シアトルのスタバ愛はハンパなかった
10年前の今日、娘がシアトルに旅立ちました。
……と、Google Photoが教えてくれました。笑
留学したのが10年前だったことはボケ始めの私でも流石に覚えていましたが、出発の日はすっかり忘れていました。
Google Photoよ、ありがとう。
大学を一年休学して留学した娘。
留学を薦めたのは自分なのに、やはりあれこれ心配でしたし、なにより私自身が初めて娘と離れて暮らすことがとても寂しかったのを思い出します。
その年の12月。娘の様子を見に留学先のシアトルを訪れました。
どんな生活環境なのか心配で、ホームステイ先も訪ねました。
忘れもしないベルンのチョコレート菓子を手土産に、娘をよろしくとお願いしました。
ホストマザーは良い人でしたが、残念ながら娘の部屋は地下でジメジメしていてあまり良いとは言えませんでした。翌年、コーディネーターに相談し引っ越しすることができました。
さて、私はホテルに泊まったのですが、ホテルは急な坂の上にありました。
私の家も坂の上ですが、シアトルの坂の角度はハンパなかった!50℃くらいあるんじゃないかというほど傾斜がきつく、重いスーツケースを引っ張って登るのが大変でした。
さて、シアトルといえば何を思い出しますか?
はい。そこのあなた、大正解です!
そう、シアトルといえばスターバックス発祥の地。ですよね。
娘の留学先では、一番最初の授業で、スタバの注文の仕方を習ったそうです(ウケる)
私自身は日本でもあまりスタバを利用することはなく、いまだによくわかりません笑
スタバってサイズのいい方も、メニューの名前も独特ですよね。
おまけにトッピング!?
ビビりの私には難易度高すぎて、注文するたびにオドオドして挙動不審になる始末です。
近年編み出した技は「おすすめはなんですか?」と聞くこと。そしてそれをそのまま注文する。えへへ。
シアトルでの観光は娘が案内してくれましたが、基本は現地集合現地解散。
娘は現地での生活に慣れるため、かなりストイックに生活しており同じプログラムで行った日本人とも必要最小限にしか接触しないようにして、とにかく英語を吸収しようと必死でした。だから私が訪問した時も、ホストファミリーの家で普段通りの生活を送っていました。
そんなわけで、どこへ行くのも現地集合でしたから小心者の私はバス停の場所などを事前にチェックしていました。
ホテルのレストランは敷居が高くて怖くて入れず、食料を調達するためにもスーパーやコンビニがないかと近所を散策しました。
ホテルを出て、つまづいたら下まで転がっていきそうな急坂を下ると最初のブロックの角にスタバがありました。
「さっそくあった~」などと思いつつ、なおも坂を下っていきました。
次のブロックにつくと、そこにもスタバがありました!
「さすが、スタバ発祥の街だねぇ~!」とにやにやしながらさらに歩いてバス通りに向かいます。
すると次の角にもスタバが!
「いや、さすがにありすぎだろ!!!」
と内心思いつつ、こんな近い距離にあって売り上げに響かないの?と他人事ながら心配になったのを覚えています。
結局ホテル近辺にはスーパーやコンビニようなものは見当たらず、選択肢はスタバ一択となりました。
◎スタバの聖地シアトルで初めてのおつかい!
翌朝、勇気を出して早朝のスタバに向かいました。お腹を満たすためです。
店内はこじんまりしていましたが、早朝だったせいかお客さんは2人くらいでした。
「やばい! メニューみても何が出てくるか見当もつかない!」
「店員さん、めっちゃこっちみてる! どうーしよう、どーしよう!」
「でもおなかすいた! 待ち合わせの時間まで2時間しかない!」
入ってしまった以上、出ることもできず、ここはもう勇気を出して頼むしかありません!
「ええい、旅の恥は掻き捨てじゃ!」
と心の中はかなりテンパっているにもかかわらず、平静を装ってパンと飲み物を買いました。
お店の女性が真顔だった(なにげに怖かった)ことは覚えているけれど、記念すべきシアトルのスタバでの初めての買い物については、なにを食べて何を飲んだかすらさっぱり覚えていません。
とりあえず無事に食料を調達できてほっとした私は近くの席に着き、あたりを見回しました。
早朝なのにソファに寄りかかって足を組んで優雅に新聞を広げて読んでいるスーツ姿の男性と、テーブルでパソコンを広げている女性が目に入りました。
あとは時折コーヒーを買って出ていく人がちらほらいるだけでした。
そのとき思い出しました。
スターバックスのサードプレイスという発想。
私たちはここでただコーヒーを飲むだけじゃない。
それぞれが一人の時間をこの場所でゆっくり味わっている。
ある人は仕事に行く前の時間に、新聞をゆっくり読んでコーヒーを楽しんでいる。(もしかしたこれから仕事という戦場に向かう準備かもしれない)
ある人はオフィスじゃなくてここで電話や会話に邪魔されずにひと仕事しあげて行こうとしている。(近くに大きな図書館があったから、学生がレポートを書いていたのかもしれない)
そして私は、慣れない土地で初めて一人でコーヒーを注文し、小さな達成感と共にこれから始まる一日にワクワクとドキドキの入り混じった、そわそわしたような気持ちでそこに座っていました。
それは明らかにお店から持ち帰ったパンとコーヒーをホテルの部屋でぼそぼそと食べている私とは違いました。
ブロックごとにスタバがあるのはシアトルならではの光景かもしれません。
でもそれぞれのお店でそれぞれの人がそれぞれの過ごし方を楽しんでるのだなと思いました。
ちなみにスタバ1号店は長蛇の列で、行列が嫌いな私は外から眺めるだけにしました。(メニューはどこでも同じだという娘の説得に負けた感もありますが)(※TOP写真はその時撮った1号店の看板です。ちょっとピンボケです)
そして残念ながら日本のスタバではこのゆったりした過ごし方を体験できたことはありません。私が行くお店はたいてい商業施設やオフィス街にあるからかもしれませんが、そもそも混んでいてお店にすら入れないところばかりです。やっと入ってもせかされている気がして落ち着けないのです。
これは10年前のシアトルのスタバの風景です。
あのときのシアトルはスタバ愛にあふれていて、スタバはなくてはならない場所みたいに感じられました。
いまもそうだといいなぁ……なんてことを1枚の写真から思い出しました。
読んでくださってありがとうございます。
今日という日が、よい一日でありますように。
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