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不惑を過ぎてから縁あってフランスに住んでいます。主にフランス生活の他愛ないお話と、縫い…

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不惑を過ぎてから縁あってフランスに住んでいます。主にフランス生活の他愛ないお話と、縫い物、編み物の記録を綴っています。お茶でも片手にのんびりお付き合いくだされば嬉しいです!

マガジン

  • 物語 ルビー手芸店の月並みで愛しい日常

    一話完結の形で続いて行く物語。毎月2話ぐらいを目指して書いて行く予定です。

  • 編み物 縫い物

  • フランス生活とフランス語のコラム

  • どこに住んでも。暮らしながら考えたこと

    毎日をできるだけ穏やかに朗らかに、心と体を養いながら暮らしていく。そんな思いをベースに日々考えたことを綴っていきたいと思います。フランス在住3年目

  • フランス語学習

最近の記事

ルビー手芸店の月並みで愛しい日常 (物語)

コチッ、コチッ、コチッ、頬杖をつく2人の天使が彫刻された掛け時計の音が響く中、みすずは踏み台に乗り、大きな木製の棚の幅広い引き出しを開けて中を覗き込んでいた。「カバンの持ち手はここだったのね。竹、木、こんな透明プラスチックも可愛いなあ」と一人つぶやいている。年季の入った艶のある美しい棚だが、引き出しを開けないと中に入ってるものが分からない。フランスの中都会のこの手芸店で働き始めて3週間、みすずは暇があるたびに、引き出しを開けては商品の場所を確かめリストを作り、細々とした商品の

    • 手縫で半袖シャツ

      以前にシャツブラウスが上手く行ったので、夏用に半袖も作ろうと冬のセールでダブルガーゼを入手していました。ダブルガーゼは生地が波打ったようなニュアンスのもあるけど、この生地は波打つ感じはなくしっかり目でした。 生地に素朴な風合いがあるからか、縫い始めてみると、縫い目がとても可愛く見える!それであえて脇や肩なんかの縫い代の処理は割伏せ縫いにして、外に見える縫い目を増やしてみました。縫い目を増やしたくて、普段は省略するポケットも二つもつけて。手縫いの縫い目が活きてるなあと1人ご満

      • すすぎ不要の洗剤

        ウールの衣服が多い我が家。手芸店のサイトで、すすがなくてもよいという洗剤を見つけ、口コミも良くて気になっていて、ついに入手。 調べると日本でもユーカランと言って入手可能なよう。ただ、日本のサイトはすすぎ不要とあったり、でも軽くすすぐとも書いてある??フランスで買った商品の説明書きにはすすぎ不要とあります。 さて、早速ウールのセーター5枚、パンツ2枚にブラシをかけて、バスタブに浅くぬるま湯をはってユーカランを少量とかし指示通り手洗い。浅くて細長いフランス式バスタブは洗濯には

        • 春の遠足

          FOIX(フォワ)という、トゥールーズから普通電車で1時間ちょっとの場所にある、中世のお城の街へ行ってきました。ピレネー山脈に向かって電車が走るので、平日でしたが大きなザックを担いだ人も結構いて電車は予想に反してほぼ満員。車窓からは、フランスの田舎の風景の定番、広い庭で飼われている馬とか、農場の牛たちとかが楽しめました。 フォワ駅に着いて街へ向かって歩き出すとすぐに見えてきたのが、絵に描いたような中世のお城(トップの写真の真ん中上部にある建物)。小さな街を見下ろすように建っ

        ルビー手芸店の月並みで愛しい日常 (物語)

        マガジン

        • 物語 ルビー手芸店の月並みで愛しい日常
          1本
        • 編み物 縫い物
          21本
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          78本
        • どこに住んでも。暮らしながら考えたこと
          40本
        • フランス語学習
          9本

        記事

          楽しく編めている五本指手袋

          こんな複雑なカタチ、私には無理と思って素通りしていたレシピなんだけど、編んでみたら意外とすんなり進んでいる手袋。指ができていくのが面白いです。 冬のセールで最終値下げを待ちすぎて、狙っていた手袋の在庫がなくなり、「編んでみる?」と思ったんだけど、そうじゃなければ挑戦しなかったので、キッカケってひょんな所からやって来るものですね。 さてさて、写真の本のレシピを参考にしました。この手袋のレシピは色々簡単にしてあるそうで、写真も分かりやすく、ストレスなく編んでこられています。レシ

          楽しく編めている五本指手袋

          ホワイトデーの経験

          会社員を辞める前の一回か二回、バレンタインにチョコレートを後輩女子からもらったことがあります。友チョコという言葉をチラホラと聞くようになった頃でしょうか。その頃は、高校生とか若い女の子達の間で、そういう行事に変化してきているらしいと情報番組で聞いて、「時代も変わってきたなあ」なんて思っていたおばちゃんの私。なので、自分がよもや受け取る立場になるなんて思いもしていなくて、最初はとっても驚きました。 バレンタインの日、紙袋を見ればすぐそれと分かるお高いチョコを携えて、しずしずとデ

          ホワイトデーの経験

          手縫いチュニック

          手縫いのレシピ本から、この表紙のチュニックを作ってみました。Tシャツがわりに着れて、少し華やかになるかなという目論見。袖はふんわりだけど、袖口はすぼまって家事に邪魔にならなさそうなのもマル。それほど長くなくて、ブラウスと言ってもいいぐらいの感じです。最近、Tシャツやカットソーより、ブラウスの方がふんわり着れて安心なお年ごろ…。 手縫い用のレシピだから簡単に作れるかと思いきや、写真をよく見れば分かる通り、袖口にギャザーを寄せ、襟も袖口もバイアス仕立てなので工程も結構あるし細か

          手縫いチュニック

          パセリいる?

          フランス南西部は暖かい1週間があったと思ったら、今週は寒さが戻ってきていて、マルシェに行くのもブーツを履いてしっかり防寒、それでも野菜を選ぶ指先が冷たくなってくるほどでした。 マルシェの決まったスタンドに通い始めて一年になるかなあと思いますが、一度だけ、店主のマダムに「パセリいる?」と聞かれたことがありました。突然で、“買ってほしいのか?オマケなんだろうか?“とよく分からず、咄嗟に口をついて出たフランス語が「何をするため?」。 マダムは困った顔でパセリを刻むジェスチャーをし

          パセリいる?

          クレープと一人旅の思い出

          フランスは2月2日がクレープの日でした。シャンドラーと言って、カトリックにちなんだお祝いの日ですが、遡ればローマ時代に春の訪れをお祝いして、太陽に見立てたクレープを食べていたのが起源とも。 2月は招きあって皆んなでクレープを食べる機会が多いです。私は牛乳を消費しないといけない時にもクレープを焼いて、すぐ食べない分は冷凍して先の楽しみにしています。 クレープで思い出したのが、卒業旅行と称して1人でパリへ行った二十数年前のこと。え、誰も一緒に行く人がいなかったの?と思うけど、一

          クレープと一人旅の思い出

          完成したカーディガン

          3年越しで何とか編み上がりました。不出来な点は色々あるものの着用できる一点が仕上がって喜びもひとしおです。 ニットはそんなに買い替えないし、手持ちの古くなっていくものの代わりとして数年に一点編めたら十分かなあと思います。 以下は今後のためにメモを残しておきます。 フランスのレシピで作ったのですが、こっちの衣服は私にはめちゃ袖が長いので、袖を編んでいく増し目のタイミングを短くして長さを縮めました。ただ増し目のタイミングが前の増し目と近すぎると穴が開きやすいという話もあって、

          完成したカーディガン

          フランスで日本の映画を観る

          フランスでも日本の映画が公開されることがあります。公開期間が短い場合が多いので、モタモタしていると終わってしまうのですが、今回はタイミングが合って妻夫木聡さん主演の「ある男」を観てきました。マチネの時間帯、70人ほどの小さい場所で満員。シニアの方が多かったかな。日本語そのままでフランス語字幕付。 良い作品だった上に、私は久しぶりに、全部しっかり理解できる映画を観て満足感もひとしお。グッと入り込んで筋を追えるミステリーを観たい気分で、裏切られませんでした。 ネタバレはなしの、

          フランスで日本の映画を観る

          洋服の生地を買う

          フランスは冬のセール期間がもうすぐ終わります。私がこの時期に一番見ていたのが生地屋さんのサイト。レシピと首っ引きで過ごしてきました。街の生地屋も覗いたけど、やっぱり品数豊富なオンラインショップで買って、届くまで実際の色や手触りなど分からないのでドキドキ。春夏のブラウス2枚分と、冬のウールパンツ1枚用。何を作るか決めて用尺にピッタリぐらいで買います。ちょっと怖いけど。 最近思うのは、レシピを見て可愛いと思っても、実際に自分に似合うかとか、いつ着る、どんな風に着るとかを考えるの

          洋服の生地を買う

          手編みのカーディガン

          2年前の冬に編み始めて長期間中断していたものを再開しました。シンプルなデザインなので、ちゃんと保管していれば、再開してもひたすら編むだけで支障はないものですね。身ごろができたので、組み合わせてどんなもんか置いてみました。 春夏用にサラッと羽織れて持ち運びに軽いカーディガンをとイメージしてレシピを選び、指定の糸じゃない、気に入った糸を選びましたが…。3ミリの糸で、ドライな手触り、柔らかい一方、編んでいるとガシッと手応えも。編み地は軽いのに、畳むとかなりボリュームが出て、サラッ

          手編みのカーディガン

          電気圧力鍋

          私が買ったのは6qtのインスタントポット。フランスでは他に有名なものがあるのですが、お値段が可愛くてこれに決めました。去年の春に使い始め、今初めての冬を経験中。寒くなってさらに重宝しています。 定番の使い方はストック作り。チキンドラムを2キロ調理とか、お豆もお米もまとめ調理して小分け冷凍します。家には炊飯器はないです。小分け冷凍する場合は、圧力調理の段階では味付けしないか、少し塩するぐらいで、使う時に味をつけます。 小豆が大好きなので常にストックできて喜んでます。塩小豆でお

          電気圧力鍋

          1月はこれ

          フランスで1月の風物詩と言えばガレット・デ・ロワ(王様達のお菓子)。フランジパーヌのものが日本ではよく知られていると思いますが、トゥールーズにはcouronne des rois (クロンヌ デ ロワ 王様達の冠)と言って、丸くて真ん中に穴が開いたブリオッシュ生地のものもガレットと同じ存在感で売っています。 私もフランス北部出身の夫もフランジパーヌのものしか知らなかったので、引っ越して来た当初は衝撃を受けました。私たちは断然フランジパーヌ派。 キリスト教の三賢人に因んだお菓

          1月はこれ

          年末の私のご馳走

          フランスは大晦日の晩は友達と集まって飲んで踊ってカウントダウンをするという事も多くて、とっても派手な印象。牡蠣とシャンパンが並んだキラキラしたテーブルのイメージがあります。そして元旦は宴の疲れで何となく過ぎて、2日からもう通常営業が始まって、それまでのお祝い気分は風船がしぼむみたいに一気に冷めます。日本のような「お正月気分」っていうのがないんですね。 うちは大晦日はテレビの前でカウントダウン、そして私の楽しみは鴨南蛮そばを食べる事。全然キラキラしてないけれど、これが私の年末

          年末の私のご馳走