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パーキンソンの凡俗法則と地球温暖化問題

1 現在の「地球温暖化問題」をめぐる状況を説明するのに「パーキンソンの凡俗法則」ほど、ふさわしいものはないと思います。

「パーキンソンの凡俗法則」とは、イギリスの歴史学者・経営評論家であるシリル・ノースコート・パーキンソンが1957年に発表したもので
  「組織(人)は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」
という主張です。

なお、有名な医学上の「パーキンソン病」とは全く無関係です。

パーキンソン氏はこの法則を説明するたとえ話として、ある委員会が原子力発電所と自転車置き場の建設について審議する様子を比較しています。

原子炉の建設計画は、あまりにも巨大な費用が必要で、あまりにも複雑であるため、一般人には理解が出来ません。
このため、出席者は話し合っている他の人々は原子力発電を理解しているのだろう思い込み口をはさみません。下手に発言すると自分が原子力発電について何も知らないことがばれてしまいます。このためかえって審議は「粛々」と進むことになります。

この一方で、自転車置き場について話し合うときは、屋根の素材をアルミ製にするかトタン製のするかなど些細な事項が議論の中心になります。
さらに委員会の議題がコーヒーの購入といったより身近なことになった場合は、その議論はさらに白熱し、時間を最も無駄に消費してしまうとしてし
ています。

地球温暖化問題も原子力発電(現在では多くの人がこの問題にはついてはある程度理解しており、昔と状況は違います。)と同じで、あまりにも地球規模でスケールが大きく、大気科学、気象学、物理学、地理、光・赤外線に対する基礎知識がこの問題を理解するために必要です。

そのため、多くの人が「とてもそんなこと考えきれるわけがない。」ということになり、考えることを放棄して、専門家の言う事を信じています。

その専門家が正しいことを言ってくれておけば、特に大きな問題はないのですが、私のような一般人から見ても、明らかな誤りがいくつもあります。

こういうことはあまり言いたくはないのですが、人々があまりにも科学に弱いことをいいことに、ある特定の主張・理論・主義を私たちの社会全体に押し通そうしているように思えることがあります。

当然マスコミも一般人より少し科学に詳しい程度であり、とても専門家を批判する力は持っていません。
まして政治家に至っては、彼らの考えていることは「次の選挙でいかにして当選するか。」であり、「地球温暖化問題」など、ほとんどわかっていないわけで、官僚すなわち専門家の言うことを聞くしかないわけです。

というわけで、今の状況を良い方向に変えていくのは、かなり難しいと言えるでしょう。
というのも、みんな既に考えることを放棄しているからです。

2 しかし、方法がないわけではありません。

確かに「地球温暖化問題」は難しい手法で考えればきりがなく、たちまち一般人は「理解不能」に陥ってしまいます。
その良い例が「放射対流平衡モデル」、「コンピューターシュミレーションによる気候予測」などでしょう。
その理論を解説している文章を読むと、難しい数式や概念が次から次へと出てきて、数ページ読むだけでめまいがしてきて、読むのをあきらめてしまいます。

これってわざと難しい手法を用いて、一般人を立ち入らせたくないためでしょうか。

しかしそれらの手法にも弱点がないわけではありません。

それはきちんとした実証実験が行われたわけではないことです。

つまり彼らの手法は、あるモデルを考え上げ、そこに気象衛星などの観測データなどを入力し、合わない部分があればパラメーター(変数)を調整し、より現実に合わせて、将来の気候予測を行っていくということになります。

それはそれとして一つの手法だとは思いますが、これは選ばれた一部の人しかできない研究手法です。おまけにとてつもなく高性能のコンピュータが必要です。

それに対して、私はあくまで泥臭く実証実験で対抗しようと考えました。
もちろん、成算などありません。

ただ、自分の中にある
   「彼らの説や理論は何かがおかしい。」
というどうしても納得できない気持ちが原動力です。

3 しかし「実証実験」は苦難の道のりでした。

簡単にできると思った「実証実験」ですが、それは苦難の始まりでした。
実験装置そのものは一週間ほどで作り上げました。
しかし次から次へと思わぬ問題が発生するのです。

真正面からの図です。奥行も45cmあります。

特に苦労したのが、以下の問題です。
・ヒーターから計測地点までの距離が正確に取れていない。
・温度計そのものに若干の誤差がある。
・実験中に二酸化炭素濃度が下がってしまう。装置の機密性を向上させる必     要がある。
・どうしたら正確な量の二酸化炭素を実験装置のなかに注入できるのか。

この機器の本来の用途は水槽の水草を育てるためのものです。


・実験結果に大きな影響を及ぼす湿度対策をどうするのか。
・Aボックスの二酸化炭素濃度を400ppm前後に下げるにはどうしたらよいのか。(室内の二酸化炭素濃度は換気にもよるが通常1,000ppm前後はある。)
・室温はヒーターの昇温度数にかなり影響する。その対策をどうするのか。

これらの問題を一つづつその原因を考え、対策を立てて対処していくしか方法はありませんでした。

苦労はしましたが、思わぬ効果もありました。

それは自分自身の「大気科学」への知識が深まったことです。
・赤外線とはいったいどういうものなのか。太陽光とはどう違うのか。
・水蒸気(湿度)はなぜ、実験結果に大きな影響を与えるのか。
・二酸化炭素とはいったいどんな物質なのか。

そうやって、大変な思いはしましたが、何とか発案から一年半位で、その結果を「二酸化炭素濃度別昇温偏差表」としてまとめることができました。

よくこれだけの実験数をこなせたなあと思います。

しかし、この結果をもとに、今の「地球温暖化二酸化炭素主因論」を切り崩すのは、相当難しいと思いました。
それは、二酸化炭素が温暖化効果ガスであることは事実であるからです。
その昇温効果力はかなり小さく、マスコミ等で言われていることは誇大広告的ではあります。しかしそのことを一般の人々に言ったところで、大きな説得力があるとは思えないからです。
一般の人々にしてみれば、「そうは言っても、やっぱり二酸化炭素が増えると温暖化するんでしょう。」ということになります。
程度・スケールの問題は説得するのが大変難しいものです。

それはそうと、この実験結果からわかることもあります。
・二酸化炭素そのものは確かに温暖化効果ガスであるが、昇温力そのものは大きくない。大きな昇温値を得るためには現在の数十倍の濃度にするより他に方法がなく、それは現実的にあり得ない。
・途中で相関関係が変化している(グラフの傾斜が変わっている)のは、二酸化炭素濃度を下げてゆくと、今度は相対的に水蒸気の影響が大きくなってくるためである。この実験装置は湿度30%以下に保っているが、0%にできているわけではない。

4 次に進むべく道がわからなくて迷っているとき、突然光明が前途を照らしてくれました。

私は何度も実験記録を見返してみました。
そこであることに気が付きました。
それは、確かにヒーターに近い計測点では高濃度二酸化炭素含有気体の方が昇温しています。
しかしヒーターからし越し離れた150cm地点の計測点では、通常の空気の方が高濃度二酸化炭素含有気体より、よりほんの少しですが、逆に昇温していることのほうがほとんどであることを発見したことです。
実験を行っている時は、二酸化炭素濃度が高いほうがより短距離で赤外線を吸収するので、まあそうなるのも当然かな~と気にもとめていませんでした。

しかし、よくよく考えてみるとこれは相当おかしな現象です。

この実験装置は高さが182cmしかありません。もしこれが高さ4m位あって、そういった現象(通常空気の方が高濃度二酸化炭素含有気体よりも1.5m以遠ではほんの少し昇温する)が続くのであれば、1m以内の通常空気に対する昇温熱量と、1m以遠の通常空気に対するわずかな低下熱量が釣り合ってしまう可能性があります。

もしそうであれば、私たちがなんとなくイメージしてきた、
   「二酸化炭素が増えれば増えるほど、地球は温暖化する。」
という考え方・モデルそのものが誤っているということになります。
私はこのことをよく考えるために、なんども原図を書き直しながら「正しい考え方・モデル」の図を完成させました。これがその図になります。

どうですか。
これはちょっとショックですよね。

この図を描いてみると、言ってみれば昇温触媒のような物質である二酸化炭素が、増えれば増えるほど地球は温暖化するという理論の方がおかしいということがわかります。

私は直ちに実験装置を増設し、高さを227cmとしました。そうして125cm、175cm、200cm地点に新たに計測地点を設置して、追従実験を行いました。

そうして一部分ですが、この図の「正しい考え方・モデル」が正しいことを確認することができました。

これ以上の追証実験はさらに装置を大きくしなければ、できません。

そこで、理論面で裏付けをとれる物理法則はないか、探してみることにしました。

5 「ランベルト・ベールの法則」でこの現象を完全に説明できることを発見しました。

もちろん、一番基礎になるのは熱力学第一法則
 「エネルギーは増えもしないし、減りもしない。」
という法則です。そしてそれを補完するのがこの「ランベルト・ベールの法則」ということになります。

太陽光のエネルギーが一定であり、それによって熱せられた地表が発する赤外線の量が一定である限り、大気の成分が多少変化しても、地表付近の空気が吸収できる熱量に変化はないことを、この「ランベルト・ベールの法則」でとてもうまく説明できます。

「試料溶液」を「水蒸気と二酸化炭素を含んだ空気」、「ある光」を「赤外線」と置き換えて考えればとても分かりやすいですね。

6 多くの人々が信じているからと言って、それが正しいとは限りません。

今回、実証実験のわずかな痕跡から、現在多くの人々に信じられている「大気昇温モデル」が実は誤っていることを明確に示し、「正しい考え方・モデル」を提示できたことは、素直に嬉しく思います。

しかしたくさんの優れた科学者や研究者がおられるのに、なぜこのように根本的に誤っている説が「定説」みたいになって、多くの人々がそれを信じ込む事態にまでなってしまったのでしょうか。

それはやはり人々が「パーキンソンの凡俗法則」にはまりすぎて、自分で考えることをやめて、専門家やマスコミの言う事を鵜呑みにしてしまっているからではないでしょうか。

また科学者や研究者の問題として考えると、現在の研究方法があまりにもコンピューターシュミレーションに頼りすぎていて、実証実験やフィールドワークが疎かされすぎているといったことが原因だと思います。

そしてこの「正しい考え方・モデル」は原理はとても簡単なのだけれど、その事実を発見するのは、大変難しいと思います。
いくら頭の良い人でも、このような泥臭い実証実験をやらない限り、とても考えつかないことだと思います。
そして「誤った考え方・モデル」はいかにも正しそうにみえるし、本当に「それっぽい」ですよね。
これでは多くの人々が信じ込んでしまうのも無理はありません。

また、太陽光が直接空気を温めるわけではなくて、その太陽光が熱した地表から発生する赤外線のエネルギーを水蒸気や二酸化炭素が吸収して、窒素・酸素という大気の主成分に受け渡すことによって、空気が温まる仕組みになっていることが、多くの人々を錯覚させたのだと思います。

赤外線は太陽光と全く性質が違います。物質を温める力は強いですが、水蒸気と二酸化炭素を含んだ空気の中を通過するとあっという間に減衰してしまいます。したがって空気の厚み、すなわち高さの影響を強く受けます。
法則的には、「ランベルト・ベールの法則」に強く支配されています。
この点も実証実験を行わないと、なかなかわからない点だと思います。

7 今後、この「正しい考え方・モデル」の実証実験による証明に向けて、頑張っていきたいと考えています。

私自身、この「正しい考え方・モデル」の実証実験による証明が出来るとは考えていませんでした。
それは巨大な装置が必要であると思い込んでいたからです。
しかし、赤外線の吸収高度が思ったよりずっと低く、高さ数メートルほどの実験装置を作れば十分証明可能であることがわかりました。
この高さなら一般人でも少し努力すれば実現できる大きさです。
今後、実現に向けて準備していきますので、期待していてください。


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