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(飛行機のあれなに?これなに?) その5

これはある航空会社の乗客が撮影した動画の一部です。
見出しの写真は部分的に拡大されていて、わかりにくいので全体像の写真をご覧ください。

客室の窓から見えるエンジンの状況です。

エンジンの周り覆い(カウリング)が壊れています。
通常、エンジンは銀色の金属で円柱に近い形で作られていて、その周りに多くの部品が取り付けられています。
どんな部品が取り付けられているかというと
・オイルや燃料のポンプチューブ
・発電機
・センサー
・オイル、燃料、圧縮空気のバルブ 等です。

そのまま飛行すると、前から受ける風に対して抵抗になったり、部品が吹き飛ばされたり、地上で石や異物によって損傷を受けてしまいます。

そのためカウリングと呼ばれるエンジンのカバーで覆っています。
白、黒、ピンク等、各エアラインで塗装された色の部分です。

そのカウリングについてですが
飛んでいる時は閉まっていますが(close)、エンジン内の整備の際に開けます(open)。
ヒンジ部(家のドアの付け根の部分のような折り曲がる部分)は12時位置にあり、左右対象に半分ずつ上側にopenします。
閉じている時は6時位置(エンジンの真下)で、複数のlatchと呼ばれるパーツで開かないようにロックしています。


写真の状況の説明に話を戻します。

ロックがされていない

飛行中か滑走中にスピードが出て風圧や振動で全てのlatchが外れてしまう

カウリングがopen

風圧でopenかつ捩れる方向に力が加わる

カウリング部材が風圧に耐えきれず、損傷した

といった流れが想定されます。

原因ですが整備のミスや、latchの部品自体の不良で、ロックがされていないことが考えられます。
何はともあれ、カウリングが燃料タンクに突き刺さって、燃料が流出しないのが幸いでした。

幸いにも事故に繋がらなくとも、このような事例がSNSやNEWSで報道されれば、エアライン会社の信頼性は揺らいでしまいます。
整備士の作業の正確性や確認は、非常に重要なのです。

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