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デス・レター(CORNER SHOP SESSIONS誕生)


ある日、Twitterのタイムラインに、不思議な記事が流れてきた。
「ライブやりませんか?」
写真はレコード店のような、本屋のような、喫茶店のような、なんか不思議な雰囲気である。俺は何か惹かれた。アメリカの公共放送NPRは、アーティストを、なんと本屋の一角でライブさせるという、変わった番組を放送している。TINY DESK CONCERTという。諸兄も聞き覚えがあるだろう。俺の大好きな企画だ。クルアンビン、アイドルズ、ダーティプロジェクターズ…。今の空気を代表する、一癖も二癖もあるインディーズたちが、リラックスして、観客と極めて近く(そりゃそうだ、狭い本屋なのだから)から、歌い、演奏する。

それが実現するな、と俺は思ってすぐに連絡を取った。帰ってきたのは、ホワイトボードに手書きの予定表の写真である。これだよこれ。この飾りのなさこそ、俺が求めていたものだった。すぐに阿佐ヶ谷のカフェに伺った。迎えてくださったのは、中国から移ってきた、人のよさそうな店主である。少し話して、すぐに、これはおもしろそうだと気が付いた。俺は日本語と英語しか話せない。彼は北京語に堪能(当たり前か)で少しの英語と少しの日本語。どちらも何語で話して言いか分からなかったが、何かが通じた。ような気がした。

「なんちゃらできますか?」「オーケーオーケー」「エレキとか演奏できますかね?」(グーグル翻訳)「エレキとか演奏できますか?」(変な翻訳)…「あーオーケーオーケー」

これだよこれ。この気安さで、出演者はグッと安心するだろう。いい人、いいお店。

こうしてMADE IN A GARAGEにスピンオフが誕生した。名前は、2000年代に活動したインド系イギリス人のバンドからとった。お店の本来の名前、GURUGURUのGURUとは、北京の言葉で、きのこを意味するそうだ。

気安い雰囲気だからといって、音楽まで手を抜いてはならぬ。とびっきりの、今の空気を代表する、一癖も二癖もあるアーティストを呼ばねばならない。そしてそれも実現した。加藤伎乃。The Memphis Bell。

来てくださる諸兄は、それこそ全身脱力して、グッドミュージックを堪能できると思う。すごい近くで、演者がセッティングから片付けまでを見ることになろう。芝居の全くない、ケレンの全くない人々と交わることになるだろう。だが、この二組とも、その音楽は極めて刺激的である。ギターがジャンとなった時、諸兄はたちまち、彼らの作り出した海に溺れることになる。

定期的に、できれば月1で、やれればいいなと思う。名を
THE CORNER SHOP SESSIONS
という。諸兄が心待ちにするライブになることを、願っている。

THE CORNER SHOP SESSIONS vol.1
3/16(土曜日)
午後6時開演。
お店自体は午後3時から開いていますので、開演以前からいらっしゃっても大丈夫です。
出演者
→(yajirushi)
加藤伎乃
The Memphis Bell
各40分くらいのギグです。

木戸銭無料。ただし、飲食店ですので、何か一品は必ず頼んでください。

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