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読後の思い…

 ストゥブの熾火(おきび)が消えかかる頃本は読み終わり、87歳の美術家のドラマを閉じた。

 まだ生きつけない、生きつくかどうかわからない年齢の方、それもその生き方に興味をそそる方々の誠を読めることは有り難い (注:存在がまれである、むずかしい。なかなかありそうにない。めったにない)

 東京新聞に連載(1〜105回)されたこの美術家の自伝「この道」は毎日切り取っていまも持っている。すでに八年経っていた。
70代終わりの連載だったことになる。

『東京新聞、今夕刊から「この道」という自伝が10月頃まで連載が始まります。一回ごとにカタをつけるなんて、新聞小説みたいな芸当ができないのでヨタヨタしながら続けることになります。』(2016/07/04 Twitter)

 愉快と言えば失礼ですが、とにかく稀有(けう)な存在だとずっと以前から目が外せない。

今は簡単に情報を得られますが、以前は美術手帖などを探していた。

人は、大方その方の経歴(プロフィール)などを見て納得する。しかし、この方はどこを切っても裏返しても???

だから魅力的なのかも…
文中に、60年経ってから準備した美術大学を受けず、西脇の家に帰るよう言われた理由を先生に尋ねたと言う。義母がお赤飯炊いてくれたと。

新聞連載中は理由が不可思議で心に残った事件だった。

「人生は軽やかで単純でなければならない。絵も同じ。」


 木喰(もくじき) 彫刻家

木喰の作者である。生涯に三度改名し、木喰五行上人、木喰明満上人などとも称する。

特定の寺院や宗派に属さず、全国を遍歴して修行した仏教者を行者あるいは遊行僧(ゆぎょうそう)などと称したが、木喰はこうした遊行僧の典型であり、日本全国を旅し、訪れた先に一木造の仏像を刻んで奉納した。

荒削りの仏像に心奪われる。

 モノづくりの端くれ…早い時期から"木喰"に憧れた。

サラッとモノを作り、サラッと居なくなる。年月は嘘を付かないだろう…それまで生きたい。

 そのように年齢を重ねるのはそれほど甘く無い。

『心身が衰え、以前のように絵筆が握れなくなったことを、「新たな画風」とポジティブに考える。制限のある状態をむしろ…』

裏表紙に本文より抜粋して刻んでいる。そして「未来への挑戦!」と締める。87歳!

 2025年問題 (にせんにじゅうごねんもんだい)

日本の人口の年齢別比率が劇的に変化して「超高齢化社会」となり、社会構造や体制が大きな分岐点を迎え、雇用、医療、福祉など、さまざまな分野に影響を与えることが予想されることを指します。

 社会は今現在この問題に恐れるばかりで手立ては何も無い。

何を隠しましょう…コレには戦争が大きく影響をしています。しかしながらまだ、戦争をなくそうとはしません。

現地で戦うのは将来を担う若い人です。何故後悔しないのでしょう(持論)
発言権を重視されない若い人の母親はいつの時代も耐えて耐えている。


 毎日ご飯を食べるように絵筆を持って生きつけた87歳。

 今までの多くの先達が語る「老い」と違った感覚や表現に新鮮な驚きがあります。

 打って変わり…107歳まで現役だった書家の「篠田桃紅」
人間離れした、近寄り難いオーラがありました。


 こちらの美術家。もしかしてお隣りさんだったら…イヤその才能はピカソに匹敵する。

生きて来たように老いる。

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