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仕事ができる人に共通する「解像度が高い」状態とは?


フォレスト出版編集部の山田です。

突然ですが、あなたはこんな経験をしたことはありませんか?

・「ふわっとしている」「ピンとこない」と言われた
・頑張ってるはずなのに、なぜかうまくいかない
・相手の言ってることはわかるけれど、説得力が弱いように感じた

もし心当たりがありましたら、「解像度」という概念がお役に立つかもしれません。

本記事では、『解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』(馬田隆明 著、英治出版)から、解像度が高いとは何かについてご紹介させていただきます。

まず「解像度」とは、もともと印刷やパソコンのディスプレイ、画像などに用いられる言葉ですが、ビジネスにおける解像度とは「物事への理解度や、物事を表現するときの精細さ、思考の明晰さ」を画像の粗さや精細さのビジュアルイメージを想起させながら示す言葉として用いられるそうです。

優れた起業家ほどこの解像度が高いと言われていますが、そもそもどんな状態だと「解像度が低い」というのでしょうか?

解像度が低いと言われる状態として、著者は次のようなものを挙げています。

・顧客像がぼんやりしている
・話を聞いていると、疑問が湧いてくる
・具体性がなく、ふわっとしている
・競合や事例を知らない
・解決策が安易
・話がばらばらで。論理の飛躍がある
・進め方の見通しがない

このような状態は、まだ何か始めたばかりの起業志望者によく見受けられるそうです。解像度が低い例として、著者は以下のものを挙げて説明しています。

「教育が問題だ」という主張はよく耳にします。しかし、これだけでは、教育システム全体を直せば良いのか、教科書を改善すれば良いのか、どういう解決策を取ればよいのか分からず、行動に移すことができません。「教育」という言葉の要素分解が不十分なために、解像度が低い、ぼんやりとした主張と言えます。

一方、解像度が高いと言われる状態として、次のようなものを著者は挙げています。

・顧客像がはっきりして見える
・話が明確かつ簡潔
・例が具体的
・多くの事例を知っている
・さまざまな可能性を考慮している
・洞察がユニーク
・これからやることの布石が明確

たとえば、「健康になりたい」という人に解像度の高い状態でアドバイスする場合はどのように考えたらいいのでしょうか?

健康になるためにはさまざまな選択肢が考えられますが、著者は以下のように説明しています。

 「健康になりたい」というのはあまりにも漠然とした要望のため、答えに窮します。そこでまずはその人に質問をして、現状把握をすることが必要でしょう。
 話しているうちに、どうやらその人の言う「健康になりたい」というのは、「筋肉をつけたい」という要望であり、さらに「上腕二頭筋と上腕三頭筋を鍛えたい」ということがわかってきたとします。すると「そのためにはこの筋トレ」「筋トレと一緒にこのプロテインを飲む」「休息を2日間ちゃんと取る」「最初はこのトレーニングから初めて、1ヶ月後には発展的なトレーニングを試してみる」「もし1つ選ぶなら、この筋トレをするべき」と提案しやすくなるでしょう。

したがって、解像度の高い状態とは「相手の持つ課題を、時間軸を考慮に入れながら、深く、広く、構造的に捉えて、その課題に最も効果的な解決策を提供できている」ということになります。

以上、解像度が高いとはどういうことなのかについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

解像度を上げて仕事をするほうがいいとは分かっていながらも、多くの人は課題をふわっとさせたまますぐ打ち手を考えてしまうと著者はいいます。しかし、解像度が高いとはどんな状態なのかを理解し、現状の解像度のレベルを確認することができたらより早く高い解像度にたどり着けるようになるのではないかと思います。

もし最近仕事で思うような結果が出ないと感じられることがあったら、ぜひ一度ご参考にしてみてください。

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