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「コーヒー入れ」柳宗理のエッセイから…

「柳 宗理 
 エッセイ」2003/6/25 初版
プロダクト・デザインのパイオニア柳宗理が88歳を迎えて刊行する。初のエッセイ選集。デザイナーの「眼」と「手」がこの一冊に。(帯より)

カバー写真
撮影  柳宗理
ガラス作品制作 佐藤万里子


『チャールズ・オーモンド・イームズ Jrは、アメリカ合衆国のデザイナー、建築家、映像作家。
生年月日: 1907年6月17日
出生地: アメリカ合衆国 ミズーリ州 セントルイス
死亡日: 1978年8月21日, アメリカ合衆国 ミズーリ州 セントルイス』

柳 宗悦は、民藝運動の主唱者である、日本の美術評論家、宗教哲学者、思想家。
生年月日: 1889年3月21日
出生地: 麻布区
死亡日: 1961年5月3日, 東京都
子女: 柳宗理、 柳宗民、 柳宗玄』

 柳宗理のエッセイによると 柳宗悦が戦後間もなくアメリカに渡りイームズの家でこのコーヒー入れで、コーヒーをご馳走になり感激して買って帰国したのを長男の宗理氏が使ってこられた…ようです。

イームズと柳宗悦は同時代の方々だった。 


 このコーヒー入れが作られた経緯です。

ケメックスコーヒーメーカーは、ちょっと風変わりなドイツ生まれの化学者ピーター・シュラムボーム博士によって作られました。

博士は化学者として持っていた知識を総動員させ、実験室にあったガラスの漏斗(ロート・じょうごとは、粉体や液体を口径の広い部分に投入し、口径の狭い穴や筒から出す事で別の容器に効率良く移す為の道具)やフラスコを丹念に調べ上げ、そこに「注ぎ口」や「空気の通り道」を付け加えていきました。

こうして修正したガラスの漏斗やフラスコを融合させ、一体型のガラスとし、そこに木の持ち手を加え、これを「ケメックス」と名付けました。1941年のことでした。

 その機能美から、長年にわたってケメックスコーヒーメーカーはアメリカデザインの特色ある品として認められ、ニューヨーク近代美術館、スミソニアン博物館、フィラデルフィア博物館のパーマネントコレクションとして認定されています。

 「ケメックス」で淹れたコーヒーが美味しい理由は、専用ペーパーフィルターによるドリッパーにある。

一般的なフィルターよりも30%以上の厚みがある特別な繊維の専用フィルターは、セットすると円錐形の形になり、一箇所から落ちるため均一な濃さで落とすことができ、コーヒーの苦味、香り、油分を一定に保つことができます。

さらに、ハンドドリップによってコーヒー豆の風味を最大限引き出せるため、自動コーヒーメーカーで作るコーヒーよりも美味しくできるのです。
(味については詳しくありません)


 この度、3カップ用を買い足して6カップ用と自在に使っています。

1941年にドイツ人科学者がアメリカで試行錯誤してデザインし、柳宗悦が戦後アメリカから持ち帰られたのが日本で初めてのものなどうかは分かりませが、変わらないデザインのまま83(2024)年になります。

キッチンに置いて30年以上です。(銀座松屋で求めました)

フィルターをたたみ始める時から茶道の帛紗(ふくさ)をたたむようなセレモニーが始まります。

 どこに置かれても、眺めても絵になる道具です。

柳宗理の表紙のネコジャラシガラス作品の組み合わせを眺めつつ…ルーツを探ってみたかった。

3カップ用たたみ方

#コーヒー入れ

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