映画小説『セブンカラーズ・ストーリー』が描くアイドル文化の多国籍化について
映画『デスノート』『平成ガメラ三部作』の金子修介監督がnoteでアップしている映画小説『セブンカラーズ・ストーリー』について全五話分、読み終わったのでここに感想を書いておきたいと思います。
まずこの「映画小説」って何?となるかもしれませんのでそもそものご説明を。
この「映画小説」というものは映画になる前のストーリーをいったん物語の体裁で分かるようにしたものになっています。
おしげもなくラストシーンまでもう公開済みです。
ある意味、これを読んで投資判断をできるような代物になっています。
さぁ、みなさんこの内容で映像化されたものを見たいですか?という。
全五話分ありまして本当にそのまんま公開されています。
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この物語、ざっくり概要をご説明しますと鹿児島のご当地アイドル7人組が韓国人・中国人・フィリピン人を含む多国籍アイドルユニットとして成功するかどうか~というガールズムービー仕立てとなっております。
注目したいのは第4話。
いわゆる差別の話ですね。
ショッピングモールでライブをしている彼女たちの前に現れた「アイドルは日本のものだ 自分の国に帰って歌え」という垂れ幕です。
この映画小説ですとそれを彼女たちが乗り越えていく部分が割と明るくしたたかに描かれています。
どんな世界的ミュージシャンや役者だってどこかしらの国家に帰属しているわけですが、金子監督の『セブンカラーズ・ストーリー』はアイドルムービーに見えてそういったグローバリズムなメッセージが練りこまれている部分に目を見張りました。
この新型コロナウイルス禍の中、映画『コンテイジョン』がはるか前に現状を予言していたかのような内容で「映画ってシミュレーションとしての役割もあるんだな」と感心したのですが、この『セブンカラーズ・ストーリー』もアイドル文化の多国籍化および世界をつなぐ役割としての未来を指し示しているようでした。
世界での国家どうしは正直たっくさんの課題を抱えていますがエンタメや嗜好の部分で相互理解をしていこうというビジョンはとても素晴らしいことだと思いました。
自分は男のくせにミュージカルコメディ映画『ピッチ・パーフェクト』が大好きです。
この作品は3まで出ていまして世界中で大ヒットしたのですが、自分の頭の中では『ピッチ・パーフェクト』のアジア版に金子監督の『リンキング・ラブ』を足して割ったような作品になったら世界中が湧きそうだな、と夢想しました。
上記は勝手に川口が書いた感想ですが、映画小説『セブンカラーズ・ストーリー』第三話では具体的に金子監督が思い描くキャストイメージも語られているのでぜひチェックしてみてください。あの方がまた!
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このおしげもなく公開されているストーリーが映画館のスクリーンで形になることを強く願っております。
届け! 監督の思い。
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