

カルヴァートルインがCB間のパスコースを消しながらプレス。中盤を経由するビルドアップは以上のように対応していた。

とは言え、リヴァプールのインサイドハーフと3トップの動きは非常に流動的。場所を空けては違う選手が入る、ということを頻繁に行っている。これには、サイドバックとサイドハーフ、ボランチの3人で対応することで、リヴァプールの前進を妨げていた。

ただ1つ、マティブが持ち上がるところは許容?していた様子。


繋ぐのか、蹴るのか

エヴァートンのビルドアップは非常に面白かった。特にゴールキックからのビルドアップには決まりがあり、試合中に何度も成功させていた。

そのゴールキックからのビルドアップを見ておこう。

以下にビルドアップをGIF形式で表したのでみて欲しい。

ビルドアップ1

試合を通じて最初のゴールキックからのビルドアップ。ペナルティーエリア内にキーンとホルゲートの2CBが入っている状態から。リヴァプールも3トップを中心に前に出て来ている。

2CBでパス交換後にボランチのゴメスに当ててサイドに展開。そうすることで、サイドバックのディーニュが前を向いてボールを持つことができる。


ピックフォードと9番

ゴールキックから丁寧にパスを繋いで前進を図るエヴァートン。中央→サイド、サイド→中央と、上手くパスが循環し、前進できるのかなと思っていたら。。。ピックフォードはお構いなしと蹴る。しかしこれは理由もなく蹴っているのではない。エヴァートンの9番がいるからできることなのである。

先程のようにエリア内に2枚のCBを入れることは、リヴァプールの3トップとの距離も近づいてしまうことに繋がる。そのため、以後のゴールキックでは配置を少し変えていた。

ビルドアップ2

ピックフォードの近くにはホルゲートのみ。キーンはエリア外にいる。CBを縦に配置することでリヴァプールの3トップとの距離を空け、リスクを減らした形になる。

このようにゴールキックからパスを繋いで前進を狙うエヴァートンであるが、「絶対足下で繋ごう!」というわけではない。

リスクを冒す前にピックフォードは大きく蹴り出す。これが許されるのがエヴァートンであり、可能にしているのが9番:カルヴァートルインである。ピックフォードのキックのターゲットはカルヴァートルイン1人。彼にロングボールを当てることで、中盤を飛ばし一気に前進することもできる。

カルヴァートルインの相方はリシャルリソンであり、彼のスピードでセカンドボールの回収ができるのも理由の1つだろう。カルヴァートルインの空中戦での勝利数を見てみると、リヴァプールの2CBに対しての勝率は50%といったところだ。(whoscored.comより)

勝率

第一の狙いはパスを足下で繋いで前進することだが、困ったときの第二の狙いとしてカルヴァートルインへ蹴るということができる。

前半37分ではゴールキックから決定機まで運んでいる。キーンが上手く反転してゴードン、ディーニュ、ゴードンと繋いで3vs3の局面に入った。


個人的MOM

最後に個人的MOMを挙げておきたい。コールマン。あなたがMOMだ。

攻撃面での貢献は少なかったが、守備面での仕事量が素晴らしかった。マネを中心に、リヴァプールに目立ったチャンスを作らせなかったのは彼の貢献があってだろう。タックル成功数は両チームトップの6回を記録した。

コールマン


まとめ

リヴァプールの前線3枚のプレスに対し、エヴァートンはゴールキックですらパスを繋ぐ選択をした。リヴァプールのプレスをいなし、前進することもあれば、カルヴァートルインをターゲットにすることで中盤を飛ばす前進もしていた。得点こそなかったが、プレミアリーグ覇者相手に勝ち点を得られるチームスタイルは興味深かった。


エヴァートン 0 - 0 リヴァプール
43' ミルナー→ゴメス、46' 南野→オックスレイドチェンバレン、60'ゴードン→シグルズソン、65'フィルミーノ→オリギ、ケイタ→ワイナルダム、73'マティブ→ロブレン、88'イウォビ→ベルナルジ、93'カルヴァートルイン→モイーズキーン


図はTACTICALista、表紙写真はpremierleague.comより。

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