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 もうポメラの前に座ってかれこれ2時間になる。その間ずっと何を書くか、ということについて頭を悩ませていた。
 書きたいことがない。いや、厳密にいえばあるにはあるが今の自分の文章力ではそれを上手く表現出来る気がしない。

 つくづく自分が受動的な人間であることを思い知らされる。そんな有様であるからせっかくの休日も一人悶々とインターネットに表示される肌色画面を見つめるだけで終わってしまうのだ。

 思えば最近はそういう肌色系の動画を見たいという欲すら失われつつある。健全な精神と肉体はどこへやら、普通に生きることすらままならない。

 ドストエフスキーの『地下室の手記』という小説は「僕は病んだ人間だ」という書き出しから始まるが、まさしくあれである。このままだといずれ風俗嬢に説教するオッサンに成り果てかねない。

 普通の人間は休みの日にやりたいことなどいくらでもあるのだろうが、精神的な欠損が生じるともはや休みの日に何をやりたいのかすらわからなくなってくる。

 とりあえず映画を観に行く予定は立ててみたものの、正直まだあまり気乗りはしていない。

 一体みんな、何を生き甲斐にして人生を生きているのだろう。死なない理由探しのために生きる人生って一体何なのだろう。

 最後に心の底から笑ったのはいつか、思い出せない。

 この世に生まれられたことに対しての感謝。生への祝福。その対極には、生まれてきてしまったことへの憎悪、怒りがある。そしてそれはやがて諦観に変わり、生に対しての失望を生み出す。

 もう、疲れた。心の弱さを認めるだけで人生が終わりそうな勢いだ。最初から期待する方が間違いなのかもしれない。

 書いていて疲れてきた。なんかもう犯罪者の手記みたいな雰囲気になってしまったが、無論こちらは法を犯すつもりは毛頭ないというかもはや何をする気力もない。

 一体何が人間をこんな風にさせるのか?自分という存在をサンプルとして研究者に差し出すので調査してもらいたい。

おわり

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