見出し画像

【フォレスト出版チャンネル#211】ゲスト/漫画編集者|ビジネスコミック制作の裏側②

このnoteは2021年9月3日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

ブラジルで教科書採用されたマンガ版も!

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日は昨日に引き続き、「ビジネスコミック制作の裏側」ということで、さらに詳しい業界ならではの面白いエピソードや苦労話に迫っていきたいと思います。昨日に引き続き、素敵なスペシャルゲスト、株式会社トレンド・プロ・出版編集部の佐藤瑞江さんと、フォレスト出版編集部の杉浦さんにお越しいただいています。どうぞよろしくお願いいたします。

佐藤・杉浦:よろしくお願いします。

今井:では、早速なんですけれども、昨日はトレンド・プロさんのたくさんのベストヒット作についてお話していただいたんですけれども、佐藤さんの担当書籍の代表作など、もしありましたら是非教えてください

佐藤:はい。それはもう、まずは『マンガでよくわかる 怒らない技術』、『マンガでよくわかる 子どもが変わる 怒らない子育て』、『マンガでよくわかる 子どもが勉強好きになる子育て』のこちらのシリーズと、『10歳からの伝える力』、こちらは杉浦さんと一緒につくらせていただいたものですね。あとは、東洋経済新報社さんの『まんがでわかる LIFE SHIFT』ですね。あと、堀江貴文さんの『マンガで身につく 多動力』と、オーム社さんの『マンガでわかる統計学』シリーズ、こちらも担当させていただきました。『マンガでわかる統計学』シリーズはロングセラーになっておりまして、現在13カ国語くらいに翻訳されておりますので、色んな国で見かけることができるそうです。ブラジルでは教科書採用もされたと聞いております。

今井:漫画版が13カ国で!?

佐藤:そうです。

今井:すごいですね。しかも『LIFE SHIFT』も『多動力』もめちゃくちゃ有名で、本屋さんで店頭にドーンと並んでいるような漫画バージョンだと、私は記憶しているんですけど、それをすべて佐藤さんが担当されていらっしゃったということなんですね。

佐藤:はい。楽しくお仕事させていただきました。

杉浦:ブラジルで教科書に載ったって、すごい話ですね。公的機関が認めたってことですよね?

佐藤:そうですね。はじめに連絡がきた時に「本当!?」と思ったんですけど、表紙に認定マークがついていたんですね。

杉浦:政府の?

佐藤:そうです。それを見て、びっくりしました。

杉浦:へー。すごーい!夢のある話って言うか。

今井:ちなみに『マンガでよくわかる 怒らない技術』とかの出版物というのは、どれくらいの部数になっていらっしゃるんですか?

杉浦:はい。じゃあ、その辺は私の方からお話します。『マンガでよくわかる 怒らない技術』が現在8万8000部、『マンガでよくわかる 子どもが変わる 怒らない子育て』9万3000部で、どちらも近いうちに10万部いくんじゃないかなみたいなことになっていて、本当に佐藤さんとトレンド・プロさん、漫画家さんのお力のおかげでここまで来ることができました。ありがとうございます。※2021年9月時点での累計部数

佐藤:ありがとうございます。

普通の漫画とビジネスコミックの違いとは?

今井:ありがとうございます。そんなビジネスコミックなんですけれども、普通の漫画とビジネスコミックの違いは色々とあるかと思うんですけれども、具体的にどういったところが違いになってきますでしょうか?

佐藤:ビジネスコミックは、教えることが主たる目的ですので、わかりやすく、楽しく、必要な情報が頭に入るように構成するようにしております。「わかりやすく」の部分では、例えば主人公の物分かりをよくしないとかですね。主人公は読者の化身なので、スラスラわかってしまうと、あまり共感できないんですよ。なので、引っかかるであろう場所で、「わからない!」って言わせるとか、あとスモールステップで主人公と一緒に学んでいくようにすることとか、あとわかりやすい図解を入れることが漫画ならではの特徴かなと思っています。何かに例えたり、徹底的に絵にすることによって、漫画で情報が入りやすくしております。あと、「楽しく」の分なんですけども、やっぱり漫画ですから、ストーリーやギャグとかもバランスよく。漫画全体で100ページぐらいですので、恋愛に80ページとか割いてしまいますと、バランス悪くなってしまいますので、短いページの中でいかに面白さを入れるかっていうところはパズルのように組み立てていく楽しみがあると思います。

今井:ありがとうございます。ちなみに、ビジネスコミックの制作を通して、仕事をしていて楽しいなとか、よかったなとか、面白いなというふうに、佐藤さんが感じるのはどんなところですか?

佐藤:やはり漫画の技術によって、わかりにくいことをわかりやすくする手助けができていると実感できた時がよかったなと感じています。どの本をつくる時にも、その分野を必死に勉強をしていますので、レビューなどで、「わかりやすかった!」と書いてあると、もうそれだけで何より嬉しいなあと思います。あとは、色々なジャンルの著者の方にお会いできるのが役得だなと思っております。

「漫画家さん登録」の仕組み

今井:ありがとうございます。ちなみに漫画家さんは日本中にたくさんいらっしゃると思うんですけれども、トレンド・プロさんではどのようにして漫画家さんを選んでいらっしゃるんですか?

佐藤:はい。弊社では、「漫画家さん登録」っていうのを行っておりまして、現在登録している漫画家さんは2000人ぐらいいらっしゃいます。基本的には皆さんに登録していただけるんですけれど、その後に審査というのをさせて頂いております。案件ごとに読者にマッチした絵柄の方をピックアップしまして、何名かご提案させていただきまして、編集の方に選んでいただいております。

今井:ちなみに、その「漫画家さん登録」っていうのは誰でも登録することができるんですか?

佐藤:はい。どなたでも登録できます。何か一つ、特技があれば、弊社は分業で進めてますので、シナリオだけでも大丈夫ですし、ネームだけでも大丈夫ですし、絵を書くのは得意だけれども、ネームを描くのがちょっと苦手っていう方は、フィニッシュワークのところだけ参加いただくこともできます。あと、時期も一時期だけであったり、限定して働くことができるので、是非、皆さんに登録いただけたらなと思っております。

今井:ありがとうございます。具体的な名前は出せないんですけれども、皆さんが一度は読んだことがある漫画家さんも、実は登録漫画家さんだっていう話を聞いて、登録漫画家さんって凄いんだなっていうふうに感じているんですけれども、その「漫画家さん登録」のリンクをこちらに貼っておきますので、もしご興味ある方は、ぜひ応募してみていただければと思います。

佐藤:よろしくお願いします。

今井:ちなみに、佐藤さんは元々漫画家さんということだったんですけれども、お仕事以外で、個人的に趣味で漫画を読むことというのはありますか?

佐藤:はい。話題になった漫画は必ず目を通すようにしております。『鬼滅の刃』など、お客様の方からも、「今回の漫画は“鬼滅の刃風“で頼むよ」っていうふうに言われるのもよくありますので。

今井:(笑)。

佐藤:お客様よりも先に情報をキャッチしておかなければっていうところですね。トレンド・プロのスタッフも色んなジャンルの漫画が好きなので、「この漫画が面白いよ」「この漫画が面白いよ」と、みんなで情報交換をして、漫画を交換したりして読んだりしてます。

今井:ありがとうございます。個人的に佐藤さんがお好きな漫画というのはあったりしますでしょうか?

佐藤:そうですね。もちろんエンタメの漫画ではたくさんあるんですけれども、私が今、ビジネスコミックで活動させていただいて、非常に参考になったと言うか、心の師と思っている方は、あさりよしとお先生です。小学生の時に、学研の「〇年の科学」っていう雑誌を取ってたんですけども、そこに「まんがサイエンス」っていう漫画が載ってまして、毎月それを楽しみにしてたんですね。斬新だなって思ったのが、ギャグと学習部分がすごくよくミックスされていて、絵もすごく表現豊かですし、もうしょっちゅう模写していましたね。それで私もこんな仕事ができたらいいなと思っていたんですけど、トレンド・プロに入ることができて、ここまでたくさんビジネスコミックをつくることができたので、よかったなって感じております。

今井:小さな頃から模写をしたり、心の師と崇めていた、あさりよしとお先生のようなお仕事が今、佐藤さんのお仕事になってるということなんですね?

佐藤:あのレベルは難しいですけれども、ずっと目標にしております。

今井:ありがとうございます。やっぱりなにしろ、ビジネス書だといっぱい文字があって、個人的には絵とか図解の方がただの文字よりもわかりやすいなぁって感じるんですね。しかも、心のフックと言うか、心がグッと動いた方が記憶に残るので、ビジネスコミックをどんどん皆さんに読んでいただいて、ブラジルみたいに教科書に載っていったらいいかななんて、思いました。どうもありがとうございます。

佐藤:ありがとうございます。

今井:では、最後にこちらのVoicyを聞いているリスナーの皆さんに、佐藤さんからメッセージをお願いいたします。

佐藤:はい。是非、新しいことを学ぶ時は、まずは漫画を読んでいただけたらなと思います。漫画で全体を掴んでから、学び始めると、効率よく色んなことが吸収できるんじゃないかなと、思っております。是非、理工系、ビジネス書、様々なジャンルで、漫画版が出ておりますので、何か一冊でもお手に取っていただければと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

今井:ありがとうございます。では、最後に担当の杉浦さんからもメッセージをお願いいたします。

杉浦:はい。今日は本当にお忙しい中、佐藤さんにご出演いただきまして、ありがとうございました。昨日、ちょっと佐藤さんもおっしゃっていたんですけど、あくまでも漫画っていうのは、元にある本、伝えたいノウハウがあっての漫画なので、漫画のストーリーが書籍のノイズにならないようにしなきゃいけいないっていう、その控えめな部分も大事と言うか、その塩梅がありつつ、でも面白くない漫画だと漫画としての意味がないし、記憶にも残らないなんていうことをちょっとおっしゃっている時があったんですけど、昨日の少し工夫されている部分でお話されていたことに関連するなと思って、ちょっと私の方から補足でお伝えしたかったんですが。本当にその辺の塩梅を、職人技と言うか、総合芸術みたいな感じで、やってくださるところがあって、そこに本当にいつも感謝と感動を覚えてます。で、8月に出た新刊の『10歳からの伝える力』なんですけれども、こちらは元々は佐藤さんご自身のお子さんのコミュニケーション能力を磨いてあげたいっていう、佐藤さんの親心で生まれた企画なんですね。それで、光栄にも、「そういった企画はどうですか?」なんていうふうに佐藤さんからご相談があって、それが本当に出発点だったんですけども。著者さんをどなたにお願いしようかっていうのを考えてる時に、フォレストの企画会議で、「齋藤孝先生がいいんじゃないか」っていう話があって、私は大昔に、齋藤孝先生とご一緒させていただいたことがあったので、なるほどなあと思って進んだ企画です。そんな佐藤さんの思い入れのある一冊でもありますし、ストーリーが主人公2人っていう。ページ数に制限がある中での無茶ぶりなところも、本当に綺麗に消化していただいたので、是非皆さんに、漫画の部分も楽しんで読んでいただけたらなと思います。

今井:ありがとうございます。『10歳からの伝える力』の書籍のリンクをこちらに貼っておきますので、是非ご覧になっていただけたらと思います。私もこちらの本を拝読させていただいたんですけれども、やはり文字だけよりも文字と漫画のバランスの割合ももちろんですし、漫画のストーリーの部分もグッと引き込まれて、「これがビジネスコミックの力なのかぁ」と、しみじみと感動しましたので、是非皆さんも著者の伝えたいことがギュッと濃縮された、ビジネスコミックをお楽しみいただけたらと思います。本日は佐藤さんと杉浦さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。

佐藤・杉浦:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?