投資信託の優遇税制 (1)

通常株やETFで銘柄を変更したい場合には一度売却をしてから新しい銘柄を購入する必要があり、売却時に譲渡益があった場合は譲渡所得に対して課税されます。
スペインでは投資信託の場合にはスイッチング時に売却換金することなく別の投資信託に移行することができる制度があります。
最終的に売却し現金へ換金されるまで譲渡益を発生させない運用ができる点でETFや株式投資に比べ税制面で優遇されています。

この税制優遇を受けるには移行元と移行先の投資信託がスペイン証券取引委員会(CNMV)に登録されている必要があります。スペイン国内の金融機関で販売されている投資信託は基本的にCNMVに登録されているファンドです。S&P500インデックスMSCI ACWIなどの株式ファンド間での残高の移行はもちろん債券型ファンドやMMFにも移行することが可能ですので、投資家自身のリスク許容度に合わせ価格変動リスクをコントロールすることが可能です。
例えば高金利となっている現在はユーロ建MMFで投資資金をプールし、金利下降局面となった際には資金を債券ファンドや株式ファンドに移動させる都行った運用ができます。

スペインで利用者の多い自動投資型のロボアドバイザーの多くはETFではなく投資信託で運用されています。
ETF運用の場合、リバランス時の売買により一度換金されるため差益が課税対象となりますが投資信託の場合には換金されることなくリバサンスされるため最終的な出金時に売却換金されるまで譲渡所得による課税を回避し含み益も合わせて運用を続けることが可能なためです。

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