ドラフトルーキー5巡目 畔柳 亨丞

<フォックストロットの野球語りたいラジオ 1/18原稿>

・180cm 85kg/右投右打
中京大学附属中京高校出身の快速右腕。
最速152kmで、手元で非常に良く伸びる速球が武器。
大きく縦に割れるカーブとともに奪三振率も高く、21年春の甲子園での奪三振率は10.21、防御率は0.33と素晴らしい成績でドラフト上位も期待されたが、その甲子園の大分明豊高校戦で右肘の違和感で降板、明らかに球速も出ておらず、状態が心配された。
21年の夏は愛知県の地方大会、準決勝で愛工大名電に負けて敗退。この試合では五回の投球練習中に足が攣るアクシデント。

・そう、結構コンディションに難のあるタイプなんですわね。投げ方見てもややアーム気味というか、上半身のパワーにちょっと偏重気味で、担いで投げる感じ。左足の着地が早く、最後まで体重を指先に集めるというよりは
首を左方向に振って反動つけて、肩から先を投げっぱなしにする感じ。
こういうタイプはコントロールにやや難がある傾向にあるけれど、四死球率は春が3.95、夏が4.57とやはりあまり良い方ではない。
ただ、もちろん球の威力は一級品。良い意味でも悪い意味でもパワーにしっかり意識がいっているので、腕の思い切った振りは打者の空振りを呼びやすい。大きな変化球と伸びる直球だけで戦えたら大したもんです。

・高めの球で空振りを取るシーンもあり、右のパワーピッチャー枠に大穴の空いているブルペン陣は手ぐすね引いて加入を待ち望んでいそう。
実際ある程度連投制限掛ければリリーフとしてならある程度のイニングは任せても良いと思う。
彼は力投型なので、コンディションが悪くなるとパフォーマンスが落ちやすいタイプだと思うが、シーズン通して強い直球が投げられるコンディションを維持するといった上手な過ごし方は、ある程度の負荷をかけてやらなければ会得できない。実践の疲労感と、二軍での育成段階での疲労感というのはまた違うだろうし、個人的にもこういった投手は早めに実践で使ってあげた方が伸び代を得やすいのではないかと思う。
その場合、使う側としては繰り返しになるがコンディションに細心の注意を払う必要がある。
高校時代の怪我といい、気持ちが入って肝心なところで出力を上げ過ぎてしまう選手の印象がある。
ましてや彼自身、去年の11月の記事で「控えめな性格というか、発信していくタイプではないので」といっているので、激情は内に秘めていくタイプ。となればちょっとやそっとの痛い痒いはおそらく我慢できてしまう。
そこのラインをはじめのうちはきちんとコントロールしてあげる必要は少なからず管理する側にはある。
いくら良い球投げると言っても高校卒業したての子供ですからね、大人の期待を背負わせ過ぎないようにしなくては。

・というわけで珍しい苗字の畔柳君、活躍のチャンスは多いけれどコンディションの維持には要注意。
そこにさえ気をつけて1年を無事に回せたら、一気にブルペンの核になれる可能性もある。現代の若者らしい柔軟かつ大胆な吸収力で
一気に成長した姿が見たくなる、そんな楽しみのある選手だ。

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