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The Voice - オーストラリアの国民投票2023年10月14日(土)

オーストラリアの街中に「Vote Yes!」「Vote No!」の表示があふれかえっています。折角なので簡単に何が起こっているのかを説明します。

アボリジニとトレス海峡島民の声 (The Voice)

2023年10月14日土曜日、オーストラリア国民は、「アボリジニとトレス海峡諸島民の声(The Voice)」と呼ばれる団体を設立し、オーストラリア先住民を認めるために憲法を改正するかどうかを問う国民投票を行います。

投票では、有権者は 「法律案: アボリジニとトレス海峡諸島民の声(The Voice)を確立し、オーストラリアの先住民を認めるために憲法を改正する変更案を承認しますか?」という質問に対して「はい」または「いいえ」で投票するよう求められます。なので、「Vote Yes!」「Vote No!」がスローガンになっているわけです。

連邦選挙と同様に、18 歳以上のすべてのオーストラリア国民は投票する必要があります。

背景

処々議論があると思いますが💦英国の植民地になる前は、アボリジニとトレス海峡諸島民がオーストラリアに住んでいました。しかし現行憲法は、彼らを除外したものになっています。ですので、彼らを認める憲法改正が行う有無の確認を行います。

憲法改正

オーストラリア国民に投票を求められている「法案」は憲法改正法案に定められており、国民投票で可決されれば、この法案は憲法に次の文言を追加することになります。

第 9 章 アボリジニおよびトレス海峡諸島民の認識
129 アボリジニとトレス海峡島民の声(The Voice)

アボリジニとトレス海峡諸島の人々をオーストラリアの最初の民族として認めて:

  1. アボリジニとトレス海峡諸島民の声(The Voice)と呼ばれる団体を設立する。

  2. アボリジニおよびトレス海峡諸島民の声(The Voice)は、アボリジニおよびトレス海峡諸島住民に関連する問題について議会および連邦行政府に対して意見を表明することができます。

  3. 議会は、この憲法に従い、アボリジニおよびトレス海峡諸島民の声(The Voice)に関する事項(その構成、機能、権限および手続きを含む)に関して法律を制定する権限を有するものとする。

https://voice.gov.au/

Voice とは?

  • The Voice は議会と政府に独立したアドバイスを提供します。

  • The Voiceは、地元コミュニティの希望に基づいて、アボリジニとトレス海峡諸島の人々によって選ばれます。

  • The Voiceはアボリジニとトレス海峡諸島のコミュニティを代表し、男女バランスがとれ、若者も参加します。

  • The Voice は、力を与え、コミュニティ主導で、包括的で、敬意を持ち、文化的な情報を取り入れたものになります。

  • The Voiceは責任を持って透明性を保ちます。

  • The Voice は既存の組織や従来の構造と連携して機能します。


近隣のニュージーランドの動き

2021年8月に、アーダーン前首相は1970年代に起こった、ニュージーランドによる太平洋諸島民に対する強制拘束・送還を含む差別行為(Dawn Raidsと知られる)について、50年越しに正式な謝罪(サモア文化の伝統的な儀式、イフォガ)を行いました。記憶に新しい出来事ですが、オーストラリアはこの国民投票でどのように舵を切っていくのでしょうか?

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