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CFP®試験2023年第2回・振り返り

 2023年11月12日と19日に、CFP®資格審査試験が実施されました。受験されたみなさん、お疲れさまでした。課目によってはかなり難易度が上がったようにも感じます。一方で、過去問にてしっかり学びを繰り返していれば、十分に合格圏に入れる出題構成だったとも言えます。

 さて、これまで通り、私なりの「回答した感想」に触れます。以下、各課目の感想です。

金融資産運用

 これまでと同様に、専門的な知識や行動な計算能力が求められています。しかし、前回(2023年第1回試験)のような”出題の趣旨が分からない”出題はありませんでした。

 株式に関する税金、投資尺度に関する出題は、いずれも投資家として理解しておきたいものの、正確に計算できる必要があるかは疑問の残るところです。

 債券に関する計算問題は、前回に比べて難易度がかなり下がったように感じます。債券の特性、金利についての知識を正確に理解していれば容易に回答できる水準の出題になっていました。実務レベルとして理解しておきたいところです。

 外貨建て商品に関しては、これまでと同様に、”問題文を理解する”ことから時間を要する出題でした。ここに時間を割くなら、他の出題にとりかかることが優先されるべきと感じます。ただし、冒頭2問以外は、容易に解答できる問題でした。

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不動産運用

 全体的な構成は従来通りでした。冒頭の収支計算や、終盤の効用積数に関する出題は、回答に時間のかかるタイプの出題でしたが、過去問で繰り返し演習をしていた方にとっては難なく回答できる水準だったと推察します。

 不動産収支(事業収支表)に関しては、再び面倒な出題でした。
 どのように計算するのか、その過程を理解することは大切ですが、それが必ずしも事務に役立つかは疑問を呈したいところです。この出題は、今回も回答を後回しにする必要がありました。

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ライフプラン・リタイアメントプラン

 これまでと同様の出題が多くありましたが、従来は文章題での〇✖判定していた内容を、具体的な計算問題として出題されるケースが多数ありました。また、従来と同様の出題でも、その適用要件をさらに深く正確に理解できているかの問いもありました。

細かい知識が必要な出題
・住宅取得、税制に関する要件
・労働基準法、育児・介護休業法の知識
・雇用保険に関する給付の計算方法
・公的年金、企業年金の給付要件

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リスクと保険

商品パンフレットの読み取り(生保商品)や経理処理など、定番の問題が続く一方で、以下については、かなり細かい知識と計算要件の理解が必要でした。

  • 公的年金や個人年金に係る雑所得

  • 定期保険の経理処理【注意】

  • 保険金の税務、保険料控除額

 何度も出題されている分野は確実に得点したいところですが、初出題も多くあり、回答に時間がかかるだけでなく、正答にたどり着くのに相当な労力が必要であったように思います。

 生命保険、損害保険ともに資料(約款や商品パンフレット、証券)の読み取り問題は、従来通りの出題でしたので、回答順序をあらかじめ決めておくことが大切でしたね。

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タックスプランニング

 回答時間のかかる出題が冒頭に集中しました。また、初出題の内容や最近改正になった事項を問う出題が多く、難題が多かったように感じます。

 一方、従来通り、単純な計算でありながら引っ掛け要素のある問題が随所に見受けられました。

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相続・事業承継

 概ね、従来通りの出題構成でした。冒頭、法改正・税制改正など初出題が多くあり、戸惑うことが多かったことと思います。しかし、従来通りの出題も多く、これらに正確に対応していれば十分に合格ラインに到達できると思います。

 ここ最近、相続対策に関する出題が少なくなり、全般的に難易度が下がったように感じました。そして、不動産や金融商品の財産評価の出題傾向は基本事項を押さえていれば十分に乗り切れる内容でした。

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最後に

 ここまで長々と失礼しました。読んでくださってありがとうございました。今後も、CFP®試験関連情報をお届けします。

 また、12月末には新テキスト、2024年3月からはオリジナル講座を予定しておりますので、ご興味ある方、ご参考にしてください。改めてお知らせ致します。

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