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#11「保険のいらない世界」知識編

保険の必要性は感じないのに、同僚や親は安心だから入っておいた方がいいと勧める状況では、なかなか加入しないという選択肢をとるのは難しい。しかし自分が亡くなったあとよりも自分が生き続けた場合を重視したい人はいるだろう。若いうちに病気になる可能性は低いことから、今のうちから貯蓄して将来の医療費負担に備えたい人もいるだろう。

そこで、保険なしでも安心して生きられるかどうかを考えてみた。まずはそのために必要な知識をまとめる。とくに新入社員から子育て世帯を意識した解説をする。

※この記事は、随意、更新します(全部書くには時間が・・・)。

1 健康保険・国民健康保険

会社員や公務員は健康保険に、自営業者などは国民健康保険に加入する。会社員や公務員の業務中の保障は労災があるため健康保険は業務外のみに対応しており、国民健康保険は業務中・業務外問わない。その外には違いはあるものの、最低限知っておきたい保障内容は共通している。

70歳未満ならかかった医療費の7割免除(3割負担)

・高額療養費の自己負担限度額                    80,100円+(総医療費-267,000円)×1%               ※標準報酬月額28万~50万円の場合)

高額療養費は少し分かりにくいかもしれないが、総医療費は医療費の総額(10割)の金額が入る。たとえば総医療費30万円なら、3割負担なので9万円だが、「80,100円+(300,000円-267,000円)×1%=80,430円」となり、差額の9,570円(90,000円-80,430円)が還付される。

式をもう一度よく見てもらうとわかるが、総医療費がどれだけ増えても「1%」をかけるため、自己負担限度額はあまり上がらない。総医療費で200万円なら自己負担限度額は97,430円である(3割負担は60万円)。

先に窓口に支払うのが負担だと感じる人は、事前に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出すれば、窓口での支払いも自己負担限度額までとなる。

さらに1年間(診療した月を含めた12ヶ月)に高額療養費の支給を3回以上受けている場合、4回目から自己負担限度額がさらに軽減される(上記の区分の場合、44,400円)。

たとえば1ヶ月の総医療費が200万円で、4ヶ月続いた場合、自己負担限度額は336,690円となる。新入社員など若い世代は毎月60万円(200万円×0.3)の医療費がかかる可能性は少ないだろうし、親に頼ればいいと思うが、負担したとしても35万円弱である。4ヶ月800万円の医療費が35万円弱で済むので、最強の保険に加入していることになる。

2 児童扶養手当(所得制限あり)

母子家庭や父子家庭を対象とした国の制度で、遺族基礎年金と同様、18歳までの子が対象となる。離婚だけでなく死別も対象。

・全額支給 月額42,910円                       ・一部支給 月額10,120円~42,900円

支給額は所得によって異なる。

出典:埼玉県「児童扶養手当」

3 ひとり親家庭等医療費助成制度(所得制限あり)

3割などの負担割合のうち、一部が免除される制度である。要件を満たすと次の負担金となる

・入院医療機関ごとに 1人つき1,200円/日                ・通院医療機関ごとに、1人つき1,000円/日

出典:埼玉県「ひとり親家庭等医療費助成制度」

4 介護保険

介護保険は、40歳から対象にしており、保険料も40歳から支払う。65歳以上を第1号被保険者、40歳以上65歳未満を第2号被保険者といい、第2号被保険者の場合、特定の老化を原因とする介護のみが対象となる。

ただがんにより介護が必要となった場合も対象となるため、覚えておきたい。

5 遺族年金

所得があった人が急に亡くなった場合に、遺族年金はとりあえずの生活資金として残された家族に支給される。要件を満たせば、会社員や公務員は遺族基礎年金+遺族厚生年金、自営業者などは遺族基礎年金が支給される。

遺族基礎年金は子育て世代に支給されるため、18歳未満の子か、その子を育てる配偶者にしか支給されない。支給される場合は、年間約78万円と子の人数による加算(第1子・第2子ならそれぞれ約22万円)

子1人世帯であれば、年間約100万円支給される。

遺族厚生年金は、給与の額によって異なるため、具体的に算出できないが、若くして亡くなっても最低300月(25年)分の厚生年金保険料を納付したとみなして計算される。標準報酬額が20万円なら年間約26万円、標準報酬額が30万円なら年間約39万円の支給となる。


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