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フリースタンダードがRetailorで描く未来とは?(後編)

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「とにかくやってみよう」「仲間のために」と思える“いいヤツ”を、増やしたい

―――では、フリースタンダードではどういった方を求めているのでしょうか?

野村:まずは“いいヤツ”がいいですね(笑)。あとは、自分の意見だけを盲信せずに、他のメンバーの意見もふまえて「一度行動してみよう」と決断できたり、「組織のため、仲間のために自分が一肌脱いでみよう」と思えるような人でしょうか。

オフィスでのひとコマ

張本:僕たちのビジネスって、バリューチェーンが長いんですよ。Retailorを開発するプロダクトマネジャーやデザイナー、エンジニアにはじまり、市場にRetailorを広めるマーケティングや営業、そして、物流、カスタマーサクセスを担うメンバーもいる。

バリューチェーンが長いということは、ひとつの機能だけ改善されても、顧客に価値は1ミリも届かないということです。なので、「自分の部署だけこうしよう!」と部署ごとに閉じてしまうと、ビジネスが繋がっていかないんです。

そういう意味では、社内における仲の良さは大切にしていますね。「他者を思いやれる」だとか、「違うセクションの視点で考えられる」というのは、この事業をしていくうえで外せない要素なんです。

フリスタのメンバー

Retailorなら、産業構造を根本から変えていける

―――最後に、フリースタンダードのビジョンを聞かせてください!

野村:僕は出身柄、toBの視点になってしまうのですが、Retailorはものすごい可能性を秘めていると思っているんです。

僕たちの価値は「商品のLTV(※)を伸ばせる」という点にあります。これは今の業界から見ると、大きな変革なんですよ。

(※)...ライフタイムバリュー。顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標

従来のブランドさんのやり方であれば、売り上げを伸ばすためには商品をどんどん生産する必要があるし、必然的に商品在庫も多くなってしまう。けれどRetailorはその産業構造を、根底から変えることができるんです。
世界では近いサービスを展開している企業もあり、特にアメリカの先行企業は急成長している素晴らしい例だと思っています。

しかし、海外の事例を調べていくと「大量の商品収集」「査定」「販売」といったリユースにおける一連のオペレーションを、「とにかく効率的に遂行する」ことを重視しているように見受けられます。つまり、サービスの目的が「リユースオペレーションの提供」になっている。

一方でRetailorは、「ブランド経営の中でのリユース」「ブランドの利益率をどう高めるか」といった観点を持って開発を進めているのが特徴です。例えば、顧客データの提供や一次流通との連動(ストアクレジットや会員連携等)まで含めて提供できる方法はないか、常に模索しています。

Free Standard株式会社 取締役
野村晃裕

今後、アメリカの先行企業はより大量の商品をさばけるように進化していき、Retailorはよりデータ連携やUI・UXを磨く方に進化していくのではないでしょうか。
そういった、きめ細やかな配慮を込めてサービス設計するスタイルで磨いたプロダクトであれば、先行企業の顧客を全部ひっくり返せる可能性があると思うんですよね。
そのためにもまずは国内でしっかりと実績を出していきたいです。

まだ見ぬ、新たな消費行動を創造したい

張本:僕はRetaiorを通して、新たな消費のスタンダードをつくっていきたいですね。

今の社会においては「商品を買う」だけが消費のスタンダードです。僕はその選択肢を広げていきたいんです。
「借りる」というのも消費のひとつの形ですし、セカンダリーマーケットの商品であれば、大多数は買って終わりではなく、いつかまたマーケットへと戻っていくはずなんです。

発想の転換というか、手に入れた物を「自分だけが使って捨ててしまう」のではなく、次の世代に譲る・リメイクするなど、「未来に繋げていこう」というマインドをユーザーに持ってもらえるようしたい。繋げる大切さや意義をしっかりとこのRetailorを通じて世の中にスタンダードにしていきたいと思っています。

僕は長年ECに携わっており、その歴史を見てきました。ECの進化は、時間・場所・所得という消費における3つの制約のうち、時間・場所の2つの制限からユーザーを解き放っています。

しかし未だにユーザーは、所得の制限から解放されていません。商品を繋げるという消費行動は、最後の所得という制限を解放する可能性につながると思うんですよね。

そうなればブランド側も従来型の大量生産を抑制でき、循環型の生産をしていくことになります。

ユーザーが何にも縛られずに買い物を楽しむことができる。ブランドは過剰に商品を生産し続けなくていい。
そんな新しいスタンダードを創造することができれば、資源の循環が生まれ、きっと豊かな消費社会になっていくはずです。
それがフリースタンダードを通して、僕が成し遂げたいことです。

Free Standard株式会社 代表取締役
張本貴雄