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神社本庁と無関係な神社

神社は神道の施設であって、神道という宗教は1つだと思われています。たとえば仏教なら本山というお寺があって、数々のお寺のなかでいちばんエラいというか、その宗教を統括する本部です。
じゃあ、神道の本山は?というと、これがないんですよね。いわゆる神社庁という組織があって、都道府県ごとに神社本庁があり、東京にはその都道府県の神社本庁を統括する神社本庁というものがあります。
これは別に本山という訳ではありません。神社本庁というのは神社の互助組織のようなもので、神社が必ず神社本庁という組織の一部ではないのです。つまり神社本庁に属するかどうかは、それぞれの神社の勝手なのです。
神社本庁というとエライ役所のようなネーミングですが、これは以前、官幣神社(国公立の神社)とこれらを統括する省庁があった時代の呼び名で、官幣神社を統括するのが神社本庁という役所だったわけです。それが第二次大戦後、いわゆる「神道指令」によって国公立神社は全て民営になりました。これらの神社の互助組織として神社本庁があり、ネーミングだけは以前の役所のような名前を使っているだけの話です。
官幣神社ではない神社もありましたし、また神道指令以降、官幣神社から民間の宗教団体に変わっても、神社本庁とは無関係な神社も出来ました。これらは当然ながら神社本庁とは無関係な神社として運営されています。
神道という宗教は1つに統括する組織がない訳です。同じ神道ですから、神主さんの格好や、お札や、祭礼儀礼などは同じように見えます。
神社本庁に属していない神社は案外多いです。たとえば日光東照宮や以前このnote+にも書いた出雲大社は神社本庁には属していませんし、北海道の神社にいたってはその1/3が、神社本庁とは無関係な神社です。
(写真は北海道積丹町の、ある神社。神社本庁とは無関係だが掃除が行き届いており、地元の方々に大切にされていることがわかります。おみくじやお札などの配布がない神社は、どこの組織にも所属しておらず、宗教法人ですらない場合が多いです)

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