私の大学が残念ながら悪名高い遺跡ねつ造事件に関与したことはもう、ごまかせない。

　東北福祉大学の考古学教授で遺跡ねつ造事件の黒幕とかフィクサーとか巨匠教授とかと非難を浴びた芹沢長介のベストパートナーだった相沢忠洋記念館の動画がYOU TUBEに上がっていた。

　　　　　在野の考古学者・相沢忠洋の妻が伝える岩宿への道

　動画の作成が2021年4月12日ということは今まで相沢忠洋記念館の方も色遺跡ねつ造事件の混乱などで中々、活動が板につかなかったということもあるのかもしれない。事件の後遺症は余りにも深く、つい、最近になって朝日新聞社から取材を受けて動画を公表できるようになったという裏事情もあるのだろう。

　芹沢長介と一緒になって日本に旧石器時代があることを証明した相沢忠洋なのだが学歴はないので学会では中傷を浴び、全くといっていいほど相手にされなかったという。

　パートナーの芹沢長介も明治大学の学歴があったものの日本に旧石器時代が存在することを学会で発表したら考古学の長老教授に日本に旧石器時代など存在するわけがないと激しい批判を浴び、芹沢長介は頭の中でありもしない妄想でも抱いて日本考古学を不当に貶めているという批判をこれまた浴び続けたという。

　今でこそYOU TUBEのような便利な教材があり、旧石器時代とか考古学に関するコンテンツのおかげでやる気になればオンライン授業のように自分で学ぶことができるわけではあるが、この種の動画が出てきたのは何とつい最近の3か月前。

　相沢忠洋記念館側も悪名高き神の手を持つ考古学者Fのせいで今まで何も進まなかったが、コロナ渦の中、そろそろあの事件の背後に何があったのか？という真相を話したくなったのもあるのだろう。

　短い1分ほどの動画ではあるが、東北福祉大学で考古学や自分の大学がおこした遺跡ねつ造事件について学ぶきっかけになるか？と思ったのでこの際、紹介することにする。

　残念なことだが私のいた東北福祉大学は遺跡ねつ造事件の最大の共犯者という悪評は簡単に消えるわけもなく、ねつ造に加担した考古学者Fを甘やかし、日本に旧石器時代が存在したことを証明した相沢忠洋の業績までも不当に貶めたのだからあれこれと弁解する余地はない。

　東北福祉大学で教鞭を取っていた考古学教授の芹沢長介は相沢忠洋というアマチュア考古学者と二人三脚で日本の旧石器時代を発見して日本考古学の新しい一歩を踏み出した輝かしい業績を記した一方で、アマチュア考古学者Fのねつ造を自分のいた大学で許してしまい、晩年は周囲からの激しい糾弾と非難と中傷のうちにすべてをぶち壊されたようにして、失意と虚妄のうちに人生を終えたことを学ぶべきだ。