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「吸って吐く」から「吐いて吸う」へ

フォレスト出版編集部の寺崎です。

現在、8月新刊『新版 呼吸の本』(加藤俊朗&谷川俊太郎・著)の編集作業に追われています。また、その裏では9月の新刊『ビジネスライブ配信のはじめかた』(赤城良典・著)の原稿も脱稿していて、編集を待っている文字群が手元にあります。それと並行して、7/26に発売予定のボーンデジタル書籍『ビジネスに役立つ武器としてのプログラミング』(登尾徳誠・著)の初校チェック、翌月にリリース予定の佐川奈津子さんのボーンデジタル新刊の編集作業、『ビジネスライブ配信のはじめかた』の事前販促、リメイク案件のデザイン打ち合わせ、企業出版案件のディレクション、新規企画の立案、note記事作成(いままさにコレ)、Voicyフォレスト出版チャンネルの収録・・・・・ムアアアア!!!

ToDoに押しつぶされそうなデイズなわけですが、こういう「ヤバいヤバい」って焦った感情のときは、決まって呼吸が浅い。

呼吸が浅くなると、心身によろしくない影響を及ぼします。

我々の生きる根源である「呼吸」を見直す。というわけで、ここで『新版 呼吸の本』の一部をみなさんにご紹介して、多忙な現代人のヘルプになればと思います。

ちなみに『新版 呼吸の本』の著者・加藤俊朗先生の呼吸法は「吐いて、吸う」が基本です。普通、深呼吸というと「息を吸って~」「吐いて~」ですが、加藤メソッドは逆さまです。

どういうことなのか、見ていきましょう。

この本は読者の代表として詩人・谷川俊太郎さんが問いかけ、それに加藤俊朗さんが応えるというスタイルになっています。

「深呼吸」と体にいい「呼吸法」のちがい

質問1
気持ちを落ち着かせるには、
深呼吸がいいと言われていますが、
呼吸法は深呼吸とどう違うのですか?

答え

「胸」と「腹」の違いです
お答えしますね。
深呼吸は息を吸ってから吐くやり方です。
呼吸法は吐いてから吸うやり方。
違いを一言で言うと、「胸」と「腹」の違いです。
深呼吸は、ラジオ体操の呼吸ですね。体操の終わりは深呼吸です。
吸うとき両手を上に上げて、吐くとき下ろす。吸うとき両手を横に
広げて、吐くとき両手をおなかの前で組む。
「はい、大きく吸ってー、吐いてー」という感じ。
吸うほうが先で、胸が主導権を握ってます。
スウェーデンから入ってきたと思いますよ(間違ってたらごめんな
さいね)。西洋式ですかね。
呼吸法という言葉にこだわらないで……
呼吸は文字どおり吐いてから吸うことをいいます。
吐くほうが先で、腹が主導権を握ってます。
どちらも気持ちを落ち着かせるのにはいいですよ。

私はこの本を読むまで「吸ってから吐く」が「呼吸」であるとずっと思っていましたが、逆だったのですね。「呼吸」という感じの文字通り、「吐く」そして「吸う」のがよい呼吸だそうです。

ちなみに、吸うのも吐くのも、使うのは「鼻」です。このことが気になったので、先日、加藤先生に質問しました。

「なぜ、吸うのも吐くのも鼻なんですか?」

「そりゃ、空気を出し入れするのが鼻で、口はモノを食べる器官だからね。でも、水泳のときは口で吸って吐くよね。魚ってエラ呼吸でしょ。もしかしたらそんなことも関係してるかもしんないね」

なるほどー、と思いました。口はモノを食べる器官だから、呼吸には使わないほうがいいんだ、と。

ところで、この「吐いてから吸う」の呼吸には、単に心身の健康にいいだけではなく、スピリチュアル的な意味合いがあります。

「吐くこと」は「執着を捨てること」なり

質問9
自然の中でいい空気を胸いっぱい吸い込むと、
宇宙のエネルギーをもらったようでいい気持ちです。
そんなとき息を吐くと、
なんだかそのエネルギーを捨ててしまうような気がします。
それでも吸うより吐くほうが大事ですか?

答え
宇宙の法則に従いましょう

「自然の中でいい空気を胸いっぱい吸い込むと、宇宙のエネルギー
をもらったようでいい気持ち」
それは本当です。酸素の中に気があるのではなく、気の中に酸素が
あります。
気という生命エネルギーが空気中に遍満してるからです。
宇宙のエネルギーのひとつである生命エネルギーを分量多くからだ
に取り入れると、からだの一つひとつの細胞が喜ぶようです。そし
て心は気持ちいいと感じるようです。
空気のいい山、海、とくに聖地では格別です。
ここまでは正常です。
「吐くと、なんだかそのエネルギーを捨ててしまうような気がしま
す」
これはあなたの神経、感覚がずれています。はっきり言わせていた
だきますと、欲が深いです。
吐くということは、「出す」ことです。捨てるということにつなが
ります。心の汚れを出す、執着を捨てるということです。
「吸う」は、「ためる」「独り占めにする」「執着する」。
一方の「吐く」は「執着を取り払う」「心を浄化する」。
吸うより吐くほうが大事ということはそういうことです。
呼吸を通して宇宙エネルギーを取り入れると、人間は気持ちよくな
るようになってますね。
人間は、我(エゴ)を捨てるのがこの世(地球)での修行です。
呼吸という機能は吐いたら吐いただけ入ってくるようになってます。
損はしません。大事なのは、宇宙の真理というのがあって、その真
理に準じるのが呼吸だということです。
その真理とは、いろいろな法則のことです。
そのひとつは「循環の法則」です。
「出したものしか入ってこない」
きわめて簡単です。
宇宙の真理に逆らうと痛い目にあいますから、法則どおり出して素直に受け入れるほうが得です。

空っぽにしましょう
吐くということは、空っぽにすることにつながります。
空っぽは、「空」「無」の世界です。
心を空っぽにしてシンプルに生きるという意味です。
空っぽにして生きると楽なんです。
吐いてください。
出し惜しみしないで思い切って吐ききってください。
吐ききった分量だけ入ってきます。
この感覚を養ってください。この感覚です。
ですから、吐くとなんだかエネルギーを捨ててしまったような気が
する、という感覚から、出し惜しみしないで吐ききる感覚にきりか
えてください。
今後は間違っても吐いたら損だと思わないでくださいね。
よろしくお願いいたします。あなたの幸せのためですからね。

◎「吸う」は、「ためる」「独り占めにする」「執着する」。
◎一方の「吐く」は「執着を取り払う」「心を浄化する」。
◎だから、吸うより吐くほうが大事。

なるほどなぁー!

いちいち腑に落ちる表現です。

しかも、この加藤俊朗さんの独特の文体、とても不思議な感じでだいすきです。隣で諭してくださっているような温かみがあります。

本書『新版 呼吸の本』は8月中旬に発売予定です。人間の根源的営みである「呼吸」をベースに、読み進めていくにつれて、どんどん深みな内容になっていきます。

加藤俊朗・谷川俊太郎『新版 呼吸の本』
 第一章 息と呼吸法
 第二章 宇宙と気
 第三章 意識と気づき
 第四章 丹田と肛門
 第五章 からだと心
 第六章 魂って?
 第七章  谷川俊太郎×加藤俊朗 特別対談(今回新たに追加)

実は、今回のリメイクにあたって、初版から11年経ったなかで新たに編み出された呼吸法を教わったのですが、これがものすごい効果絶大。またの機会に(加藤先生のオッケーが取れたら)note読者のみなさんにだけこっそりお伝えします。

では!

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