見出し画像

水蒸気実験 地球温暖化実験装置で水蒸気実験を行う

皆さんは二酸化炭素など足元にも及ばない、最強の温暖化効果ガスが何であるか、ご存じでしょうか。

それは水蒸気です。
今回はこの水蒸気の昇温力をこの「二酸化炭素赤外線反応実験装置」で計測してみようという試みです。

方法は実験用の一方のボックスを湿度20%に保ち、もう一方のボックスを小型加湿器で湿度80%以上にして、二酸化炭素と同じように、室温+20℃の温度が出せる低温ヒーターを天板の上に置き、ボックスを加温して、その昇温具合の差を観察する実験です。実験中に湿度は70%台に落ちるので、実質湿度差50%の実験になります。

その結果は驚くべきものでした。

なんと、1m以内の昇温差が、0.23℃もあったのです。

これは二酸化炭素を用いた実験ではCO2濃度16,000ppmから25,000ppmに相当する値です。

ある程度の昇温差は発生することは予想していましたが、このような大きな昇温差が出るとはまったく考えていませんでした。

何かの間違いがあったのではないかと思い、翌日追加実験を行ってみましたが、今度は、0.235℃の昇温差で、ほぼ同じ結果でした。


この実験を行った時の室内気温は17℃です。
この気温で湿度差50%の水蒸気量は空気1立方メートル当たり、7.3gです。
実験用のボックスの容積は0.35立方メートルですから、
   7,3g×0.35=2.555g
となり、両ボックスの水蒸気量の差は約2.6gということになります。

ほぼ同じ昇温差が出る、2万ppmの高濃度CO2含有気体を作るのに必要なCO2の重量は、このボックスの場合、約14gです。

2.6gの水蒸気と14gの二酸化炭素が同等の昇温効果力を持つなんて、最初は信じられませんでした。
倍率で言えば、5.4倍です。

この事実を科学的に理解するにはどうしたら良いか考えてみました。
一番いいと思われる方法は放射スペクトル表を見ることです。
この表に気温17度位の実効範囲を設定し、あみ目をかけて、その面積を比較する方法です。
この方法が正しいのかどうかは、物理学者ではないのでなんとも言えないのですが、他に方法もないのでやってみました。

その結果、水蒸気の温暖化効果ガスとしての昇温効果力は実効面積で見る限り、二酸化炭素の約3.3倍であるという結果を得ました。

それでも、5.4倍には届きません。

その理由について何日も考え続け、以下の結論に達しました。
高濃度CO2昇温比較実験は確かに二酸化炭素の昇温効果力を検出するために行っているものです。
しかし、ボックス内の湿度は30%以下に抑えているものの、湿度0%にできているわけではありません。
そのため、一定程度の水蒸気による影響は受けています。

そのことを勘案すると、5.4倍という昇温効果力の差は納得できるものとなりました。

湿度0%にするには、強力な機械力、もしくは強力な化学物質が必要で、一般人としてはとても実現するのは難しいです。

なお、この実験を行う時期は春もしくは秋が望ましく、昇温差も良く出て、きれいなグラフが得られます。
寒冷期は水蒸気量が減ってしまうので、どうしても昇温差も縮小してしまいます。
また、夏期は水蒸気量が爆発的に増えるので、二酸化炭素実験に比べると、やたら近距離のみ昇温した異様なグラフになります。

それにしても水蒸気の昇温効果力はすごいですね。湿度差50%なんて日常茶飯事であるのに対し、二酸化炭素濃度2万ppmなんて現実的にはあり得ないことであるからです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?