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前世の物語

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前世のお話をつづっています。 いかなる時にもそれぞれ人の数だけ物語がある。 そして大切な想い。置いてきた想い。忘れようとした想い。人は想いを守りながら生きています。正しくても正し… もっと読む
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記事一覧

②今世ではもう、誰も傷つけたくない。

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ジャックが希望した兵の募集は勉学を伴う…

ひいろ
3日前
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②“共にあった”。それだけでも、生きた証拠。

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 剣術の先生と真剣での稽古の最中…

ひいろ
2か月前
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“共にあった”。それだけでも、生きた証拠。

《前世のお話です》 日本。 銃は知らない。 そんな時代。 私は、小さい村の出身であった。…

ひいろ
2か月前
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今世ではもう、誰も傷つけたくない。

《前世のお話です》 最初に降り立ったのは、石畳の牢獄。 牢獄の中には自分しかいない。 外…

ひいろ
3か月前
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私は、未来を迎えに行く事にした。

未来を迎えに行く。 私は自分の未来についてあまり興味が持てなかった。何となく手近で周りも…

ひいろ
2年前
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「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

画面を通してであったが、ある方の姿を通して視えた前世。 〈前世のお話です〉 〜〜〜〜〜〜…

ひいろ
1年前
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⑧終「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 雪が降っている。 体にも少し積もっていた。 どれだけ時間が過ぎているのだろう。 目の前には普段見る儀式とは比べられない程の大きな薪が組まれ炎が出ていた。 その中に神輿が見える。 那留守(なるかみ)様を乗せていた神輿が。 (那留守様を火葬しているのだろう。) 思考は回らない。 感情が出てこない。 足元には砂利の上に護符の陣が書かれ、十数人の神官たちに囲まれ祝詞を挙げられていた。 どの神官も怖い顔をしている

⑦「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 一ヶ月が過ぎた。 那留守(なるかみ)様…

ひいろ
8か月前
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⑥「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 那留守(なるかみ)様はまっすぐにこう言…

ひいろ
8か月前
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⑤「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 那留守(なるかみ)様の言葉は… 何の理解…

ひいろ
10か月前
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自分が作り出してしまう世界へ

肉体に別れを告げた時。 穏やかであれば幸いである。 未練があっても幸いである。 誰かを恨…

ひいろ
10か月前
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④「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私と那留守(なるかみ)様の間にほとんど会…

ひいろ
11か月前
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③「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 忌厄(いき)祓いの場は、人里離れ…

ひいろ
1年前
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②「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私は三人兄弟の真ん中。 優秀な兄と泣き虫な年の離れた弟。 家系によりすでに神職についていた。 仕事は主に日々の祈祷、吉凶、祭事、村町人からの相談。 先代から受け継がれた流れをくんで、寸分違わず執り行う。 幼き頃からその事柄を徹底的に叩き込まれた。 その中でも一番取り扱うのが難しいのが病。 この時代の病は呪い(穢れ)。 名のない者たちが倒れても成すすべはない。 しかし、名のある者たちが倒れると神職が