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12の指標から見た、僕の持つ特権

大家族フォーサイス家のJoeです。

長女・伊織と僕は先月、日豪若手対話(AJYD)2021という、将来の二国間関係強化を目的とした、独立した無党派外交イニシアチブに代表として参加しました。

医師、経営者、自衛官、俳優、教育の専門家、芸術家、弁護士、エンジニア、政治学者など多様な背景を持つ若いリーダーが18名集い、政治、安全保障、気候変動、DEI、宇宙開発、異文化理解など様々な観点から日豪関係の未来について議論しました。そこでの学びを何回かに分けて綴りたいと思います。

このWheel of Power/Privilegeという概念を聞いたことがあるでしょうか。

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*cisとは性自認と生まれたときに割り当てられた性別が一致しているという意味

このチャートは12もの側面からPower(特権)を可視化します。内側に行けばいくほど特権が大きいということになります。仮に一番外を1点、真ん中を2点、内側を3点とすると、僕のスコアは以下のようになります(以下の日本語訳に不適切な表現があればお知らせください)

【Joeの特権】
市民権:3点
(不法移民:1点、移民:2点、市民権保有:3点)
肌の色:2.5点(ダーク:1点、ミックス:2点、白人:3点)
学歴:3点(初等教育:1点、中等教育:2点、高等教育以上:3点)
身体:3点(重度の障がい:1点、障がい:2点、健常:3点)
性的指向:3点(レズビアン、バイ・パンセクシャル、エイセクシャル:1点、ゲイ:2点、異性愛者:3点)
脳神経:3点(「正常」から著しく逸脱している:1点、逸脱している:2点、正常:3点)
メンタルヘルス:3点(不安定:1点、ほぼ安定している:2点、非常に安定している:3点)
身体の大きさ:3点(大きい:1点、通常:2点、細い:3点)
居住環境:2点 (ホームレス:1点、賃貸:2点、不動産所有:3点)
資産:2点 (貧困:1点、中流階級:2点、お金持ち:3点)
言語:2.5点 (英語以外の1つの言語のみ:1点、英語を外国語として覚えた:2点、英語が第一言語:3点)
ジェンダー:3点(トランスジェンダー・ノンバイナリー・インターセックス:1点、cisジェンダーの女性:2点、cisジェンダーの男性:3点)
合計:33/36

自分の特権をスコアにしてみると、如何に自分が多くの特権を持っているかに気づかされました。特権という言葉を聞くと、少数派が握っているという印象がありましたが、このチャートを見ると「普通」だと思っていることや社会的には「多数派」側であることが実は特権であるということが見えてきます。

また、「身体」のように目に見える一面もあれば、特権の多くは目に見えないもの。自分がcis男性であることの特権を考えましたし、同じLGBTでもゲイとレズビアンで特権が違うというカテゴリー分けにも驚きました。生まれながら男性であるため、それを特権であると認識することは正直難しいです。自分の頑張りや成果を「特権が多いから」と言われると、自分を否定された気持ちになります。

その例として、30%Clubなど、クォータ制を導入し女性の管理職の割合を引き上げるようとする企業の取り組みが出てきていますが、それに対して「男性の負担になる」「実力で決めるべき」という論調を男女問わず目にします。しかし、それは多くの特権を持っている人の発言であることが多いのかもしれません。

全ての人が同じ状況下にあれば、全員に同じものを与える「平等」(equality)を追求すれば良いですが、女性の管理職比率を見ると現状はそんなことはないです。性別問わず実力で決められる状況ではないため、結果の平等をもたらすためにも、今後は各々の状況に合った最適なサポート(equity)が必要だと思います。そのうちの一つが女性管理職の最低限の割合を決めるクオータ制なのかもしれませんし、その後に性別問わず実力で決められる土壌が整うといいですね。

非常に難しい問題ですが、AJYDに参加できて、この問題について考える余裕があるのも一つの大きな特権なのだと思いました。

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