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あまりにもバランス感覚を失っている「地球温暖化二酸化炭素主因論」

1 あまりにも差が大きい水蒸気と二酸化炭素の昇温効果力

今回提示させていただいた「正しい大気昇温モデル」の主要部分である
「いくら二酸化炭素が増えようと、地表1m以内の空気は確かに温まりやすくなるが、早々に赤外線のエネルギーが吸収されてしまうために、中空(1.5m~)では、逆に本来上がるべき気温より低下し、結局大気総体としての吸収熱量に変化はない。」
ということを、図解図でわかりやすく表示しようとしたことがあります。
具体的には、二酸化炭素を一つの○として表示して、図解する方法です。

しかし、その方法はかなり難しいことがわかりました。

それは空気中に含まれる二酸化炭素の量が水蒸気に比べてあまりにも少ないからです。

400ppmというとかなり多いように感じますが、体積比で表すとわずか0.04%です。
重量で考えても空気1立方m中に含まれる量は約0.8gです。
空気1立方mの重量は約1、294gです。
体積比と合わないのは、二酸化炭素の比重が1.52あるからです。

これが水蒸気であると、世界の平均気温15℃平均湿度50%でその量を求めると、6.4gもあります。

さらに同じg数で比較すると、水蒸気は二酸化炭素の数倍の昇温効果力あります。

したがって水蒸気は寒冷地帯を除けば、常に二酸化炭素の10倍以上の昇温効果力があり、熱帯地域においては温暖化効果ガスとしては、二酸化炭素の存在は考えなくても良いレベルです。

最初に述べた図解図の件ですが、水蒸気であれば、空気中に含まれる量が多いので図解図で説明することは十分可能です。
しかし二酸化炭素の場合、あまりにも空気中に含まれる量が少ないため、うまく図解することが出来ません。
そしてその図解図は以下のようになります。
図の上半分が水蒸気の図解図で下半分が二酸化炭素の図解図になります。

二酸化炭素400ppmの空気1立方m中の量0,8gを1単位として一つの〇で表現しています。水蒸気は二酸化炭素より同じg数で比較した場合、昇温効果力が数倍大きいので、〇の大きさを大きくしています。

2 二酸化炭素の場合、あまりにも含有量が低いので図解しにくいです。

無理を承知で、しかも水蒸気がゼロ、つまり湿度0%という仮想空間をイメージして描けば以下のような図になります。

湿度0%にするのは、現実的には難しいです。

まず、高度の目盛りを変更する必要があります。
最低でも水蒸気の倍の高さの目盛りにする必要があります。
さらに400ppmと800ppmではその違いがほとんどわからないので、結局4,000ppmと8,000ppmの図解図を添付しないと、図解図としてわかりやすくなりません。

また、実証実験等でその昇温力を確認するためには、
 ■できるだけ湿度を下げて、水蒸気の影響力を弱くします。
 ■3,000ppm以下では計測が難しいので、4,000ppm以上の高濃度にして、その昇温力を測定します。なお、二酸化炭素は水蒸気と違って、いくらでも空気中の含有量を上げることができます。何万ppmの二酸化炭素含有気体でも作ろうと思えば作ることができます。

という訳で二酸化炭素の場合、自然界ではちょっと考えにくい十倍以上の濃度にしないと、はっきりとその昇温効果力を確認することが出来ません。
さらに自然界ではその含有率の変動速度は極めてゆるやかで、年単位でしか変動しません。

3 自然界では水蒸気はその含有量の変動が激しい物質です。

水蒸気の場合は、二酸化炭素用の実験装置で昇温差実験を行うと、驚くような昇温差が得られます。

実際の実証実験では気温17℃湿度差50%(一方の実験用ボックスを湿度20%にして、もう一方のボックスを湿度70%にして、低温ヒーターで加温する)の水蒸気実験を行うと、二酸化炭素濃度20,000ppm相当の大きな昇温効果力を計測することが出来ました。

二酸化炭素濃度20,000ppmなんて自然界では絶対にありえないことであるのに、湿度差50%なんて当たり前のように起きています。

しかし水蒸気は温暖化効果ガスとしてだけでなく、液化することで、今度は逆に大きく地表を冷やす物体へと姿を変えてしまいます。つまり降雨です。
また、雲となった場合は大きく太陽光線を遮る存在となります。

このように水蒸気は地表から発生する赤外線を吸収する主力の温暖化効果ガスでありながら、同時に雲となって太陽光を遮ったり、雨となって地表を冷やしたりします。
そのため、水蒸気の温暖化効果ガスとしての効力を数値化することは現在でも非常に難しく、地球温暖化問題を考えるうえで、水蒸気の影響力は除外して考えるのが普通です。

ただし実験装置でその昇温効果力を計測することは可能で、その効果力はとても大きく、気温17℃・湿度差50%で計測すると、なんと二酸化炭素濃度20,000ppm相当の大きな昇温効果力を計測することができます。

このように大きな昇温効果力を持つ水蒸気ですが、その大きな特徴は気温によって空気中の含有量が極端に変化してしまうことです。

例えば冬のシベリアがどうしてあんなに冷え込むのか、自分自身よく理解できていなかったのですが、水蒸気実験を行うことで、その理由が手に取るようにわかるようになりました。

つまり冷え込みによって飽和水蒸気量が大きく下がるので、地表からの赤外線放射を吸収する物質がほとんどなくなり、さらに放射冷却が強まるという負のスパイラル効果によって、南極に匹敵する極端な寒冷地帯になってしまっているのです。

そういう訳で冬のシベリアは寒くなればなるほど、さらに寒くなります。
二酸化炭素は一定量空気中に含まれていますが、もともとその量は体積比でみると0.04%しか存在しません。
おまけに水蒸気は赤外線の大部分の波長のものを吸収できるのに比べて、二酸化炭素は4.3μmと15μmの2条の波長周辺の領域の赤外線しか吸収できません。これでは焼け石に水です。

砂漠の場合はどうでしょうか。
実はほとんどの砂漠では湿度が20%位あります。
さらにほとんどの砂漠は亜熱帯地帯にあります。
気温が30℃あれば湿度20%でも空気1立方m当たりの水蒸気量は6.1gもあります。
この量であれば二酸化炭素の昇温効果力に比べて25倍位もあります。
「砂漠地帯であれば二酸化炭素の昇温効果力が相当大きい。」などと言う方もおられますが、まったくの見当違いです。
砂漠地帯でも空気を温める主力は水蒸気であり、決して二酸化炭素ではないのです。

結論としては
「極端な寒冷地帯以外、二酸化炭素の影響力はとても小さい。特に熱帯地帯ではその存在を無視してもかまわないレベルである。」
と言えます。

4 二酸化炭素の増加を主原因と考える地球温暖化説にはもともと無理があります。

それは水蒸気との昇温効果力のバランスです。

世界の平均気温15℃・湿度50%でその昇温効果力を面積比で比較すると以下のようになります。

同じg数あたりの昇温効果力は、水蒸気は二酸化炭素の数倍なのでこのような面積比になります。

つまり、二酸化炭素の昇温効果力は元々が小さすぎて、その増加を主原因とする理論は本来成り立たないというのが、本当のところです。

地球上の空気を温めたり、降水となって地表を冷やしたり、雲となって太陽光をやわらげたりする主力は水蒸気であって、二酸化炭素は温める方の役割のほんの数%の働きを行っているに過ぎないのです。

このような大きな昇温効果力を持つ水蒸気ですが、空気中の含有量は激しく変動します。
特に気温によって空気中に含まれる量が大きく変動します。
具体的には上図の飽和水蒸気量の気温による推移を参照ください。
一方、二酸化炭素の方はどうでしょうか。

5 二酸化炭素は年単位でゆっくりとしか増減しません。

したがって、その昇温効果を調べ、未来の気候予測を行うには、各種理論、大気モデル、コンピューターシュミレーションなどが用いられています。
しかしこれらの方法はあまり良い方法であるとは思えません。
それは誤差があまりにも大きく、あてにならないからです。例えばコンピューターシュミレーションで言えばパラメーーター(変数)というものがあり、各研究者によってその数値はバラバラです。

やはり、実証実験を行うことが、一番わかりやすく確実な方法です。

今回の「二酸化炭素濃度別赤外線反応実験」においても、計測可能な昇温差を検出するためには最低でも通常空気の7.5倍の濃度である3,000ppm以上にしないといけないことがわかりました。
しかもそれは地上1m以内に限った話です。

こんなにも昇温効果力も小さいし、その大気中の含有量も年単位でゆっくりとしか変動しない物質である二酸化炭素がなぜ地球温暖化の主原因にされてしまったのかはいろいろと推察されます。
これはやはり私たちの科学に対する弱さが主因で、その根拠すら怪しい理論を多くの人が信じ込んでしまったということになると思います。
また「二酸化炭素増加が地球温暖化の主原因である」ということにしていた方が都合が良いという社会的勢力というものは、確かに存在するのですね。

しかしこの実験ではっきりと解ったこともあります。それは
「二酸化炭素そのものは地球温暖化とほとんど無関係である。」
という事実です。
その理由は
■元々空気中に含まれる量が少なすぎます、この程度の量では2倍になろうが、地球の大気の気温に影響を与えることはほとんどできません。まして、100ppm程度の増加ではその昇温値を計測し、検出することすら不可能です。
■吸収できる赤外線の波長が偏りすぎています。水蒸気は大部分の波長の赤外線をはぼ吸収できるのに比べて、二酸化炭素は4.3μmと15μmの二条の波長周辺の赤外線しか吸収できません。そのため同じg数で比較しても、二酸化炭素は水蒸気の数分の1の昇温効果力しかありません。
■更に地上5mの空気を1m毎の階層で区切り、その昇温度合いを考えた場合においても、たとえば8,000ppmの高濃度二酸化炭素含有気体であっても、昇温効果力が増加するのは地表1m以内の空気だけであり、他の階層の空気は地表付近で早々に赤外線が吸収されてしまうために、本来上がるべき温度よりほんの少しですが逆に低下してしまうという現象が起きてしまいます。これは水蒸気でも同じ現象が起きるので、ごく普通の現象のようです。つまり、二酸化炭素は増えても地表5m以内の空気の昇温量にはほとんど影響しないのです。

しかもその二酸化炭素の大気中濃度の変動は年単位でしかゆっくりとしか変動しません。つまり、元々二酸化炭素の増加を主原因とする地球温暖化理論には、その出発点からして無理があったのです。



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