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未来と文化の交差点#012 〜シティと移住野郎たち〜

こんにちは。本記事では、音声メディア「FRACTA Future Forecast|未来と文化の交差点」の第12回の様子をお届けします!

今回はゲストに、FRACTAのリサーチ&インプリメント局(RI局)のはわわさんを迎えました。現在生活拠点を北海道に置くはわわさんとともに、移住の利点や価値観の変化についてお話しました。

原点回帰としての移住

チャーリー:つっちーとはわわの共通点というのが、今東京に住んでいないという点ですね。

つっちー:僕が今栃木県の那須塩原市に住んでいて、はわわさんが……

はわわ:北海道の札幌市に住んでいます。

チャーリー:つっちーはハイブリッド勤務をきっかけに生活拠点が変わったと。元を辿るとFRACTAではコロナ禍になる前から、徐々に勤務形態を進化させていて、はわわはパイロットプロジェクトとして飛び込んでいった感じだよね。

はわわ:自らですね。

つっちー:そのプロジェクトの先行事例があったから、僕は乗っかれたので……ありがとうございます。

チャーリー:私自身遠方勤務への興味が強いこともあって、本日は2人に色々話を聞きたいと思います。一番聞いてみたいのは、移住してからの大きな変化は何かなと。良かったことから聞きましょうか。

つっちー:自然が豊かでのどかなところに住んでいるので、街の中で感じるようなストレスは少ないかなと思っています。東京って一歩外に出ると、広告などを通してアテンションを奪い合うところがあると思うのですが、それが結構疲れてしまって。今は窓を開けたら鳥の声が3種類くらい聞こえてきたりと、割とのんびりやっています。

チャーリー:環境音みたいな感じか。

つっちー:人間らしくなってきたなと思いますね。

チャーリー:人間味を取り戻していると。じゃあ、はわわは都市を離れて良かったことはありますか?……とは言え札幌も十分大きな都市の一つだと思うのだけど、都市でも東京と違う部分も多分ある気がする。

はわわ:そうですね。散歩しているとすぐ近くに大きな公園があって。

チャーリー:東京とは広さの規模が違うのでしょうね。

つっちー:代々木公園や駒沢公園よりも大きい公園がすぐ近くにある感じですか。

はわわ:そうそう。あとはやっぱりビルの高さも東京都と全然違って、低めかなと思います。建物と建物の間も広いので、空も広く感じますね。

チャーリー:それはありますね。東京の空は狭いというか、空を見上げると電線とか電信柱によって景色が遮られていたりしますよね。

はわわ:その辺りが体験として感じていて、元々北海道出身なので、広い意味で戻ったということでメンタル面でも良かったと思います。友達とか、古い知り合いもいるので。

つっちー:そこは僕と違うところだ。面白い。

はわわ:友達同士で集まると学生の頃の話とかするんですけど、自分がどういった志を持っていたのかと、友達目線で聞くこともあるんですよね。

チャーリー:すごく素敵な話ですね。

はわわ:そういう話をしていると「やっぱり自分はこういうことがやりたかったんだな」という原点回帰みたいな機会にもなりました。

つっちー:僕もまさに原点回帰なんですよね。さっきの話にも通じるのですが、広告等を通していろんな欲望にプッシュされると「俺のやりたいことってなんだっけ?」みたいになることが結構多くて。だから東京にいるときも自然の方に行ったり、あまり人のいないところでゆっくりしていました。

チャーリー:そうだよね。公園で読書することも、現代においてはリッチな体験だよね。

つっちー:そうなんですよ。だから、ちょっと背景は違うかもしれないですけど、行き着く先はめっちゃわかります。

チャーリー:自分がやりたいことに向き合える環境に行く、みたいな。

つっちー:今まさに贅沢って話が出たじゃないですか。贅沢なものが、ゴージャス的なものから今後ヘルシーなものに変化するのかなと思っていて。
五感の拡張だと僕は思っているんですけど、人間として、もっと言えば動物として当たり前に風を心地よいなと思ったり、花が咲いていることに気づくことが、ラグジュアリーというか贅沢なのかなと。

チャーリー:東京周辺に住んでいる身からすると、代々木公園や駒沢公園に行くと、その贅沢さが際立つのがありますね。なので、そういった自然が日常に当たり前にあるのは、めちゃめちゃ贅沢だなと思います。

二拠点生活による気持ちの変化

チャーリー:生活圏が栃木と北海道にあって、会社自体は渋谷にあって、且つちょこちょこ出社することもある状態はある意味二拠点生活だと思うのですが、改めて大変なことだったりも含めて面白さはありますか?

つっちー:僕は結論仕事にもめちゃくちゃ良かったなと思っています。良かった面で言うと、世田谷区に住んでいて渋谷の会社勤務となると、マーケティングやブランディングのお手伝いをするときに「どういう人に届ければ良いんだろう」「どういう表現が良いのだろう」と考え、頑張って多様性などを考慮しようとしても、すごく狭い価値観の中で生きることになってしまったかなと。
でも拠点を複数持つと視野が広がって「ちゃんといろんな人に届くように考えよう」となったのは良かったかなと思いました。

チャーリー:東京にいるつっちーと栃木にいるつっちーの視点があるということだよね。

つっちー:まさにそうですね。だから「すごい良いものを考えた」「東京のつっちー的にはこれ良いんちゃう」と思っても、栃木に帰って栃木の環境や商習慣や文化の中で見ると「これは全然違うわ」となる。
マーケティングの用語で言うと、ペルソナとかターゲットの見方もすごく渋谷区を限定して考えるみたいな感じですね。

チャーリー:はわわは、距離で言うとだいぶ遠いですよね。二拠点生活はどうですか?

はわわ:今つっちーが話していたように、視野が広がるのはめっちゃ共感しますね。あとは、今まで興味がなかったトラベルブランドをめっちゃ見るようになりました。宿泊系とか、こういうサブスクを使った方が東京に1ヶ月いられるのかな、とか。そういうことをよく考えるようになりました。

チャーリー:東京と北海道の間を行き来することで興味が拡張されたんだ。

はわわ:そうですね。移動することが自分ごとになりました。

チャーリー:面白い。長距離移動や、滞在することが視野に入ってきたと。

はわわ:そうです。今回の滞在でも、スーツケースのブランドを見に行こうかなと思っています。

東京に対する緊張感

はわわ:いま在宅用の椅子が欲しいんですけど、東京でしか体験できないブランドなので、体験しに行こうかなと思っています。東京で見て体験して、札幌に帰ったら買おうかなとか、消費の仕方も変わりましたね。

チャーリー:なるほどね。ものがなんでもある意味で、東京の利便性を活かすと。

はわわ:東京に住んでいるときは、それすら考えなかったですよね。

チャーリー:行こうと思ったらいつでも行けるから、今は良いかみたいな。

はわわ:そうです。あぐらをかいていたなと思います。

チャーリー:東京にいる私から見ると、都心を離れたらゆるい気持ちで生活するのかなと思っていたのですが、話を聞くと意外と緊張感があるなと。東京に来ることに対する感度がより研ぎ澄まされる感じがありますね。ある意味東京の価値が高くなっているような気がします。

つっちー:あとは価値と言う意味で、はわわと2人で会うと「東京、ここ変わったよね」みたいな話をよくしますね。
街もブランドも、毎回「体験しに行くぞ!」感があるので、街やブランドの小さな変化に気づくようになりました。確かに東京の価値が高くなったかもしれないです。

チャーリー:二拠点になると、逆にアンテナの感度が上がるんですね。

はわわ:札幌にいると、情報格差が怖いんですよね。東京に勤めているので、情報感度を忘れないようにしないとなという緊張感があります。

つっちー:流行に対する感度は、危機感もあって上がった気がします。

チャーリー:逆に「ついて行かないと」みたいなストレスは感じる?

つっちー:ついて行かないとという意味では、「東京に」だけではないかなと。ただ最先端の人やものが東京だけにある訳ではないとは思いつつ、体験とか展示は圧倒的に東京ですよね。

チャーリー:勉強意欲とか研鑽意欲も上がっているのかな。

はわわ:私は今のところまだストレスにはなっていないのですが、東京を訪問する期間を通して「自分が本当について行っているのかな?」「大丈夫かな?」という気持ちの結果を確かめに訪れている感じがあるかもしれない。

チャーリー:答え合わせというか、確認をしに来ているということですね。

自分と向き合う時間

チャーリー:生活習慣の面で変わったことは?

ツッチー:習慣というか機能的な意味では、車が無いと生活ができないことですね。買い物の仕方や時間の使い方も変わりました。自分のことについて考える時間は、日常の中でも増えたなと思います。すぐ近くに娯楽が少ないので、散歩したり。

チャーリー:可処分時間自体を出かけるよりは考えごとに使うようになったと。

つっちー:1人で何かするとか、そういうことに使うようになったと思います。あとは一軒家で部屋も増えて作業部屋ができたので、そこで仕事とか色々やることにもぐっと集中できるような環境を作れたという意味でも、仕事の作業効率とか発想の幅や量が増えたなと思います。

チャーリー:考えにしろ空間にしろ、キャパシティが増えた感じがあるんですね。

つっちー:たださっきの危機感的な話で言うと、今は仕事する環境が作業部屋だけなので、孤独な問題はあるかなと。周りの速度が見えないんですよね。東京だとカフェに行くと作業している人がいたり、ビジネスを近くに感じていました。ビジネスを感じることでストレスにもなっていた部分もあって無いものねだりではあるのですが、若干の孤独感や孤立感はありますね。

はわわ:私も本当にそれがあって。札幌に住みながら東京に月1で行っていると話すと、みんなからは良いね、理想的だねと言われるのですが、東京にも札幌にも完全に属している訳ではないので帰属意識がどっちつかずなんですよね。なので以前の自分は、居場所やコミュニティが決まっていると、コミットしやすいタイプだったのですが、どこにも属しきれていない気持ちになったんです。その状態で、自分の思いの丈をリアルで共有できる相手がいないと、案外孤独で。自分との戦いみたいな。

チャーリー:面白い。自分の属性はいっぱいあるけど、自分の所属する集団との共感が完全ではないと。北海道に誇りを持って自分のホームタウンに戻って、それでいて仕事も東京を選べていることってある意味贅沢な環境なのかなと思っていたけど、分割される側面があるんだ。

はわわ:そうですね。

つっちー:逆に僕は二拠点になったことで、渋谷のオフィスに来た時、以前よりも人と話す回数が増えたかもしれないです。今お聞きして自分の中で分かったんですけど、帰属意識から話す回数が増えた気がします。自分の中で孤独感を乗り越えようというか、上手く咀嚼しようとしているんだなと。

チャーリー:なるほどなぁ。移住が心理的な変化にも繋がってくると。移住について知りたい雑談になるかと思いきや、二拠点生活で得られる習慣の気づきがすごく面白かったですね。


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