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二月の旋律 |詩

いつだったろう、君が拾ってきた
猫の名前は、シュレーディンガー
それは時々、波になるから
僕らも時々、波となって
猫じゃらしで遊んだ
陽光が差し込む
二月の部屋

そこ
かしこの
春の胎動に
寄り添うような
かろやかな足音に
福音はついてくるから
悲しみはぜんぶ風にあずけた 紙ヒコーキにして

立ち戻るのは、いつだってあの窓辺
コバルトブルーのガラスペンで
思いつくまま、ただ心のまま
書き連ねていく夢の音列
目を閉じて、僕は
波になる


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