見出し画像

ルルド 旅の記録

病が治るという奇跡の泉があることで有名な、ルルドへ行ってきました。フランスの南西部、オクシタニー地方にある人口1万3千人ほどの小さな街ですが、キリスト教の巡礼地として世界的に有名で、今はだいぶ減っているだろうと思いますが、通常だと年間600万もの人が訪れていたそうです。

簡単に奇跡の泉の由来を紹介すると・・・
1858年にルルドの貧しいけれど敬虔なベルナデットという少女が、木枝を拾いに行った際、洞窟に女性が現れるのを見ました。ベルナデットが十字を切ってお祈りを唱えると女性は突然消えてしまいました。その女性は後からマリア様だとわかるのですが、マリア様は合計で18回現れ、その間に、「泉へ行って水を飲み、そこで体を洗いなさい」「ここに教会を建てなさい」等々と言われたそうでした。
以来、たくさんの人が訪れるようになり、ルルドのおかげだという7000件以上の治癒の報告が寄せられ、今現在そのうちの70件が奇跡として公式に教会から認められているそうです。

トゥールーズからルルドへ

ルルドの街へはオクシタニーの主要駅の一つ、トゥールーズから電車で行きました。Intercité(アンテルシテ)という座席予約のできる長距離列車を選び、トゥールーズ→ルルド間は約2時間。夏休みということもあってか満席で、荷物置き場はスーツケースやリュックサック、自転車などでギュウギュウになっていました。
車内では、家族連れはトランプをしたり、若い人たちは動画を見たり、ゲームをしていたり。お昼の時間になると、サンドイッチやポテトチップを食べ、思い思いに過ごして、和やかな雰囲気でした。

お土産屋通りでウキウキ

ルルド駅で降りたのは数えられるぐらいの人数でした。駅には小さなキヨスクと、待合室、トイレがあります。駅を出るときれいな山の景色が目に入り空気も清々しく深呼吸したくなります。
ホテルまでは10分以上歩くのですが、急なくだり坂になっていて驚きました。グーグルマップで見ている時は高低まで把握していませんでした。
ネットでホテルを探している時に、到着してすぐ荷物を置けるよう、チェックイン14時からの所をわざわざ選んで予約したのに、ホテルの入り口には16時からと書いてあって、自動ドアも反応せずピタリと閉まったまま。幸い、荷物は重くなかったので、そのまま大聖堂を見に行くことにしました。
ホテルから大聖堂への道はお土産屋がひしめき合っていて、いろんな聖人の像とか、アクセサリーとか、Tシャツとか・・・色々なものが並んでいるのをのぞきながら歩くのは、こういう場所でしか味わえない独特のウキウキ気分なのでした。

聖地に入る

大聖堂の敷地に入ると、中にもすぐにお土産屋があり(お土産街側の出入口)、まだ何も見学していないうちから、絵はがきとちょっとしたお土産を選んでしまいました。切手もレジで聞くとありました(普通の絵柄でした)。選ぶのになかなか時間がかかって、お土産を買ったあと案内所の前のベンチでひと休み。気持ちのいい場所で、帽子を顔にのせて本格的に昼寝をしているムッシューもちらほら。

大聖堂に入る前に、一番見てみたかった洞窟へ先に行ったのですが、洞窟の前でミサをやっており、洞窟には近づくことができず、ちょっと離れた場所から見るだけとなりました。でも泉の水を汲める蛇口がたくさんあって、お水を頂くができました。フランスで蛇口から出た水を飲むことってあまりないですが、ここのお水は美味しいと感じました。
気候がちょうど快適だったこともあると思いますが、不思議といくらでもぼーっとしていられる場所で、座れる場所を見つけてはボヤンとして過ごしました。

街中観光

ホテルに戻ってチェックインした後、街をめぐる観光用のプチトレインに乗ることに。一泊しかしないので、街を見て回るのに手っ取り早いと思ってのことでした。汽車風のデザインの乗り物でとても可愛らしいです。が、座り心地はいいとは言えず、同じ道を通る事があった点は残念でした。途中で何回もエンスト(?)したのでハラハラする場面も。そういうアトラクションではないと思うのですが・・・(笑)。
でも、主要な観光スポットを巡るので、外観だけでも見ることができて、まずまずでした。街中には可愛らしい広場や、小さなショッピングストリートもありました。

ろうそく行列

夕食後にまた大聖堂の敷地内へ、21時から始まるろうそく行列を見に行きました。フランスの7月は日が長いので、ろうそくの明かりはあまり目立たない感じ。旅行前に写真で見たより人数は随分少なかったですが、それでも長い行列でした。マリア像をのせた御神輿のようなものを先頭にろうそくを持った人々が続きます。お祈りを唱えたり歌を歌ったりして進んでいく様子は感動的だったし、夜になる前の柔らかい光に包まれた大聖堂もとても綺麗でした。


最後に大聖堂の内部を見学

翌日、チェックアウト前の時間を利用して、大聖堂の内部の見学に。大聖堂は三つあるらしいのですが、私たちはそのうちの二つ、ノートルダムデュロゼール大聖堂とイマキュレコンセプション大聖堂へ行きました。ノートルダムデュロゼールは、壁一面に聖書の場面や聖母マリアを描いた繊細なモザイク画があり、うっとりするほど美しかったです。また、信者さんの感謝が書かれた石板がびっしりと貼られている壁や柱があり圧倒されました。イマキュレコンセプション大聖堂の方は、ステンドグラスのある清らかで優しい感じのする教会でした。こちらにも感謝の石板がありました。

帰りの電車で

チェックアウト後、最後にまたお水を頂いてから聖地をあとにし、お昼ご飯を買って、ヒーコラ言いながら登り坂を上って駅へ到着しました。帰りの電車も指定席でしたが、誰かが既に座っていました。フランスで私はよく遭遇する場面で、確信犯的に座っている人と、本当に車両の番号とかを間違えている人もいます。一応自分の席だよねと再確認してから声をかけます。今回は確信犯だったようで、「はいはい」という感じで立ち去っていきました。

今回は、城塞を利用した博物館や、景色のいい山に登るケーブルカーなどは体験できなかったし、聖地がとても気持ちのいい場所だったので、またゆっくり訪れたいと思っています。

最後まで読んでくださり有難うございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?