大好きな、うちゅうじんのお話
我が家には、うちゅうじんがいる。
うちゅうじんは、ある日突然うちの前に現れた。
おなかをすかせて、おびえながら。
妹が見かねて、その日の晩ご飯だった焼き鳥をあげて。
そうしたら、離れなくなってしまって。
その日から、うちゅうじんは、うちの子になった。
うちゅうじんは、みんなと過ごすところが違う。
外飼いなのである。
うちゅうじんは、みんなより一食ごはんが少ない。
わたしだけ三食じゃない!って言わない。
うちゅうじんは、雨の日に寄って行くとおびえる。
傘がこわいのかな。
母と喧嘩して、どうしても家から飛び出したかったあの日。
外に飛び出てみたけれど、行く場所なんてどこにもなくて、外は暗くて寒くて。
きみのところに、お世話になって。
少ししたら、母と妹が探しに出てきてくれて。
あのときは、ありがとうね。
あんまり散歩してあげられなくてごめん。
いつも、わたしの手の上に、きみの手が乗っかるのが、うれしいんだよ。
また、帰ったら遊んでね。
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