夜の公園
やっと実ったと思ったけれど、全然実ってなかったらしい。
今までありがとう、と笑って手を離したあの日、私は幸せ者だと思った。思えてしまった。
だって、これ以上ないくらいに幸せな終わり方だったから。
それでも、ほんとは、苦しかった。
泣かないようにしてたんだよ。泣いたら困らせちゃうでしょ?
後になって、私はあの人が本当に好きだったんだなぁって、めちゃめちゃ思った。
あの人は、親友に戻りたい、なんて、ずるいこと言ってさ。
果たしてそれは100%本心だったのか。
それとも、優しさなのか、逃げなのか。そんなの、知る由もないね。
でも、もう私たちは恋人でいられなくなってしまったのだ。
だから、代わりに、私たちの関係には、「親友」っていう形と名前が与えられた。あの人に、与えられてしまった。
受け入れるしかないね。私はまだ好きなのに。
でも、どんな形であれ、一緒にいられるならそれでいい気がした。私の気持ちなんて押し殺してしまえばいい。
だからさ、何も無かったかのような顔して、これからも仲良くしてよね。
私たち、親友でしょう?