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ゲームの進め方と仕事の進め方って似てるんじゃないか

さて、最近久しぶりにPS4を起動し「タクティクスオウガリボーン」というゲームをやってみました。

このゲームはいわゆる ”戦略ゲーム” で、チェスのようにキャラクターを1人1人動かして敵を倒していくというゲームデザインです。

出所:SQUARE ENIX「https://store.jp.square-enix.com/item/HAC_P_A2V2A.html」

このゲームではとにかく頭を使います。1人1人にジャンケンのような属性があり、相性によって与えるダメージが変化します。
キャラクターにはどんな場所でも飛び越えていけるキャラや、壁役として防御に徹するキャラクターなど様々な要素があります。

どうやったら効率よく敵のボスを倒せるか、終始考え続けなければいけません(そこが醍醐味です)。ストリートファイターや大乱闘スマッシュブラザーズでもそうですが、このような ”戦略ゲーム” では特に攻略本を見てゲームを進めたくなります。

攻略本を見ると、もちろんゲームも有利に進めますし、強敵を倒すことも容易になってきます。しかし攻略本を見てしまうとゲーム自体を楽しめなくなってしまう危険性もあります。

そしてこれは仕事の進め方にも当てはまると思います。攻略本を見るか、攻略本を見ずに仕事を進めていくか、自分なりに考えたことをまとめてみようと思います。

ゲーム攻略本、全く見ないか?それとも見るか?

最初から攻略本を見るか?それともやりながら覚えていくか?

私は攻略本を見ずに楽しむ人間です。なので最初の1周目はほとんど攻略本を見ません(どうしても倒せなくて、面白くないと感じ始めたらさすがに見ます)。

しかし、2周目からは攻略本を見て、徹底的に攻略していきます。なんなら最初の草むらでアホほどレベル上げするタイプです。

よく考えると、このゲームに対する取り組み方は仕事への取り組み方と似ている気がします。私の場合だと、がむしゃらにやりながら困ったときは上司に相談する。最初から過去の事例を見て取り組むってことはあんまりしません。たぶん非効率ですが。

攻略本を最初から見る人は、自分が経験したことない仕事に対して、まず先輩に聞いたり、過去のやり方をマネしたりして効率よく仕事をこなしていきます。

反対に攻略本を見ない人は、とりあえず自分でやってみて、非効率ながらもつまずいたら方法を変えたりして楽しく取り組むのではないかと思います。

攻略本を見ないから"仕事は楽しい"

攻略本を見ずに仕事を進める大きなメリットは ”仕事そのものを楽しめる” ことにあると思います。

なぜゲームを始めるときに攻略本を見ないのか?それはストーリー自体を楽しむのもそうですが、例えば新しい発見や、意外な武器の組み合わせで強くなったりすることが嬉しいからです。

もし「○○の宝箱には○○という強い武器があって・・」と事前に知ってしまうと、「いやどんなとこに隠してんねん!」とか「こんだけ苦労したのにハイポーションだけかい!」という感情は絶対に生まれてきません。

仕事でも同じだと思います。初めてやる仕事はドキドキで、手探りで進めていきながらミスしたり上手くいったり、ときには褒められたりしてトイレの中で一人ガッツポーズをするほど嬉しいときもあります。ニヤニヤしながら眠りにつくときもあるはずです。

そんな感情の変化があってこそ仕事は楽しいのだと思います。もし全ての攻略法を知ってしまったら感情の変化なんてありません。周りのベテランさんを見てみてください、ほとんど目が死んでいると思います。楽しいのは他人が緊急事態のときぐらいです。仕事が作業になっている人もいるかもしれません。

一方で、デメリットとしては時間がかかること。ゲームでもそうですが、村人全員に話しかければ時間はかかるし、ツボを1つ1つ壊していては最初の村だけで2時間ぐらい過ごしていることもあります。

しかし後述しますが、攻略本を見ずに仕事を進めることにはとんでもなく大きなメリットがあると思います。

攻略本を見るのは"効率が良い"

攻略本を見ながら仕事を進めるメリットは何といっても効率が良い
新入社員の時から先輩にアドバイスをもらって、攻略本を手に入れることができれば評価はうなぎのぼり。きっと仕事もバリバリこなして、若手から活躍することができるはずです。

また攻略本を見ながら進めていくのは素直な人間にしかできません。先輩の話を「ほんとかな」といちいち疑って仕事でアウトプットしなければ、効率的にはなりませんし、先輩も「なんだあいつ、聞いといて活用しないのか」と見放される可能性も高くなってしまいます。

そんなメリットだらけかと思われる方法ですが、一方でデメリットは2つあります。1つ目は先ほどの反対で、仕事が楽しくなくなってしまうこと。攻略本を見ながら違う部分(もっと効率の良い方法を開発して社内を巻き込むとか)に楽しさを見出さないと、仕事が作業になってしまいます。

2つ目のデメリットは、新しい仕事を与えられると四苦八苦してしまうこと。新しい仕事には攻略本なんてありません。急に国内企業が海外企業と取引を始めるからその橋渡しを頼まれても、どうしていいかわかりません『海外事業の始め方』などの本で基本的な型は学べますが、それがベンチャーならなおさらです。

そうです。攻略本を見ずに仕事をするメリットはここにあると思います。1人1人の村人に話しかけたりツボを1つ1つ割ったりする地道な作業が苦ではないわけです。新しい事業なんて地味なことを積み重ねてなんぼです。

ゲームではないですが、おそらく ショウペンハウエル 『読書について』のこの一文に全てが含まれているような気がします。

学者、物知りとは書物を読破した人のことだ。だが思想家、天才、世界に光をもたらし、人類の進歩をうながす人とは、世界という書物を直接読破した人のことだ。
読書は自分で考えることの代わりにしかならない。自分の思索の手綱を他人にゆだねることだ。
さんざん苦労して、時間をかけて自分の頭で考え、総合的に判断して真理と洞察にたどりついたのに、ある本を見たら、それが完璧な形でさらりと書かれていた──そんなこともあるかもしれない。
だが自分の頭で考えて手に入れた真理と洞察には、百倍の値打ちがある。

ショウペンハウエル著『読書について』

攻略本を見ずに仕事を進めることは本当に非効率的なのか?

ゲームでは攻略本を見ずに進めても問題はないが、仕事上では攻略本を見ないと非効率的なのではないか?」と思ってしまいます。

確かに、仕事の基本は ”盗む”。FF5でもギルガメッシュから盗まないと源氏シリーズは手に入りません。

新しい企画でもまずは過去のやり方を踏襲し、良いところや型を盗んで進めた方が確実に効率的です。しかし、過去のやり方ばかりマネていると基礎中の基礎が身につきません

例えば過去に先輩が使っていたExcelの表をそのまま使うとします 。VLOOKUPやピボットテーブルはそのまま挿入されているので、そのまま使えます。しかし、どうやってVLOOKUPと使うのか、ピボットテーブルはどこから引っ張ってきて、どのように並び変えられているのか、自分から調べない限りその使い方を知ることはできません。

仕事の進め方を盗むことはできますが、進め方の成り立ちについては盗むことができません。やった本人、編み出した本人にしかわからない暗黙知だからです。

わざわざ、「これはこうこうこういう理由があって、改善を繰り返した結果このようになったんだよ」と一から説明してくれる人はいません。おそらく作った本人も全部は説明できないと思います。でも本人はすべて理解しています

こういった暗黙知を自分の中に積み重ねてこそ、これから難しい仕事があったとしても乗り越えていけるのだと思います。また後輩に仕事を教えるときも、後輩の気持ちを理解しながらわかりやすく教えてあげられるのも強みだと思います。

まとめ

今でさえ不確実な世の中と言われているぐらいなので、今後はますます技術の進化やスピード早くなるはずです。その中では効率性を重視しながらも、人間として味わうべき日常の楽しさや新しいことへのドキドキは大切にすべきだと思います。

ベンチャーのように攻略本を見ずに仕事をしつつ、サラリーマンのように攻略本を見ながら仕事をすることも重要だと感じます。しかし、最初は自分で頑張ってみて、どうしても乗り越えられない壁があれば先輩の攻略本をチラ見させてもらえば良いと思います。

四苦八苦しながら頑張ってる人間はおもしろく映りますし、応援もされます。遠回りなようで案外近道だったっていうことも往々にしてあります。楽しく仕事ができればそれだけで満足です。人生はゲーム、楽しんでください。

終わり

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