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ソムリエールのLauraさんが熱い

世界中で生産され、そして世界中の人々に愛される飲み物。それが、ワイン。

ぶどう栽培家や醸造家から、交渉人にコンサルタント、そしてソムリエまで、ワインは多くの人によって支えられ、私たちの食卓に届きます。
そんなワインの一大生産地であるフランスでは時々、ワインに関わる人がメディアで注目を浴びています。

これからフランス語の勉強&業界の勉強も兼ねて、ワイン界で活躍している素敵な人々を深堀りし、ご紹介していきたいと思います。
よろしければお付き合いください。


さて、今回ご紹介するのは、フランスの各地で活躍中のソムリエール、Laura Vidal(ラウラ・ヴィダル)さん(38)。

美人!

彼女はフランスのレストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」で「ベストソムリエ賞」を史上初めて受賞した女性です。
さらにフランス国内に複数の飲食店を仲間たちと共同経営しています。
そんな彼女について少しだけ、垣間見てみましょう。

アルバイト先のレストランで、ワインに出会う。

Lauraさんはフランス人でお酒を飲まない母親と、カナダ人でビールとカクテルしか飲まない父親の間に生まれたカナダ人。大学の学費を稼ぐために始めたレストランでのアルバイトで、ワインに出会います。

このレストランでは毎週ブラインドテイスティングをしていたことから、彼女はワインに大いに興味を抱くように。単にワインを味わうだけでなく、目の前のワインの「背景」にまで関心が高まります。

このワインの生産者は? 
どういう過程で醸造されたのだろう? 
ワインへの疑問や関心が止まらなくなります。

そんな彼女は一念発起し、大学を退学。モントリオールの郊外にあるワインの専門学校に入学します。そして学校でワインを学ぶ傍ら、モントリオールのレストランでアルバイトを続けます。2007年には「ナチュールワイン」と運命の出会いを果たします。その後、ケベックのリンゴで作ったアイスワインをフランスでプロモーションする機会を得、渡仏します。

「その頃はまだ、フランスにずっとい続けようとは思わなかった。ただ、フランスに行ったらワインを学び、より多くの生産者に会おうと思った」と彼女は当時を振り返ります。

フランスで本格的にワインの道へ

フランス滞在中、彼女はフランスのレストランのシェフに出会い、彼のレストランで職を得ます。そして彼女は次第にソムリエールとしての頭角を現します。

幸か不幸か、そのレストランは彼女に相応の給料が払えなかったため、その代わりに彼女が週末の休みの間に、国内のぶどう畑を訪れるための機会の提供と費用の負担を申し出ます。彼女はワインの知識を深める絶好のチャンスだと考え、その条件を承諾し、しばらくフランスに残ることに。

その後1年間、彼女はブルゴーニュやシャンパーニュをはじめ、フランス全域のぶどう畑に足を運びます。訪問を重ねるうちに、「メンター」といえる人物や今でも友人関係の人々に数多く出会います。

旅先でポップアップの店を立ち上げる

2011年、彼女は運命の人に出会います。同じ勤務先のパリのレストランでシェフとして働いていたHarryさんです。彼もイギリスからフランスにやってきた外国人。彼らはパリを経ち、2年かけて世界の各地を回ります。

しかし、これは単なる旅ではありませんでした。旅に出て――それぞれの旅先で期間限定の店を立ち上げ、その土地の素材を使った料理を出すように。実は2012年当時、隣国イギリスで「ポップアップ」という空きスペースや飲食施設の空き時間を利用した期間限定の出店が流行りだしていました。彼女たちも流れに乗り、世界中にいる彼らの友人達を頼りに、イギリスやカナダ、モロッコにベトナムにアメリカ、そして日本でもポップアップレストランを次々に出し、ユニークな飲食経験を積んでいきます。

フランス各地にレストランを経営

2年に及ぶポップな旅の後、このカップルにアメリカ人のビジネスウーマン・Julia Mittonが合流。2015年にアルルのホテル・Nord Pinus内にはじめて自分たちのレストランを(寒い間は休業)、翌2016年には同地域にChardonを(こちらも冬の間はお休み)、2018年にはマルセイユにLa Mercerieをオープン。ボーイフレンドのHarryさんが料理を、Juliaさんが店舗運営を担当。Lauraさん自身はソムリエールとして「生きたワイン、無添加、無濾過、天然酵母でできたワイン」を追求します。そんな姿勢が評価され、ゴ・エ・ミヨで2020年のベストソムリエ賞を受賞。コロナ禍にも負けず、2021年にはモロッコ出身のマルセイエーズのValentinさんが合流し、オレンジワイン専門店のLivingstonを立ち上げました。そして今年もブーランジェリー、Petrin Couchetteをオープン。

実は飲酒をやめている

ソムリエールとして活躍する彼女ですが、実は3年半前にタバコと一緒に飲酒をやめています。テイスティングのためにワインを口に含んでも、すべて吐き出すほど。それでも問題はなく、むしろ穏やかに過ごせて良いといいます。

そんな彼女のことばをご紹介。

ワインというのは、造り手からのメッセージです。ワインの造り手は芸術家であり、クリエイターでもあります。そして私たちソムリエは、彼らの代弁者なのです。

Laula Vidal

意外な?Lauraさんおすすめワイン

そんな彼女のおすすめワインは何でしょう。
彼女がベストソムリエ賞を受賞した時、あるインタビューの中で紹介していたワインがこちら。

南仏(Saint Chinian)のドメーヌ、WA Sudで日本人のKoki Iwataさんが手掛けるナチュールワイン。その名も「キュヴェ 和」。


こちらのワインもいろいろ、気になる…!
(写真をクリックすると輸入会社サンフォニーさんのリンクに飛びます)

ナチュールワインを愛してやまない彼女にとって、このワインは「シャトー・ラフィット(ボルドーの名門シャトー)のジュランソン・セックともいえるわね!」と笑う。

彼女はこれからワインを通して誰と出会い、何をはじめるのでしょうか。
今後も目が離せません。


参照記事(いろんなメディアで取り上げられています)


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