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ここは日本の田舎町じゃないので・・・(52歳の田舎のおばさん留学記19)

私が現在住んでいる所は、新幹線の通っていない城下町、というのも既に憚られる気がするくらい”簡素”になってしまった街です。「町はずれ」という言葉は子どもの頃読んだ児童書などで知っていましたが、ここ(夫の実家がある)に40歳頃に引っ越してきたときに、「町はずれ、って今の日本に本当にあるんだ!」と感動!しました。
「そこのケーキ屋に行きたいの? ちょっとわかりにくいかな。街は出る。そして県道から曲がって”3つ目の集落”のはずれにあるんだよ」なんて言えちゃうのです。
そんな私が、「その地を知りたい」なら「まず歩き回ってみること」と思うのも無理はないと言えましょう。それをシカゴでもやろうとしたんですわね。アメリカに馴染むために・・・

このシリーズでは、「52歳で、日本の田舎に住んでて、主に子育てと介護で”表舞台”からは隔絶されていたおばさんが、突然単身アメリカ留学すると何が起こるか?(ちなみに途中脱落帰国。2017年のこと)」ということを、英語学習面ではなく(それも少しは書くけれど)、生活面の視点からちょっと紹介します。誰かに何か参考になるかもしれないなー、というのと、ようやく振り返る気持ちになってきたので、自分のまとめを兼ねて書いています。思い出し思い出し書くので、たまーにという感覚で、ながーい期間をかけて、書こうと思っております。時系列も前後するかもしれません。

某奨学システムを使って、ちょっと変わった形態で留学することにしたアメリカでの初日。日本語教育法の授業を受けるセントルイスに行く前に、自分をアメリカに馴染ませるためにシカゴのホステルにて2、3泊した。
ホステル内すら珍しく(もしかしたらこのレベルのものは東京などの都会にはあったかもしれないけれど、そんなことは知らない)、写真を撮りまくり、完全に浮足状態。

ホステルのエレベーターの中。”Please Swipe Keycard”で、部屋のキーカードをこの黒い部分にシュッと滑らせなければ、自分の階には降りられない。興奮して鼻息荒くなる。(2017年当時)


ホステルだから、キッチンがある!こういうタイプのコンロを見るのも初めて。
そして、誰も料理などしていなかった!ホステル、ってそういうものだったカナー、と思った。

(その他、おびただしい量のホステル内の写真は省略)
さあ!土地に馴染むために、外を探検だ!

シカゴは建物は面白い

はぁはぁ・・・ぐるしい、つらい・・・
建物デカイ、道路広イ(いや普通だと思う、今は)、公園広すぎて、そして銅像ぐらいしかない・・・。歩けども歩けども、大して景色が変わらない。なんだこれは。人はここに生身で存在していていいものなのか・・・。
歩く道を選択し間違えたか、日本の田舎から出てきたおばさんがなんとなく歩き回って「街を知ろう!」とか、考え違いも甚しかった。もっと計画的に歩かなくてはならないんじゃないだろうか?
ふ。あ。セブンイレブンだ!
道に迷った山奥で、一軒家を見つけたかのような(日本昔話的)安堵感で、入ってみる。

なんか怖かったセブンイレブン。こっそりそーっと写真を撮った

やばい!
いや、やばくはない。
でも、何だか自分の中の野生のセンサーがプインプインと鳴って「危険」を知らせた気がした。
今なら、この写真を見ても怖くも何ともないが、
そのとき、日本のようなビジネスライクで無機質で、でも照明の明るいセブンイレブンをイメージして入店した私を、ドキンとさせるくらいの”暗い怪しさ”が、このセブンイレブンにはあった。言うて、ここシカゴという都会なのに、セブンイレブン、こんな感じ⁈ 言葉を選ばず言えば、立ち寄ってはいけない貧しい地域に足を踏み入れたかのような。いや、絶対ホワイトカラー(死語)のサラリーマンは、ここに立ち寄らないよね?的な温度を感じた。
ふ・ふふふふ〜〜〜。心の中で息を整え、「んー、見回してみたけど、欲しいものないわ」という顔をして、店を出た。ドクンドクンと心臓が鳴る。写真のアイランドキッチンのようなところで飲み物を作ることに、かろうじて好奇心はそそられたが、
「アメリカに馴染もう!」というアメリカ初日のおばさんにはハードルが高すぎた。
レジのおじさんも怖い気がして、また外のコンクリートの道に出た時は、少しほっとした。

帰ろう!
ホステルへ!
田舎の街のように散策してなごむ場所ではないんだよ、ここは!
そして、ふと、朝見た光景を思い出した。↓こんなの

円になって自己紹介をしていた。「僕たちは、スコットランドから来ました」と言っていた。

思い出して何をしたかは、このシリーズの次回で。


教訓33;日本の田舎町のスケール(価値観)でシカゴのような都市をとらえてはいけない。おばさん、ほんと、何しでかすのか怖い。

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