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私の00smusic#54

#531 Sweet Disposition by The Temper Trap

メルボルンのバンドのデビュー作Conditionsからスマッシュヒットのシングル曲。オーストラリアでのヒットもさることながら、海外展開にも積極的で、特にイギリスのツアーやフェスにも参加して、アルバムもゴールドディスクを獲得していたりしたそう。ファルセットを使ったボーカルはインドネシア出身ということもあってか、元々のオージーバンドのイメージにはない多国籍感があって、サウンドスケープへの美意識も独特で、国内に留まらず、ヨーロッパへの進出の意識が高くなるのもわかる気がする。2作目のセルフタイトルで、急激にニューウェーブのシンセ音が大胆に使われていったので、あれ?っていう感じではありましたが、そんな変化にも貪欲なイメージ。

#532 Roaded Gun by Jubediah

オーストラリア・パースのオルタナロックバンドの4作目Braxton Hicksより。これは中古盤でたまたま見かけて、何となく買ったものかな。90年代に出た最初の2作品は、プラチナムを獲得するほどの人気作品だったようで、これはその後メジャーからも離れて、インディレベルで出した作品だったようです。90年代の延長のような、歌メロがキャッチーなギターロック/パワーポップで、時折ウィーザーをも思わせるエモ寄りの感じも出てきたりして、ちょっと思ってたジャケットのイメージからは違ってたけど、個人的好みの良い拾い物でした。

#533 Don't Make Me Wait by Locksley

ウィスコンシン州マディソンで結成して、ニューヨークで活動していたインディバンドのデビュー作アルバムタイトル曲。ビートルズなどのブリティッシュインヴェイジョンに強く影響を受けた、ガレージロック感覚のあるパワーポップバンドという感じで、当時のロックンロールリバイバルに上手く乗った形になったという感じなのでしょうか。時代が2、3周回っても、味付けや刺激を変えつつ、また新鮮に楽しめてしまうコンテンツという感じなんですけど、こういうの断れないですね。

#534 Use Somebody by Kings of Leon

テネシー州ナッシュビルのバンドの、バンド史上最大のヒット作、4作目Only by the Nightからのセカンドシングル曲。デビューからイギリスとオーストラリアではプラチナムレベルのヒットだったようで、本作でようやくアメリカでも火が付いて、ダブルミリオンに、イギリスとオーストラリアではそれぞれ10xプラチナム獲得するという爆発っぷり。正直日本にいて、こんな感じの米南部の風土感覚を持った、かなり渋めのゼロ年代的ギターバンドがそんなことになっているとは、実はあまり簡単にピンとはこなかったりしたのが本音だったけど、ギターのカッティングやニューウェーブのシンセ音で埋め尽くした洗練された音楽が一頻り流行っている時世に、彼らのような全然違う角度の個性が各国でぶっ刺さっているっていう現象は、なかなか驚かされたりしていました。彼ら的には順番に積み上げていった結果だとは思いますが。

#535 Blow It Out by The Features

テネシーのインディロックバンドのデビュー作Exhibit Aより。これは最近知ったのですが、実はユニバーサルから出ていたメジャーレーベル作品なのですね。レーベルとの折り合いが悪く、すぐに破談になったらしいせいか、全くプロモがなかったのか、メジャーにして全く名前すら聞いたこともなかったので、結構衝撃でした。まぁそんな作品も結構あるんでしょうけど。ハモンドが飛び交うレトロなロックサウンドで、ボーカルが多少クセ強ですが、キャッチーなポップロック要素も多く含み、全く聴かれないのは勿体無いなあという感じでした。サマソニのソニックステージにでも上げてあげれば、反応も悪くはなかったはず。

#536 No More Running Away by Air Traffic

英国南岸のボーンマスのバンドの唯一作品Fracture Lifeより。これも大手レーベル作品でデビューしたものの、後が続かず、バンドが機能不全に陥って終わるみたいなパターンだったよう。鍵盤がよく使われたギターバンドで、他のそういったバンドに続きたかったような意図は見え隠れしますが、でもそんな青田買いというよりは、しっかり地に足をつけて、順番に評価されていったバンドみたい。デビュー作ゆえ、積み上げていくだけの重厚さや雰囲気みたいなものはまだな感じも、楽曲の質や表現も十分な実力派だったように思います。

#537 Developing Active People by Via Audio

通っていたバークレー音楽大学での出会いから端を発するインディポップバンドのデビュー作Say Somethingより。プロデュースは、スプーンのドラマー兼プロデューサーのジム・イーノ。第一印象、柔らかく温もりのあるポップレコードで、決して派手さはないけど、何より音の配色の彩りとハーモニー、そして一定を保ったような温度や湿度感覚がまた絶妙で心地好い。聴いて小難しくはないけど、真面目で文化系インテリやセンスを感じさせる内容。デスキャブのクリス・ウォラがお気に入りを公言するのも何だか納得の好盤。これは本当に良いアルバム。

#538 Hanging On for Hope by The New Amsterdams

ゲットアップキッズのフロントマン、マット・プライアーによるサイドプロジェクトから3作目Worse for the Wearより。元々アコースティックソロからスタートして、ここでバンドセットのアルバム作品を初めて作ったということで。個人的な好み的にも、アコギの弾き語りオンリーが嫌というわけでもないんですが、リズム隊が備わってる方がよりグッとくるというか、何もないよりロック感が出て良いですよね。そして、ゲットアップキッズでも聴かれたような節回しなので、染み方、和み方は格別。

#539 Amsterdam by Guster

ボストンのバンドの4作目Keep It Togetherより。最初はメンバー2人で、アコースティックギターとパーカッションでアンダーグラウンドからキャリアがスタートし、地道な活動を経て、この作品でメジャーリリースすることになります。メンバーは3人になり、パーカッションはドラムセットがメインに代わりつつ、ロックバンドサウンドに。カラッとしたキャッチーな楽曲に、ボーカルハーモニーも加わって、とても聴き心地の良いポップロック。続く作品とか聴いても、良いバンドだなと思うんですけど、一度も日本盤は出ていない様。不思議。

#540 Going Going Gone by Paloalto

ロスのロックバンドのセカンドアルバムHeroes and Villains より。前作のデビュー作で、リック・ルービンのレーベル、アメリカン・レコーディングスと契約して、プロデュースのクレジットもリック・ルービンで、本作もそれに続いている。叙情的UKバンドの質感とメロディを携えながら、USオルタナギターバンドのような骨太さを併せ持つバンドという印象だけど、当時その立ち位置がどのように映っていたのかはわからないですけど。でもそんなことを思わせることが勿体無いほど、充実した聴かせる良い曲が並んでて秀作。いくつかテレビドラマドラマや映画に取り上げられて使われてたのも、楽曲がとても印象的だった所以かな、きっと。


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