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犯罪被害者支援フォーラム

この日は、佐賀県の犯罪被害者支援フォーラム2021を聴講しに行きました。
まず、南里県副知事・松下県警本部長・伊藤佐賀市副市長がご挨拶をされました。
交通事故で小学生1年生の娘さんをなくされた池田さんがお話をされました。
( ※ レコーダーを使わないので聞き間違いがあるかもしれません。)

「当たり前の日々は奇跡の連続」 

冒頭に、陽菜さんという娘さんがどんなに優しくかわいい存在であったか伝わる「そらがわらったよ」という絵本の画像と優しい声の池田さんによる朗読。
お姉さんたちに夜食を作ってあげたり、生まれてきた弟さんの面倒を見たり。保育園のときからいつもお友達を助けたりできる、とても素敵なお子さんです。お姉さんたちからもとっても可愛がられる大切な存在。
そして、お母さんである池田さんの携帯に、事故の1年前に娘さんがこっそり自撮りをした動画がありました。(お母さんが笑顔でいられるようにとの可愛い声と表情。)
12月の青い空がきれいな金曜日、帰宅後に弟さんのお世話をしてから、お友達と遊びに出られて、自転車で事故に遭われたそうです。
元気に出て行った10分後。
担任の先生から電話があり、骨折ぐらいではないか、などと考えながら現場へ。
娘さんの姿はなく、警察の人に容体を尋ねると「心肺停止」と伝えられたそうです。
ご家族で病院へ行かれると、処置室で眠ったような顔の表情の娘さんに先生たちがずっと心臓マッサージと人工呼吸。お母さんお姉さんたちご家族みんなで声をかけ続けたそうです。
後頭部の損傷が大きく、首も骨折されて、元のように回復は難しいという先生に、どんな形でも助けてほしいと伝えられたそうです。
救命処置を2時間継続し、先生が娘さんはよくがんばりました、そろそろ楽にさせてあげましょう、とのお話をされて。
二人のお姉さんたちが嫌だ!と言われて。
大変な事態に振り回されながらも、どこか冷静になっているお母さんが、「陽菜はまた帰ってきてくれる」
とご家族に話されたそうです。(看護師の経験がおありの池田さんだからなのか、事件事故に遭遇して多くの人が体験する、解離的な冷静さなのか。おそらく前者ではないかと思います)

ご自宅で、娘さんにご家族全員でたくさん話しかけられていたそうです。
いろんな思い出を話し、嫌な思い出がない。お姉さんの真似をして悪態をついたこともいい思い出に。
いろんなことで悩んだりできる、そのこと自体が幸せ。
娘さんと一緒にいたかった、成長を見たかった、娘さん自身もやりたいことはいっぱいあったはず、いろんな思いがあったそうです。
ご葬儀でお父さんは、不幸とは思っていませんと語られ、娘さんのことで不幸だと思ったら娘さんが悲しむと話されたそうです。

担任の先生から、娘さんが学校で作った作品などをいただいて、その中にひらがなを自由に書く練習があったそうです。
「 わたしはゆうえんちがすきです みんなのえがおがみれるからです 」と書いてあったそうです。

みんなの笑顔が好き、という思いを今生きている私たちが受け継ごう、自分に何ができるのか、みんなの笑顔を見るために。そう話しあい、当たり前の日は当たり前ではない。どうしたら娘さんが喜ぶか。
娘さんのいいところを残してあげたい。家族のみんなで約束されたそうです。


お話をされている池田さんは時折、涙で声を詰まらせながら、しかし優しく穏やかに、しっかりと思いを話されていました。
遺族や当事者の方にとって、そのことを話すときには、当時の思いをすべて再現して追体験している、ということを知っていてほしいと思います。何年たっても、です。
治療や様々な条件で軽くなることはありますが、追体験はしてしまうのです。
感情は激しく揺さぶられる、冷や汗、過呼吸、心拍数増加、冷静さを失う、感情が硬直する、様々な状態になります。
被害者の方に、調書のために、職場で、家族として、友達として、その時のことを聞くこともあるかもしれませんが、その時に話しているほうが大変負担のかかる状態であることを知っていてほしいです。

(池田さんのお話を聞きながら、私は涙も鼻水も止まらない状態になりました。池田さんの講演後の休憩時間に、支援活動の経費についての助成金を申請していた財団からご厚意からのアドバイスの電話をいただいて対応のため移動。講演後半の音楽隊の時間から退出させていただきました。今回は田口理事長のあいさつを見逃して残念でした。)

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