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サイヤング賞バウアー投手がやって来た!嬉しい!でも気性難で有名なんです…

コンにちは。また野球の話です。
でも、野球に興味のない方も読んでくれると嬉しいです。

むしろ、コン特有のもったい付けた語り方なので、非野球ファンの方が読みやすいかもです!

今回のテーマは「サイヤング賞バウアー投手」です。


サイヤング賞バウアー投手

とんでもない大物が、日本のプロ野球にやってきました。
横浜DeNAベイスターズに新加入した、トレバー・アンドリュー・バウアー投手です。

ベイスターズにとって、NPB球団にとって、間違いなく過去最高の補強となったでしょう。
バウアー投手はメジャー通算83勝。
そして、何を隠そう2020年のサイヤング賞投手
現役バリバリのメジャーリーガーなのです。


サイヤング勝とは?

サイ・ヤング賞とは、メジャーリーグの賞で、ナショナルリーグとアメリカンリーグのそれぞれから、その年に最も活躍した投手1人ずつが受賞します。つまり、最優秀投手賞ということですね。

サイ・ヤング

ちなみに、サイ・ヤングは、MLB歴代最多の通算511勝、サイクロンのような男と言われ、サイというあだ名で呼ばれていた、ヤング投手の名前からとりました。「サイ・ヤング」さんの、本名は「デントン・トゥルー・ヤング」です。
大谷さんとの比較で、最近よくニュースでも目にする元祖二刀流ベーブルースさん。彼の本名は「ジョージ・ハーマン・ルース」です。童顔だったので「べーブ(赤ちゃん)」というアダナだったそうです。童顔…?

ベーブルース

まぁ、日本人の結構なお年の人が渡米しても、子供と間違われるようですし…アメリカは童顔の判定が甘いのでしょう。

お年にまつわる話で言うと…「サイヤング勝」を「最ヤング賞」。つまり「最優秀新人選手賞」と勘違いしているウッカリさんがいます。昔のコンです。

サイヤングといい、ベーブルースといい、あだ名をそのまま登録名にしてしまうケースは、初期のMLBに多かったのですかね?
知らんわ!こんど調べます!


話が脱線しました。
つまり、「サイヤング賞」は伝説的大投手の名前からとった、MLBの最優秀投手賞という事です。
要するに、日本の沢村賞という事ですね。

沢村賞とは、NPBの賞で、最も活躍した完投型先発投手に贈られる賞です。正式には沢村栄治賞と言って、兵役による負傷を負い、最後は戦死を遂げた、時代に翻弄された巨人の初代エース沢村栄治さんの名前からとった賞です。

沢村栄治

「沢村賞」は、対象は先発投手のみで、その中でも特に完投能力にたけた選手にのみ贈られる賞。それに対し「サイヤング賞」は中継ぎや抑えなど、全ての投手が受賞対象になっているという違いがあります。
といいつつ、2000年以降でサイヤング賞を獲得しているのは、2003年のガニエ投手のみで、あとは全て先発投手です。そのガニエ投手の受賞も、クローザーとしては11年ぶりの快挙でした。

そんな素晴らしい賞を、バウアー投手は先発投手として2020年に獲得しました。


2020年サイヤング投手バウアーの成績

当時レッズに所属していたバウアー投手。時代はコロナ。MLBは年間60試合の短縮シーズンになりました。

MLB球界、世界中が混乱する中、バウアー投手は11試合に先発し5勝4敗。勝ち数こそ試合少なさを受け少ないですが、投球内容が素晴らしかった。シーズン防御率1.73最優秀防御率のタイトルを獲得。シーズン100奪三振(ナリーグ2位)WHIP0.79(ナリーグ1位)の好成績。
サイ・ヤング賞を獲得しました。

●WHIP「投球回あたり与四球・被安打数合計」
1イニングにどれだけランナーを出すか、という投手能力を評価する指標
WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回
1.00未満なら球界を代表するエース。
1.20未満ならエース級。1.40を上回ると平均以下。

2020年にバウアー投手が記録したWHIP0.79。コレはMLBの歴代シーズン記録の5位となる快挙で、ナ・リーグ歴代最高にもなりました。

ちなみに、この年、バウアー投手とナリーグのサイヤング賞の座を争ったのは、当時カブスに所属していたダルビッシュ投手でした。
2020年のダルビッシュ投手の成績は、12先発8勝3敗で日本人初の最多勝を獲得。シーズン防御率2.01(ナ・リーグ2位)、93奪三振(ナ・リーグ4位)の大活躍でした。結果、ダルビッシュ投手はサイヤング賞投票で2位の得意票数を得ました。

日本人初のサイヤング賞獲得の夢を、誰もが納得する圧倒的投球内容で打ち砕いたのが2020年のバウアー投手です。どうしても自国民贔屓になりがちですが、ダル投手が2位に沈み、バウアー投手がサイヤングを獲得しても、文句を言う日本人がほとんどいなかった記憶です。つまり、あれほどの好成績のダル投手を、バウアー投手は完全に上回っていたという事です。


2021年以降のバウアー投手

2020年シーズンに素晴らしい成績を残したバウアー投手。シーズン終了後、3年総額1億200万ドル(107億円)の大型契約を結び、ドジャースに移籍しました。

2021年のバウアー投手の成績は『17先発で8勝5敗、防御率2.59、WHIP1.00』。防御率やWHIPは相変わらず好成績。でも、通常シーズン162試合制に戻ったのに、17先発は少ないですね。普通は30登板くらいしますから。
バウアー投手のシーズンは、夏の前に終わってしまったのです。

6月28日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦。6回を投げて2失点。コレが、2021年最後の登板になりました。
そしておそらく、バウアー投手にとって、MLBでの最後の登板となってしまうのでしょう。

なんとバウアー投手は、4月から肉体関係のあった女性から「性的暴力」を受けたと訴えられたのです。証拠不十分で不起訴処分となり、バウアー投手も容疑を否定しましたが、所属球団ドジャースから謹慎処分を下され、2021年後半戦の出場資格を失いました。
そして翌年2022年4月、昨年の謹慎期間とは別に、これから324試合の出場停止処分がMLBから下りました。不服としたバウアー投手の訴えを受け調停の結果、処分対象を194試合へ短縮する事となりました。この決定で、2022年シーズンは一切出場できず、2023年シーズンも5/23まで出場できない事になりました。

裁定通り、2022年は一切の出場が無くバウアー投手のシーズンは終わりました。

2023年1月。
二年前の夏、2021年7月に始まったチーム離脱。それが今年の5月やっと解除されます。しかし、ドジャースは「この球団の1人としておいておくべきではない」と発表、バウアー投手を戦力外とし放出。つまり、クビにしました。

2021年7月~復帰の2023年5月までは、無給期間なので球団は給料を払う必要はありません。でも、罰則の終わる2023年5月からの分は給料を支払う義務があります。なので、放出したバウアー投手にドジャースは約30億円の違約金を支払わなくてないけません。そこまでしても、性暴力疑惑を抱えたバウアー投手に、ドジャースは厳しい対応を取らなくてはいけないのです。

MLBは2015年から始めた「Zero Tolerance=どんな規律違反も寛容に対処せず、厳しく罰する」の方針により、性的暴力やDV(ドメスティックバイオレンス)規定違反者への対応が厳しくなっています。

倫理違反者への対応が厳しいのは、ドジャースだけではありません。MLB全球団が、Zero Toleranceの姿勢でいるのです。
バウアー投手には、もうMLBに居場所がありませんでした。


2023年ベイスターズ入団

2023年3月14日。衝撃的なニュースが日本の野球ファンを震撼させました。
「バウアー投手、DeNAベイスターズ入団」

あのバウアーが日本に来るのか!その衝撃は尋常ではありませんでした。2020年にダルビッシュ投手とサイヤング賞争いをし勝利したことで、日頃MLBを見ない野球ファンからの知名度も高かったからです。

ベイスターズの気合の入り方も尋常ではありません。
すぐにバウアー選手特設ホームページを立ち上げました。

トレバー・バウアー選手特設ページ・トップ画像

すぐさまグッズも発売。

バウアーグッズ

さらには年会費220万のファンクラブも開設しました。

過去最高の補強に、ベイスターズは大ハシャギ。
それもそのはずです。テンションが上がるのも納得です。

だって、サイヤング賞を獲得した選手が、NPBにやってくるのは長いNPBの歴史でたった2回目。しかも1度目は、初代サイヤング受賞者ながら、引退後酒屋で働いていたところ、外野手として誘われ中日に入団。1962年シーズンを1年だけプレイしたドン・ニューカム選手のケースでした。

ドン・ニューカム


つまり、サイヤング賞を受賞した現役投手のNPB入りは、史上初なのです。しかもバウアー投手はまだ32歳。サイヤング賞獲得もたったの3シーズン前。超バリバリのメジャーリーガーと言えるのです。


バウアー投手に盛り上がるのは、ベイスターズだけではありません。
4/16のバウアー選手のNPB初登板となった、西武との二軍戦。

球場には超満員の2700人が詰めかけ、ナント通常の5倍
さらに、公式YouTubeでも生配信された試合の視聴者数は、7万7千人。ナント通常の15倍。国内外の野球ファンが、彼の復帰戦を見守りました。


なぜベイスターズに?

バリバリのメジャーリーガーが、なぜベイスターズに?というか、そもそも、なぜ日本に?

理由の一つはさっきも書きましたが、性暴力疑惑を抱えるバウアー投手を、メジャー球団は獲得を敬遠している事。今年の5月を超えれば出場停止処分は解け、獲得に乗り出す球団は出るでしょう。しかし、それがいつになるのか、わかったモノではありません。来るかどうかわからないMLBのオファーを待つよりも、NPBの誘いに応じた方が良いと思ってくれたのでしょう。世界で2番目のリーグと言われるNPBでの活躍があれば、来季からのMLB復帰ができるという考えもあるでしょう。

でも、いくらNPB参戦が、バウアー投手の早く現場復帰したい希望に沿う道であっても、それ相応の収入が無ければ彼も納得できません。
しかし、1年で30億円以上稼ぐメジャーリーガーのバウアー投手を、ベイスターズは1年4億で契約しています。たった4億円で彼が日本に来てくれた理由は、彼の金銭度返しの熱意もありますが…本来ドジャーズから今年貰えるはずだった約30億円が、違約金と言う形で年俸に加算されます。なので、ベイスターズ自体は4億円しか払っていませんが、ドジャースが肩代わりしてくれて、年俸を結果30億円以上払う事が出来るのです。

では、なぜDeNAベイスターズなのか?という話です。

実は、元々親日家のバウアーさん。プライべートで日本に来た際。性暴力騒動のずっと前の2019年、ベイスターズの練習施設「DOCK」を訪問しました。そこで、エースの今永選手たちと、親交を深めていたのです。
その時「いつか日本でプレーしたいと思っている。現役を引退する直前ではない」と、衰えた晩年ではなくNPBでプレーする意思がある事を明かしてくれていました、当時は、メジャーリーガーのサービストークだと思っていましたが、まさか現実になるとは思ってみませんでした。本人が1番ビックリしてるでしょうが…

ベイスターズの練習施設「DOCK」

バウアーさんの親日家エピソードをご紹介。
日本好きのバウアーさん。好投した後、彼は「ソードセレブレーション」と言うモノをやります。挑発行為と取られ、騒動なることもしばしばなのですが。
NPB初登板4/16の二軍戦でもやっていました。

ソードセレブレーション

好投後、高く掲げた両手を、腰に向かって振り下ろす。まるで日本刀を鞘に納めるかのような動き。それが彼の「ソードセレブレーション」

納刀イメージ

バウアー投手は、振り上げた手を、右腰に降ろしていました。コンは自称歴女なので、すごく違和感がありました。刀を差すのは、左腰なのに!ずっとそう思ってモヤモヤしていました。左利きでも、武家は右利きに矯正して、刀は左に差します。明治が近づくと、左利きのままの侍もいたそうですが、
少なくともバウアー投手は右投げなので、納刀は左腰にするべきなのです。
ごくたまに左に手を降ろすこともあるので、たぶん左右の意識はあまりないのでしょうね。

誰も気にしていないかと思った、この小さな違和感。なんと彼に、直接指摘する侍が現れたのです。侍の名は筒香嘉智
侍ジャパンでは4番を務めた、元ベイスターズの選手です。
2021年5月15日にトレードでドジャーズに移籍した筒香選手は、さっそくバウアー投手に声をかけ、納刀の左右の誤りを指摘し、正しいやり方を指導したそうです。

入団会見

しかし、そんな日米交流から一ヶ月後、バウアー投手は性暴力疑惑で謹慎に。筒香選手は不調と負傷でマイナー落ちし、しばらくして解雇。二人とも7月に、チームから姿を消すことになりました。

時が流れて、先日4/16。
バウアー選手のNPB初戦となる二軍戦。

元ベイスターズの侍に指導された正しい「ソードセレブレーション」を披露する、現ベイスターズのバウアー投手の姿がありました。
このイキサツを知るコンは、ウルッときました。


2023年バウアー復帰戦

4/16のバウアー選手の現場復帰&NPB初登板となった二軍の西武戦。「ソードセレブレーション」も飛び出すくらい、絶好調。圧巻の投球内容でした。
やっぱり、バリバリのメジャーリーガーってすごいんだなー、と改めて思いました。

投球結果は『4回53球、被安打4、無四球、6奪三振、無失点』でした。特にすごかったのは、1アウト1塁3塁のピンチを背負ってからの3回のピッチング。明らかに投球の質が、グンと上がりました。ギアチェンジというやつですね。6球連続ストレートで、もぎ取るよなアウトの奪い方には、レベルの違いを感じました。
最速156キロのストレートはもちろん、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブ、スライダー、多彩な変化球も素晴らしかったです。


海外の視線は冷ややか

バウアーフィーバーに沸き立つ、日本野球界ですが…アメリカなど海外メディアでの報道は冷ややかです。

メジャー球団からそっぽを向かれたバウアーは、日本で生きる道を探そうとしている。日本のファンは、セレブのようなステータスに引かれ、DV疑惑もお構いなしのようだ」

AP通信

スキャンダルまみれのバウアーが日本球界デビュー」

英紙デーリーメール

結果としてバウアー投手は性的暴力の嫌疑により、MLBからは半年制限リストに登録され、さらに194試合の出場停止処分を命じられています。でも一貫して合意の上の行為だったと主張しています。証拠不十分で不起訴となり、法的措置は執られていません。なによりも、ベイスターズが「間違いなく罪に問われているわけではない」と説明している事を信じ、コンはバウアー選手の活躍を応援したいと思っています。


バウアーと騒動

そもそも問題となっている性的暴行疑惑の内容ですが…証拠がない以上、水掛け論にしかならないと思いますが、コンなりに情報をまとめてみました。

2020年にレッズに所属しサイヤング賞を獲得したバウアー投手は、2021年からドジャースに移籍しプレイ。
その年の4月、カリフォルニア州在住の女性が、「バウアーに性交渉中に失神するほど首をきつく絞められたり、殴られたり、合意なくアナルに挿入された」と訴えを起こしたのです。

この訴えに対しバウアー投手は「首絞めやビンタなど暴力的なセックスを求めてきたのは彼女の方。証拠のメッセージも残っている」と反論しています。証拠って言うか、無許可のハメ撮りじゃないのソレ…
さらに「彼女が自ら撮ったという顔のあざの写真は細工されている」「自分自身が翌朝撮影した動画には、自分に向って微笑みかける彼女が写っている」とも証言しています。どんだけ撮るのさ。

証拠をコン自身が見ていない以上、断定はできません。本当は自分から暴力的プレイを求めたのに、女性が嘘を吐いている可能性もあります。翌朝の動画は朝チュンのテンションで微笑んでいるだけかもしれないし、首絞めビンタをかましてくる男性の反感を買うのが怖くて女性は笑って誤魔化していただけなのかもしれません。
アメリカの警察が不起訴にしたって事は、バウアー投手の弁明が正しいのかな?MLBが厳罰を譲らなかったって事は、女性の訴えが正しいのかな?わかりません。ならいろいろ言うな!

運悪く、もしくは必然的になのか、バウアー投手の「暴力的性格」を裏付けるような事件がまた起きてしまいます。同じ年の8月、バウアー選手の慎中。オハイオ州の女性が「バウアーから暴力を受け、殺すと脅迫された」そう訴え出たのです。
バウワーさんは「女性は以前付き合っていた彼女であり、自分から金をゆすり取ろうとしていた」と反論しています。

言い切ったり、わかった気になって言う事はできませんが…こうして「暴力的騒動」が連発する人物疑いの目が向けられてしまうのは自然の流れとも言えます。もちろん、だからこそソレを意識してバウアーさんをゆすったとも、ハメようと貶めるため告発したとも考えられます。

ベイスターズとバウアー投手の「問題行為ではない」の言葉を信じるしかないですね。


素行不良

暴力スキャンダルは不起訴処分となったのに、調査が長引き、処分が重くなった理由は、スキャンダルが連発した事だけではありません。
いわゆる素行不良の選手として、もともとMLBでは警戒された選手だったのです。

●捕手批判&コーチ反抗
2011年にドラフト1巡目、全体三位でドラフト指名を受け、ダイヤモンドバックスに入団。翌年2012年、早々にメジャー昇格。たった4試合でマイナーに降格することになりますが、その短い期間に、正捕手で8歳年上のミゲル捕手のリードを批判し仲違いを起こします。また、バウアーさん独自の調整法に疑問を持ったコーチ陣からの指導を完全無視。チームの中で浮いた存在となり、チーム期待の新星にも関わらず、シーズンオフにインディアンズへ三角トレードで放出されてしまいました。
ルーキーとは思えない態度の悪さ、即トレード放出されてしまった事実。多くのMLBファンの心に「バウアー=やばい奴」という印象を植え付けてしまいました。

●趣味で負傷
2016年のブルージェイズと争ったリーグ優勝決定戦の第三戦に、インディアンズの先発として登板。趣味のドローン遊びの際に負った右手の切り傷から、出血が止まらなくなりました。このままでは、不正投球のルールに抵触する可能性があるとして、1イニングさえ投げ切れず降板
プロにあるまじき醜態をさらし、ファンや関係者を落胆させました。「バウアー=やばい奴」の印象をさらに定着させてしまいました。

●八つ当たり遠投
2019年のロイヤルズ戦、インディアンズの先発として登板。結果は4.1イニング、9安打8失点の大炎上。降板が決まると、突然ボールをバックスクリーンへ大遠投。観客のいないセンター方向でしたが、MLBファンから避難殺到。「強い感情的な反応をすることはあまりない。今回は間違いなく強く感情的な反応をした。人間だと感じられるのは良いね。もちろん繰り返したくはないけど」と、試合から数日後にバウアーさんは語っています。ユーモラスではありますが真摯とは言えないコメント。これでは、「バウアー=やばい奴」のイメージは拭えませんね。さらに「バウアー=危険」という新しい負のイメージも産んでしまいました。
結果、暴挙から2日後。シンシナティ・レッズへ三角トレードで放出されてしまいました。自身2度目の懲罰放出をされてしましました。

●暴力スキャンダル
前段で長々と書いたスキャンダルです。改めて短めに書くと…
サイヤング賞の実績をひっさげ、3年総額1億200万ドル(107億円)の大型契約を結び、ドジャースに移籍した1年目の夏前。「暴力を含んだセックスを強要された」という女性が訴え出ました。合意だったと容疑を否定したバウアー投手でしたが、7月から試合に出場できない「制限リスト」に入れられてしまいました。
さらに、新たな問題が発覚します。暴力的セックス問題の調査中、別の女性から「暴行され殺すと脅された」と告発されたのです。
相次ぐ暴行容疑の告発を受け、警察の調査が長引く間、バウアー投手の制限リスト入り期間も延長され続けました。つまり、ずっと試合に出ることが出来なかったのです。
結局、移籍1年目、2021年は7月以降1度も登板できずシーズンが終了

証拠不十分で、暴力セックス女性の訴えは、不起訴となりました。しかし、2022年4月29日、暴力問題を重く見ているMLB機構により、厳しい処分が下されます。2シーズンに相当する324試合の出場停止処分が決定しました。バウアーが不服を申し立て、最終的には処分期間は194試合に軽減されました。軽減されても194試合、1シーズンと30試合ほどです。2023年5月23日まではMLBの試合に出ることができません。大変厳しい処分です。2015年に制定されたDV規定による処分として、史上最長となりました。
裁定が下るまでの期間、制限リストで99試合の出場を禁じられていました。そこからさらに194試合。2021年7月~2023年5月の293試合、サイヤング賞獲得直後の大事な時間を、バウアー投手は失ったのです。
自業自得なのか、気の毒な不運なのか、それは分かりませんが。

2023年1月。長い謹慎を経て、5/24からはバウアー投手がとうとう復帰できる年。ドジャースはバウアー投手の放出を決定しました。
バウアーさんにとって、3度目の懲罰放出となりました。

●挑発的態度
上記のような大きなトラブル以外にも、彼は言動を咎められることが多くあります。簡単に言ってしまえば、挑発的な言動が多いのです。
MLBが粘着物を禁止した際、突然のルール実施に反発し「へい!MLB!質問があるんだ」と、禁止されていない物質で作った物質が強力に粘着する様子を映した動画をTwitterに投稿しました。MLBの禁止基準が不十分であると、批判したのです。
もともと、バウアー投手は粘着剤を使った不正投球の取り締まりを強く求めていました。にも拘わらず、MLBは長年、粘着剤問題を無視し続けました。にもかかわらず、突然禁止ルールを実施し、しかもその内容が不完全。御粗末なMLBにイラ立っていたのでしょう。
性暴力スキャンダルの処罰期間が史上最長となったのは、これまでのMLBへの反抗的態度への仕返しではないのか…そんな噂が流れてもいます。

粘着物関連で言えば、「アストロズは強力な粘着剤を使用している疑いがある」と、チームを名指しで批判した事もあります。疑いレベルで公言してしまう危うさ。いつか自分が移籍するかも知れないチーム、同僚になるかもしれない選手の批判をしてしまう無鉄砲さ。「バウアー=やばい奴」その通りなのかも知れません。

前述でイイことのように書いたサムライセレブレーションも、挑発的だと批判されることが少なくありません。

日本で当たり前のように行われている投手が打者を打ちとった際の「雄たけび」。あれもMLBだと、挑発行為だと取られます。

人格者で知られる元メジャーリーガーで、当時巨人のロペス選手。自分を三振に切った田中将大投手に、激高した事がありました。マー君は気持ちを前面に押し出すタイプなので、ロペス選手を三振に取ると、雄たけびを上げガッツポーズをとりました。ロペスさんは、負け惜しみで八つ当たりするような選手ではありません。温厚なロペスさんでも、忠告したくなるほどMLB感覚だと「投手のオーバーリアクション」はご法度なのです。
それなのに、毎試合のようにサムライセレブレーションを行うバウアーさん。MLB基準で考えて、挑発的な投手と言えますね。


背番号「96」

コレだけの大物、背番も選びたい放題だったでしょう。
ダイヤモンドバックス時代の「17」は、難病から復帰を果たした人気選手「三嶋 一輝 」投手なので遠慮するかもですが。サイヤング賞を獲得したレッズ時代の「47」なら、現役ドラフトで加入したばかりの「笠原祥太郎」投手ですし。ドジャースでの「27」なら伸び悩む「上茶谷大河」投手ですし、譲ってもらえそうです。
それ以外なら1ケタか、MLBでは永久欠番の「42」か、もしかして18番?特別な数字を背負うと思っていましたが…結果はなんとMLBでつけたことの無い「96」。なぜ?

データ重視のバウアー投手らしい理由がちゃんとありました。会見でこう説明しています。「ストレートの平均球速96マイル(約153キロ)。今シーズン目標なので、この数字を選びました」
2021年のフォーシームの平均球速は93.9マイル(151.1キロ)でした。そこから2キロ上げる目標らしいです。最高球速ではなく、平均球速を意識する所が、理論派のバウアー投手らしいと思いました。


今後のバウアー投手

4/22の楽天戦の二軍戦に登板すると発表されました。
登板結果や調整が順調ならば、5/2の本拠地横浜スタジアムで開催される広島戦で、1軍デビューする計画の様です。

本当に楽しみです。
バウアーさんの運営するYouTubeチャンネルを見る限り、彼はとてもユーモラスで魅力的な人です。
アメリカでの素行問題は過去のコト。スキャンダルもナゾのまま。
NPBのプロ野球選手としてのバウアーさんを、これから見ていき、彼と言う人物がどういう人間なのか見定めたい。そうコンは思っています。

では、今回はここまで。
おしまい。
ばいばい、またね。


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